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練習サスペンス1  作者: とーる
3/3

練習サスペンス3

小泉、平石、青木、清水が僕の元に集まってきた


おい!大丈夫か!!!??


小林が近づいてきた


僕はそれより


栗田は?


と問いかけた


平石は嫌な顔で答えた


あいつは小泉の部屋に縛り付けて逃げられへんようにしといた。



小林は僕に聞いてきた


あの扉の先に何を見た?


森だった。


清水が驚いた様子で聞き返した


森?


うん。そして浅田が何か得体の知れない物に襲われていた。。。

恐らく、、、助からない



平石がバーカウンターのお酒を全てはたき落とし


どういうことやねん!!!と叫んだ


小林は落ち着いた様子で考える


間違いなく小泉はこの時間犯人。ということは脱出用の鍵は貰ってるはず。

なのに襲われた、、、


青木腰を落とし


みんな、、、死ぬか閉じ込められるしかないってこと?



その時僕の頭に見覚えのない光景が浮かんだ。


おい!青木!!羽沢!!!お前らだけでも、、、生き残れよ、、、


いやぁぁぁ!!!!



頭の中のその悲鳴が流れたタイミングで不意に我にかえった


あの声、、、



僕は青木を見た


青木さん、、、僕達はまさか、、、



青木は僕を見て言った

うん。羽沢君と私は前回のこのゲームの生き残りよ。


3人がギョッとした目で僕達を見た


平石が僕の胸ぐらを掴んだ


おい!お前ふざけるなよ!どういうことか説明せぇ!!



僕は平石を左手で突き飛ばし

分からないんだ。記憶がないんだ!!!


青木はそれを聞いて納得した


やっぱり、、、私もそうなの。でも、あなたが必死で私を守ってくれてる記憶だけ鮮明に残ってるの。



清水さんが僕の両肩を掴み揺さぶりながら言った


思い出してよ!!お願い!!!


みんなの視線が僕に向けられる


、、、



しばらくの沈黙が流れ僕は自分の仮説を信じ話すことにした



僕は24〜1時で犯人だ。


そう言うとみんなは固まった


小林が詰め寄る

お、おい!何故それを俺たちに言う?


恐らく僕の考えが正しければ次に犯人を指名させられるのは僕のはず。。。


平石

どう言うことだ?


僕の犯人の時間は次のその時間と最終日終了間際。その2つ。

僕の仮説では終了間際ではもう助からない。

だからきっと次の時間に抽選が当たるはずなんだ。


みんなは訳が分からず考え込む。


身をもって実験したい事がある。勿論間違っていれば僕は二度とここから出られなくなるだろうが、、、


青木は僕を見て

お願い、、、やめて、


と言った


小林はそうか!!と閃いた


北は説明の時に言っていた。犯人でない場合は二度と出られない。と。

もし、犯人の自分が自分で自分を指名した場合は?

犯人を指名した自分はきっと鍵を貰える。そして捕まる、、、が二度と出られないとは言われていない。



平石が僕を見た

でも、もし脱出用の鍵をもらえてもあの森で何かに襲われるんやろ?


僕は平石を見た

一度捕まれば、恐らくあの点滴を刺される。あれは万能薬という説明をしていた。

ここからは更に憶測でしかないがあの森を抜けるためにはあの点滴が必要なんじゃないか?


混乱する頭を抱える5人だが


僕の説明を受け入れたのかその時間まで5人は広間で待つ事にした。



平石はお酒を5人分用意しみんなに渡した。


平石

もう裏切りっこ無しな。みんなで脱出しよう。


小林は笑い、清水はそっぽを向き、青木は涙目になった。


僕は渡されたお酒を見た


そして


カァン


とみんなで美しく高い音を鳴らし


それを飲み干した


そしてしばらく5人でギクシャクしながらではあるが談笑しその時を待った



そして、、、


ピピピピピ


と大広間に響き渡る音


一瞬にして空気が張り詰める


羽沢の予想は正しかった


鳴り響いたのは羽沢の名札


僕は4人の顔を見て頷き口を名札に近づけた


犯人は羽沢。


しばらくすると北さんが車椅子を持って現れた


僕は全身が動かなくなりその場に倒れた


青木は僕の名前を呼んだ


羽沢君!!!


清水さんは青木を抱きしめて様子を見た


北は僕を車椅子に乗せ僕の手の中に脱出用の鍵を握らせた。


そして僕はそのまま北に連れられ廊下にでた。


階段の脇にあった隠し通路を通り、再びあの絵を見た。


裁かれるべきものは、、、


僕はその絵を見て悟った。


裁かれるべきものはいない。

小賢しく、ズルく、正義感に溢れ、優しく、他人行儀、全てが人間の当然の感情だからだ。


当たり前の事で裁かれることなんてない。



そんなことを考えていると僕は部屋に連れていかれた。


そこは白と黒で別れた部屋だった。僕は白の方に車椅子ごと放置された。


黒の部屋では堀田さんがコンクリートで固められていた。


姿は車椅子で見えないが、、、恐らく前の車椅子には小泉さんが乗ってるはず。


僕は2人に声をかけた。


堀田さんと小泉さんですか?


堀田さんはすぐに返事をしてくれた


羽沢君か?君も捕まったのか?


しかし、小泉さんは反応がなかった



それでも僕は現状を伝える事にした。


堀田さん、、、あなたにはとても言いづらいのですが、、、僕と小泉さんは助かります。

ですが、、、犯人ではなく指名を受けた堀田さんはもうどうしても助ける事ができません。



堀田はしばらく黙った、、、そして


、、、そうか。


と言った


この部屋についてコンクリートで固められる自分とその白い部屋に置かれ何もされない小泉を見て薄々そうじゃないかと察していたよ。

お前ら、、、絶対生き、、残れよ!



体は動かなく堀田さんの顔は見れないがどんな表情をしているか安易に想像できた。


すると小泉さんから一言だけかえってきた。


酷いこと言って、、、ごめん。


1時間ほど経ったのだろうか、、、点滴のお陰で僕の体が動くようになってきた。


そして手に持った鍵を使い車椅子の足と腰のロックを外した。


同じ鍵が使えるか不安だったが小泉さんのロックを外すことができた。


小泉さん。大丈夫ですか?


怖かった。一生このままだと思って本当に怖かったよ!


堀田さんが僕達に声をかけてきた


良かったな!絶対お前らはこの館から脱出しろよな!!


僕は静かに堀田さんの後ろに回り込んで首を締めた


うっ。。。


コンクリートで固められた堀田さんは抵抗ができなかった。


僕は堀田さんの首を力一杯閉めた。そしてごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい

と何度も何度も言い続けた


最後に堀田さんは一言


あ、、りが、と、、な。


と言い意識を失った。


僕は小泉さんの方を向き

点滴を外せ!!!と言った


小泉さんは堀田さんが回復しないようにすぐに点滴を外した。


それから約5分間僕は堀田さんの首を力一杯閉め続けた。


確実に、、、確実に殺すために、、、


そして小泉さんと来た道を戻った


大広間に戻った僕を見てみんなが抱きついてきた。


小泉がみんなと合流し一言


みんなごめん!


と謝った


平石は笑いながら


ほんまにやぞ!呪われるおもたわ!と言い頭を叩いた


小泉はその後栗田の事を聞いた。


そして小林と清水と平石を連れ4人で栗田の元に向かった。


栗田は縛られて動けなくいたが意識は取り戻していた


そして小泉の姿を見ると顔を強張らせた。


その様子を見て小泉は思いっきり栗田の顔を殴りつけた。


お前の気持ち悪い体見せられて一生トラウマになったよ!死ね!


と言い部屋を後にした


小林と清水がゴミを見るような目で栗田を見た後無言で部屋を後にし、平石だけがその様子を見ていた。


栗田は平石に命乞いをした。


たのむ、、、たのむぅぅぅ!!!助けてくれ!!


平石は哀れになり、拘束を解いてやった。


いいか!もう俺たちの前に現れるんじゃねぇぞ!その時はお前の手足を折ってやるからな!


栗田はありがとうと言い頭を地面に押し付けた



そして、羽沢が帰ってきたことから残りのものも自分の犯人のタイミングで抽選が当たるのを待った


2日目に犯人のものが多く抽選に当たるまで時間を要した。しかし指名される危険がなくなった今各々はリラックスして体を休めた


青木さんとは部屋で2人お互いの記憶を辿った。


それがみんなが助かる近道になると感じたからだ。


そしてついに一定の方法で平石、青木、清水、小林、は鍵を手にした。


再び小泉さんにも説明をし、自主してもらい専用の鍵を念のため貰ってもらうことにした。


全て終わった頃には最終日の朝8時になっていた。


制限時間まで残り4時間。


広間に僕を含め6人が集まった。


その頃には僕の記憶も殆ど戻っていた。


みんな聞いてほしい。この扉をでた先には食人植物がいる。


そいつはツルを使い僕達の足を取ろうとしてくる。そのツルには神経毒が含まれ本来なら動けなくなるがこの僕達が受けた点滴には免疫がついている。


ツルが柔らかく手でちぎれるが、あっという間に全身に巻きつこうとしてくる。だから巻きつくたびにお互いで力を合わせ引きちぎり全力で奥にある川に飛び込め!


その川は外の世界へ続いている。それで脱出できたはずだ。



みんなが真剣な顔をして聞いていたその時


ピピピピピと音が響いた瞬間


きゃぁ!!

清水の叫び声が聞こえた


おいおい!俺を置いてけぼりか?結局?


栗田が清水の首に右腕を回し人質を取るかのようにしてこっちを見ていた



平石が睨みつけた


おまえ!


お前ら!俺を助けろ!!!俺を置いていこうとするんじゃねぇ!!


栗田の様子は普通ではなく狂気をはらんでいた。


おい!いいか!自主しろ!1時間でまたここに帰ってこれる!それが脱出するために必要なことだ!


下手な嘘は清水さんの危険を招くと考え正解を伝えた。


しかし、栗田は僕を睨み


信用できませーーーん!


そういうと清水の頬を舐めた


清水顔が青くなった


ひぃーーー


こうなったら俺一生清水さんと生きちゃおうかなぁ、、、



小林がゆっくり近ずく


おい!落ち着け


しかし、


よるな!!!と大声を出した


僕は大声で叫んだ。


栗田を指名します!!!


すると栗田が全身から崩れた


な!?


平石が驚いた

まさか、無理やり声を通して他人が指名できるのか?


あぁ。前にこのゲームをした時にできたことだ。今回できるか不安だったが今回も通用してよかった。


清水が怒りをあらわにし栗田の顔を何度も踏みつける


この、、、ゴミ!!


小泉がバーカウンターに置いてあったアイスピックを手に取り


栗田の股間に突き刺した


栗田はギャーーーーと叫んだ


清水!行くよ!


北さんが車椅子を持って現れた頃僕らは扉を開け走った


光が差し込む森を一列に走り抜ける


僕が振り返ると


僕達の通った1つの扉以外は全て高台に出るように並んでいた。


恐らく別の扉は全て行き止まり。


餌になるしか無かったんだな。



気を改めて引き締め状況を考える



先頭は僕で1番後ろは小林


思いを巡らせる間も無く


目の前の巨大な木がうめき声をあげた


ヴオォォォォォォォォォォォォ


その瞬間ツルが足に寄ってきた



みんな!気をつけろ!あれが食人植物だ!!



僕の後ろにいた青木が最初にツタに掴まれた


僕はそれを引きちぎり手を引っ張った


平石の前後にいた小泉と清水が捕まった


待ってろ!

小泉のツタを引きちぎる。


間一髪小林が清水を助ける


ありがとう!


良いから行くぞ!!


その時10メートルはあろうかと言う木の上から声が聞こえてきた


た、たすけぇーーー、誰かぁーーー


見ると広瀬と浅田が捕まっていた。


ツタが全身に巻きつき、細かいツタのようなものが口の中に入り見るも無残な状況になっていた。


見るな!あれはもう助けられない!!


僕はそう言いペースを上げた


その時、一瞬の隙を突かれ小泉がツタに持ち上げられた


きゃぁ!!


小泉!!!


平石が必死で助けようとするが既に届かない距離に持ち上げられていた


小林を見た平石


おい!清水と小林は先いけ!


おまえ、まさか!?助けるつもりか?もう無理だ!!


しかし、平石はその場を動かなかった


行くぞ!清水!!


でも!


小林は清水の手を強く引っ張った


しばらくすると平石の足にツルが巻きつき持ち上げられた。


おおおおおお!!!!


持ち上げられながら体を振りツタを揺らしなんとか小泉の元によろうと試みる


なんでよ、、、あんた。なんでこんな事するのよ、、、


平石はニヤリとして言った


馬鹿野郎!女は守るもんやろ!


平石は周りをキョロキョロして

10メートルほどの高さから川を見つけた


そして何とか小泉のツタを手に持ち叫んだ


羽沢ぁぁぁぁぁ!!!小林いいいい!!!!


僕と小林は平石を見た


小泉のこと、、、頼んだぞおお!!



平石はツタを揺らし勢いをつけタイミングを見てツタを切った


きゃあ!!!


10メートルの高さから川に落ちた小泉


急いで僕は川に飛び込んだ。



青木も飛び込み4人が続けざまに飛び込んだ


おまえら、、、みんなちゃんと助かれよ!

俺はせっかちやから先に行くわ


そう言うとツタで腕を絡め取られる前に自分の足のツタを引きちぎった。



その頃、水中で投げ捨てられた小泉を掴みツタを引きちぎったあと川から顔を出した



おい!小泉は無事やぞ!!!平石!!!


その声も虚しくもう平石はそこにはいなかった。


頭から地面に落ち即死していた。


僕は最後に平石の死体を確認し、川を泳いで先に進んだ


小泉さんは動揺し暴れたが小林がしっかりと彼女を掴み引っ張った


そして川をしばらく行くと目の前に小屋がでてきた。


川から出て小屋に入る


すると僕達の名前があり賞金が入った通帳が置かれていた。


そして、救出用の電話だろう。


一台だけ置かれていた。


僕らはすぐに警察に電話し、救急車を手配してもらった。


それからしばらくして、、、


栗田は広間に這い出てきた。


俺は人生の成功者、、、こんなところで終わってたまるか!!


時計を見ると残り30分


絶対ここから脱出してやる、、、


栗田が扉を開け走る


しかし、ツタが足に寄ってくるのを見て


う、うわぁぁぁぁ!!!なんだこいつは!!!


急いで引き返し扉を閉めた


広間へ戻ると北がこっちを見ていた


お時間がもうあまりありませんよ。どうぞ


う、う、、、うぅ、くそおおおお!!!


栗田は怖くなり脱出用の扉を開けることができなかった


北が栗田の元に寄ってきた


時間切れですね。


栗田は笑いだした。


はは!わかったぞ!!出口なんてないんだろ?あんな怪物がいるところが出口なわけないもんな!俺だけ助かったんだろ?



北は冷徹な目をしてニッコリと笑った


愉快な方だ。


栗田は全身が動かなくなりその場に倒れた


そして車椅子に乗せられ再び運ばれた。


やめろ、、、どういうことだ!??

やめろおお!!!


あなたの醜さは本当に見事でした。最初から人を見下し、弱き女性を食い物にし、最後には誰彼構わず命乞い。

私あなたのような人が大好きです。



コロコロと車椅子を押しながら白と黒の部屋に戻る


白の部分を通過し黒のゾーンに


堀田さんが寂しいでしょうから向かい合わせで閉じ込めて上げましょう。


そう言うと腰から下をコンクリートで固めだした


栗田の正面にはベロを出し死んでいる堀田がいた。


北は最後に栗田を見て言った


末永く、お幸せに。


そして、点滴を差し込み静かに部屋を出た。


ガチャリと扉の鍵がかかる音がした。


うわぁぁぁぉぁぁ!!!!


北は男の悲鳴を後ろに廊下を進む


今回のスイッチゲーム。非常に楽しいものでした。


人間の持つ強さ、汚さ、誠実さ、非常に素晴らしいものでした。


では、また。。。次はもっと楽しいゲームをご準備致しましょう。


そう言うと北は階段の油絵を外し、隠し扉の中へ消えていった。


スイッチゲーム

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