似た人
君に似た人が居た
僅かに乱れた伸びた髪
前にのめりに傾いた首
丸い背中
空は朱色に染まっているのに
スポットライトのように
影が上から射し込んでいる
どこか気怠く
ぼんやりした雰囲気纏い
少し錆びた自転車を
ぎぃぎぃ鳴らして
微温い空気をかき分けて行く
ありもしない風景
遠くに居るはずの君が
のろのろ前を横切ってゆく
その後ろ姿を追えばきっと
君の面影を見送ることができるのだろう
そう思うと切なくて
通り過ぎて行く君の亡霊から
ただ目を背けて
早足で
遠ざかるしか
私にはできなかった