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番外編テール視点~不思議な子供~

あっと、明日から更新できません。多分。

時間見つけては更新したいですが、テスト勉強するので難しいと思います。


中性の設定消しました!何故かと言うと、めんd……色々あったんです、はい。




-----テールside-----






いつも通り山のように積まれた書類をさばいていく事、約五時間。一旦手を休め固まった身体を解す。少し息抜きをする為に一昨日見つけた湖に行く事にした。もし昼寝をして寝過ごしても、明日に回せるから気が楽だ。


受付に少し出かける事を伝えて、湖近くの森に転移した。森林浴をするのも悪くないと思ったからだ。湖に向かって足を進めた。







「……っ子供?」



衝撃を受けた。湖には子供がいた。



振り向いた顔を見た時、呼吸をするのを忘れた。月の光を閉じ込めたような白銀の髪と瞳。神が心を込めて手ずから作り上げたに違いないと思わせる顔。美しすぎて男にも女にも見える。


その子供はチラリと横を見ながらジリジリと退いていく。警戒されているな。俺は出来るだけ優しい声を出して言った。大丈夫だと、敵じゃないと。


それでも子供から警戒の色は消えない。どうしかものかと考えてみると、自己紹介してない事に気がついた。少しでもいいこの子供の情報が欲しい、そんな事を思う自分に驚く。そんな内心を見せないように自己紹介をした。



子供はジロジロと俺を上から下まで見た後、小さな声でオトハと名乗った。



「オトハか……。こんな所に一人か?親は何処だ?」


「知らない」



知らない?どうしてだ。ここは比較的安全だが、子供が一人で来るのは危険過ぎる。それなのにどうして……顔に目が行っていて今まで気付かなかった。服がボロボロだ。それに折角の美しい髪もゴワゴワしている。それにオトハから魔力が感じられない。





前に事例を読んだ事がある。保護された子供。生まれてすぐに魔力がないと判断されて虐待され、捨てられた子供。




俺はオトハに近づき身体を調べた。思った通り身体のあちこちにはその肌に不似合いな醜い傷や痣が無数にあった。眉間に皺がよるのが自分でもよく解る。

調べている時にオトハと目があった。その時の困惑の奥にある無に恐怖より怒りを覚えた。子供がする目じゃない。



俺がオトハの親になって色々な事を教えたい。温もりも安心も感情も身を守る強さも、生きていく為に必要な事全てを。


そう思ったら勝手に口が動いていた。



「なぁ、オトハ。お前、行くとこあるか?」


「……ない」


「なら俺について来ないか?俺の子供になってくれよ」


「……変な奴……」



ああ、そうだろうな。俺だって変な奴って自分に言いたい。でもそう思ってしまったんだ仕方がない。これは一目惚れみたいなもんだ。



俺が嫌かどうか聞くと、凄く小さな声で「嫌じゃない」と返ってきた。自然に頬が緩んでしまった。恥ずかしいのか顔をそらすオトハに可愛いと思ってしまう俺は親バカだな。そしてそれも悪くないなと思っている俺はもう末期なのだろうか。








穏やかな雰囲気が周りを包んでいたと思うと、急にオトハがビクッと震えた。目を閉じて何かに集中していると思ったら、俺の手を引っ張られた。俺の手より小さい手にほんわかしてしまう気持ちを引き締める。


森の少し開けた所でオトハは足を止めた。



「オトハ、ここに何があると言うんだ?」


「……来る」



オトハがそう言った瞬間東の方から恩寵竜が見えた。しかもどす黒い色に覆われている。



「魔落ちか!?」



舌打ちしそうになる。オトハを早く逃がさなければ。恩寵竜の魔落ちなんてZランクの総帝と互角なんだぞ!?俺が敵う相手じゃない。



オトハが何か言ったが、恩寵竜の咆哮が大きすぎて聞こえない。聞き返したかったが、恩寵竜が俺達を認識してしまった。



「オトハ、あの湖の所まで走れ!!」



死ぬ覚悟で恩寵竜に剣を向けながら、オトハに叫んだが動きがない。どうしたんだ?早くここから逃げてくれ!



そう思っている時、オトハが恩寵竜に向かって走り出した。


俺がそれに気づいた瞬間、オトハの身体から魔力が吹き出した。

遠ざかっていく意識を無理やりたぐり寄せる。もう一度オトハを見た時、魔力が具現化していた。


氷で出来ているのか透けている片刃の不思議な剣。あんなに細くてすぐに折れそうだと思うのと同時に、その恐ろしいくらいの美しさや形作られている魔力の量に逃げ出したくなる。




それでも俺は逃げない、いや逃げたくない。それはオトハがここにいるからなのか、解らないけどどうしてもここから離れたくなかった。





オトハを目で追っていると恩寵竜が腕を振り上げているのが見えた。反射的にあげた声がオトハに聞こえていたのか、ギリギリで避けた。そして何故か手首のしたの空中を斬った。オトハが振るう刃は恩寵竜を傷つける事なく、空を切る。攻撃は外れてるとしてもその動きは美しく、舞を踊っているかのようだった。




オトハが動きを止めた時に恩寵竜に異変が起きた。魔落ちしていたはずだったのに、その身は神々しく光り輝いていた。



魔落ちした恩寵竜が元に戻るなんて……。




疑問に思うよりも早くオトハが俺の元に帰ってきた。俺のある程度手加減した拳骨が痛かったらしく、不満げに見たかと思うと困惑した顔になった。

なんで、どうして、という気持ちがありありとその瞳に映し出されている。それにまた悲しくなりながら心配したのだと伝えた。



「何故?」



これには呆れた。オトハは誰かに心配された事がないのだろうか?

俺は我慢できずにオトハを抱きしめた。少し痩せているオトハからはいい匂いが漂ってきた。ゴワゴワしているのに手に絡まない髪を梳くとまた言葉を重ねた。



「はぁ……一緒にいた時間なんて関係ない。オトハは俺の子だ。心配するに決まってるだろう?」


「……やっぱり、変な人」



オトハの言葉を無視しながら頭を撫でていると肩の辺りが湿ってきた。俺は涙を流せる事に安心した。






暫くそうしていたら、急にオトハが身じろいだ。何かあったのかと名前を呼んでも俺と目を合わせようとしない。俺の腕から出ると、恩寵竜と向き合った。



「……感謝、要らない」



話したと思ったら何やらおかしな事を言っている。何かいるのか?俺は思わず声をかけた。



「誰と話してるんだ?」


「恩寵竜」



お ん ち ょ う り ゅ う ?……え、恩寵竜?はい?オトハが嘘を付いている様子はないし、恩寵竜もオトハの方を見て頷いたりしている。


恩寵竜が話す?確かそんな伝説はあった気がするが、物語の世界だ。伝説級の事が目の前で起こっているという事か?…………この事は秘密にしなければ。でないと教会に攫われて飼い殺されてしまう。

……もしバレたとしても逃げ切れるように、生きていけるように力の使い方を教えなければ。それとコネも。



俺が名前を呼ぶと今度は父さんと言いながら駆け寄ってきた。ついつい可愛くて頭を撫でると、目を細めながら微笑んだ。満面の笑みではないのに、息をするのを忘れてしまう程の美しさ。時間が止まった気がした。



オトハの声で覚醒する。少し動揺しているだろう声で恩寵竜の事を喋ってはいけないと注意をしたら、すぐに頷いた。



帰ろうと差し伸べた手に小さな手が被さる。それに嬉しくて頬が緩むのは仕方がない事だろう。俺はオトハを抱き上げてギルドに転移した。







ロリコ……ギルマス視点

おまわりさーんって呼ばないとダメだね……ロリコンのいいようにさせないから!!

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