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第一話

やれやれ、また誰か来たのか。

 


 足音がする。


「はっ、はっ、はっ、おかあさんっ助けてぇ。」


少女は走っていた。


「あっ」


木の根につまずき、こける。それをチャンスとばかりに少女を追っていた狼が襲いかかる。少女は痛みに耐えるように身をこわばらせた。が、痛みは来ない。おそるおそる目を開くとそこには血塗れの少年と死に絶えた狼がいた。少年は狼を抱え、森の奥へと向かう。


「あのっ!あ、ありがとうございました。」


少年は一度振り向き、感謝の言葉を聞くとそのまま奥へと向かおうとする。


「わたし、お母さんのびょうきにきく薬をさ、さがしているんです!なにか、しりませんかっ!」


「知らない。」


少年はそう答えるとそのまま歩く。少女はなんとなしに少年の後をついていく。


「何故付いて来る。」


少女は少年の前に回り込むと、


「せめて、薬になる葉っぱがあるところは知りませんかっ?」と言った。


少年はため息をつくと、別の方向に歩き出した。


「付いて来い。」


「はいっ!」


暫く歩くと、木々が生い茂った森を抜け、小さい広場に出た。


「此処なら有るんじゃないか?」


少年はそう言い残すとまたどこかへ消えてしまった。



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