表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

疑い

それは家に向かって歩いているとも言えたし、学校に背を向けているとも言い表せた。

目の前には太陽が光っていて、それがない世界を私は想像できない。

ふと大好きなアニメの台詞を思い出し思い出せず、

眩しすぎて見れやしないよと歌われる太陽に同情した。

太陽はずっと私達を見守って、私達を護ってくれているのに、

その姿が見てもらえないなんて可哀想。

でも太陽の光は良く見えたから、太陽はきっと子供達を味方にしているんだ。

太陽が見えないものが影に為っているんじゃないかと考えた数日前の私に挨拶をする。

コマドリ、名前が思い出せない、あの後姿。

それを見つめていれば飽きることは無く、一つ目の曲がり角まで何も考えずに過ごせた。


この後何をして暮らすかを二十回目のリピート。

ふと音楽が蘇って来て、そうして先生の言葉も思い出されて、

「民族の気持ちをそうぞうしなさい」

言われていたあの子を気の毒だなと思った。

だって分からないじゃない、会った事も話した事も一緒にうたったこともないその民族の気持ち

でも分からないといったらころされちゃうから、私達は一生懸命そうぞうしたんだけど、

でもやっぱりわからないし、

そうぞうしてできたその民族の町は

シルバニアファミリーで遊ぶみたいにちゃちで落書きのようだった。

テレビ、映画、本、挿絵、

それぞれがくっつけられて切り取られて完成したその世界。

コンドルはとんでゆく


いつの間にか隣の人が居なくなっていて、鉄の塊が道を走っていた。

危ない危ないと言われ続けて何で滅びないの、鉄の塊、ゴキブリ、銃。

危ない危ないしか聞いたこと無かったから、私はその青に怯えた。

でも運転席に人がいないんだよ、じゃあ安心か

そんなわけないでしょう、

運転席に人が居ないからって何で走り出さないって信じられるの。

急にこっちに向かってとっしんしてくるかもしれないんだよ。

私たちはそういう時代に生きてるんだ。

これが取り残されるって事か、

鉄の塊の操作には人間が必要だったけど、

もう要らないのかもしれない、自分ひとりで動けるのかもしれない、

だって猫だっていないし、人間なんかもう必要なかったのか。

良かったね、独り立ちだよ、良かったね。

立ち上がって、拍手。


でもさ、どうしてその人が生きているって言い切れるの。

女の子とお父さんが居て、それがどうして誘拐じゃないって言い切れるの。

男の子と女の子、たくさんの、それが修羅場じゃないって言う証拠は。

私が生きている」って何故みんな信じられているの。

誰かに教えてもらったの?

私は信じられなかった。


去年合奏で「コンドルは飛んでいく」をやった学生のきらすけです。

脳内で鳴りやまなかったので書きました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ