2:心の距離
それからも、大した情報が手に入る事は無く、エリスの部屋での情報交換会議はお開きとなった。
それと同時に、ヴェルフレイドは残りの執務をこなすために、名残惜しそうにしながらも早々にエリスの部屋を退出し、ルーチェもマーシェルに連れられて彼女が暮らす修道院へと帰っていったので、今現在、エリスは自室に一人ぼっちである。
「はぁ・・・何か・・・大変な事になっちゃった・・・・・・」
ぽふんっと、行儀悪くベッドに倒れこめば、エリスは深々と溜息を吐いた。
「・・・フレイ兄さまやマーシェルが居るから、別に怖くはないし、ちょっと楽しみなんだけど・・・ハルト君も一緒っていうのが・・・ね・・・。」
物心つく以前から、それこそ兄妹同然に育ってきた隣国・レシェンティスの王子であるレオンハルトに、エリスはここ数年、苦手意識を強めていた。それまでは、ヴェルフレイドやヴェルフェリアと同じくらい大好きで、いつも傍に居る事が当たり前の存在だったにも拘らず、だ。それをヴェルフレイドに言えば、『・・・そういう時期は誰にでもあるものだし、ふとした瞬間に自然と、以前と同じような関係に戻る事だってある。・・・気にすることは無いよ。』と、穏やかに言われてしまうのだが、その言葉の裏側には『以前と同じ関係どころか修復不可能な溝が出来る可能性もある』という意味が含まれている事にも、エリスは気付いていた。
もし、このままレオンハルトに苦手意識を抱いたままの状態が続いたらどうなるだろう・・・
ぼんやりと、エリスは想像する。
何時だって、顔を合わせれば、笑顔で迎え入れてくれるレオンハルトは、正真正銘、絵に描いたような理想の王子様だ。黄金の少し長めのさらさらな髪に碧の瞳が整った顔立ちをより一層引き立てているのだが、冷たい雰囲気や近寄りがたい感じは全く無く、アクティアハートの国民にも受け入れられていて、ヴェルフレイド並の人気があったりする。そんな彼の隣にいることは、とても心地よく感じていたのだが、先にも述べたとおり、気付けば苦手意識の方が強まり、離れている事の方に安心感を見出してしまったエリスである。
「・・・・・・別に嫌い、っていうわけじゃないんだけど・・・ね・・・」
そこでエリスはふと、気付いた。
「・・・・・・そういえば、私がハルト君を避け始めたのって、『あの噂』が広まり始めた頃だったような・・・」
エリスの言う『あの噂』とは、エリスとレオンハルトが将来を誓い合った恋人同士である、という、根も葉もない憶測の事である。
当然、初めてそれを耳にしたエリスは全力でその噂を否定した。ありえない。レオンハルトの事をそんな風に想った事は一度もない、と。しかし、レオンハルトの方はというと、否定も肯定もせず、ただ微笑んでいただけで、エリスとしては、一緒に否定してくれると思ったのに、何故・・・と、酷くショックを受けたものだ。(余談だが、その時のレオンハルトと言えば、あまりにもエリスが必死で否定する姿を愛らしく思う一方で、そんなに否定しなくても・・・と、内心強烈なショックを受けていたわけだが、そんな彼をエリスが知るはずもない。)
同じものを見て、感じて育った・・・兄に近い存在だったレオンハルトの、その当時の行動は、エリスにとってはショックと同時に絶望を齎していた。それはどこかでレオンハルトとエリスの関係はヴェルフレイドやヴェルフェリアと同じ物に近いと、そう信じていたからである。
「・・・まぁ・・・本物の双子と同じ関係なんて・・・全く血の繋がりもない私とハルト君が築けるはずもなかったんだけど・・・」
エリスにとって、生まれた国も立場も違うけれど、それでもレオンハルトはエリスの二人目の『兄』だと言い切れる自信がそれまではあったし、レオンハルトも、エリスの事を妹のように思ってくれていると、エリスが勝手に解釈していただけではあったのだが、その頃から、エリスはレオンハルトのことがわからなくなってしまった。・・・それからだ。エリスがレオンハルトを避け始めたのは。
「・・・・・・そうだ!ルゥに頼んで、出発前のハルト君の食事にだけ強力な腹下しの薬を入れてもらって、同行不可にさせる・・・ちょ・・・これ名案じゃない!!!?」
がばっと、ベッドから起き上がったエリスの表情は凄まじく晴れやかだった・・・のだが・・・・・・
「・・・そんなに、僕が一緒だと嫌なの、エリス?」
「!!!!???」
部屋の扉に手をかけた状態で哀しそうな表情を浮かべていたレオンハルトと目が合い、エリスはぴしっと固まってしまう。
「は・・・ハルト君・・・・・・」
「一応、ノックはしたんだけど・・・・・・気付いてなかったみたいだから勝手に入らせてもらったんだけど・・・ねぇ、エリス・・・そんなに僕が嫌いなの?」
ゆっくりと扉を閉めて歩み寄ってくるレオンハルトに、エリスは気まずそうに視線を逸らした。
「・・・嫌い・・・っていうわけじゃあ・・・」
「じゃあどうしてっ!」
「はいはい、そこまでですよ、レオンハルト様。」
「「!!!???」」
「シャーリィ・・・」
ずんずんとエリスの方へと近づいていたレオンハルトを遮ったのは、エリス付きの侍女、シャーリィ・グランバニエ。マーシェルの姉でもある。上手く転移魔法でエリスとレオンハルトの間に入ったシャーリィは、レオンハルトに一瞬鋭い視線を投げた後、エリスに向き直り、深々と頭を下げた。
「遅くなって申し訳ありません、エリュシフィア様。・・・レオンハルト様、幾ら王城内で優遇されていらっしゃるとは言え、エリュシフィア様はご覧の通り、お休みになられていたのですよ?それを許可も無く勝手にお部屋に入られるとは・・・」
「あ・・・いいの、シャーリィ。私がノックに気付かなくて・・・」
「いいえ、エリュシフィア様。それでも、許可無く女性のお部屋に入ることは紳士としてあるまじき行為です。・・・エリュシフィア様がレオンハルト様を『特別』と見なしていない以上、断じて許すわけにはいきません。」
「既にヴェルフェリア様やヴェルフレイド様にもこの件、お伝えしております。」と、きっぱりと言いきったシャーリィは、エリスがレオンハルトを避けている理由も全て知っているので、早々にレオンハルトを室外へ追い出そうとしているのである。
「・・・わかった・・・出直すよ。・・・でも、シャーリィ。これだけはエリスに聞きたいんだ。・・・どうして僕を避けるの?僕・・・何かエリスの気に障ることを・・・した?」
「なりません、早々にお帰り・・・」
「シャーリィ!・・・・・・ハルト君はなにもしてない・・・よ。・・・・・・・何もしてくれなかったからこそ、離れるべきだと思ったの。」
「!!??」
「ハルト君だって、私と変な噂が立つの、嫌でしょう?」
無理やりにでもレオンハルトを部屋から押し出そうとしたシャーリィを遮り、エリスはレオンハルトの問いに困惑しながらも答えると、レオンハルトは驚いた表情を浮かべた後、何処かやりきれない表情へと変えた。
「・・・・・・そっか・・・エリスは、そう考えてたんだね・・・・・・ごめん、勝手に押しかけて・・・ゆっくり休んで・・・。」
そう言うと、レオンハルトは足取り重そうにしつつエリスの部屋から出て行った。その際も一言だけ「ごめん、エリス・・・」と呟いて・・・・・・
「・・・・・・ハルト君に・・・悪い事しちゃったかな?」
「エリュシフィア様がそのように心を痛める事はありませんよ。寧ろ甘いくらいです。きっぱりと迷惑だと言ってやっても良かったのですよ?」
相当苛立っているのであろう、シャーリィの言葉に、エリスは苦笑する。
「迷惑まではいかないんだけど・・・いや、ちょっと迷惑な部分もあるけど、でも本当にハルト君が嫌いって言うわけじゃないし・・・あんな顔、させるつもりじゃなかったんだけど・・・・・・」
上手くいかないね。と、呟いたエリスは再びぽふんっとベッドに倒れこんだ。
レオンハルトの哀しそうな表情ややりきれないような表情が脳裏に浮かび、酷く胸が痛んだエリスは、やっぱり言い過ぎたと、レオンハルトの後を追って謝ってこようと、再び起き上がるために腕に力を込めたのだが・・・
「・・・あ・・・れ・・・?」
「お疲れでしょう、エリュシフィア様。少し、お休みになってください。」
「ちょ・・・シャー・・・リィ・・・・・・・・・」
強烈な眠気に襲われ、それがシャーリィの魔法だと気付いたものの、油断していたエリスがそれを跳ね返せるはずも無く、深い眠りへと誘われていく。
「・・・おやすみなさいませ、エリュシフィア様。・・・・・・そもそもの元凶はやはりレオンハルト様ですわ。レオンハルト様さえ、エリュシフィア様に言葉できちんとお伝えしていれば、エリュシフィア様がこうして悩む事も、心を痛めたりすることも無かったはずですもの。それに・・・お二人はまだ幼いのですから、焦る必要はありません。」
すっかり眠りの底へと沈められたエリスに、シャーリィはそう語りながら、眠る主の頭を撫でた。
異性に対する恋愛感情を知らないエリュシフィア様に、レオンハルト様の想いなど通じるはずも無いのだけど。と、内心で苦笑しながらもシャーリィは思う。最終的に誰を選ぶかは、結局はエリュシフィア様自身だと。そして願わくは、エリュシフィア様が誰の隣でも末永く幸せであるように、支えるのが自分の使命なのだと。
改めて決意するシャーリィは、ふぅっと一息吐いて、本来の侍女としての仕事に戻って行った。
無事にルーチェを修道院まで送り届けてきたマーシェルは城に戻り、近道してエリスの部屋へと向かおうと、中庭付近を通りかかった時、しょんぼりと項垂れるレオンハルトを見つけ、思わず足を止めた。
「・・・レオンハルト様?」
「ん?・・・やぁ、マーシェル。・・・そういえば、珍しいね。君がエリスの傍にいないなんて・・・」
「あ・・・えぇ・・・少し所用で外していまして・・・・・・・・・あの・・・何か、ありましたか?」
そう言いながらレオンハルトに近づけば、彼は困ったように苦笑しつつも、マーシェルを近くのベンチへと誘った。
「うん・・・君の姉君にお叱りを、ね。」
「あー・・・あの人、ホント、男には厳しいですよね。・・・って、そもそもレオンハルト様は姉に叱られるような事を何かなさったのですか?」
本来、侍女が、王族(しかも他国の)であるレオンハルトを叱り付けるなど許されない行為なのだが、此処、アクティアハート王国に至ってはそれが罷り通るのである。歴代の王曰く『王族であったとしても間違いはきちんと正さねばならない。』らしく、王族の一方的な支配を完全否定した形だ。しかし、そのやり方でアクティアハート王国は数千年、揺らぐ事無くしっかりと栄えているのだから不思議なものだと、マーシェルは思う。
「あー・・・うん。クエストの事でちょっとエリスに話が聞きたくて、部屋に行ったんだ。一応ノックはしたんだけど、エリスの返事が無くて・・・でも僅かに声は聴こえてたから、気付いてなかっただけだと思って、勝手に入っちゃって・・・」
「あー・・・それは・・・シャーリィ大激怒だったでしょうね・・・」
ご愁傷様です。と内心で呟きながらも、マーシェルは首を傾げた。
確かに、紳士論を武器にこってりシャーリィに叱責を喰らったとしても、普段のレオンハルトなら笑顔でそれをかわし、素直に非を認め、謝ってその場は丸く収まるはずである。しかし、現状のレオンハルトは誰の目から見てもかなり凹んでいるのが解る。・・・きっと他にも、何かあるはずだ。
「・・・レオンハルトさ・・・」
「・・・マーシェルは、知ってるの?・・・エリスが僕を避ける理由。」
「!!!」
不意にレオンハルトから落とされた爆弾に、マーシェルは驚き、目を見開いた。そんなマーシェルの様子にレオンハルトは暗く笑い「・・・・・・そっか、君も知っているんだね。」と呟いた。
「何でかな・・・?僕もマーシェルも、エリスと幼馴染で、常に一緒だったのに・・・・・・僕は避けられて、マーシェルは今もエリスの隣にいる。・・・エリスに聞いたんだ。『どうして僕を避けるの?何かエリスの気に障ることをしたか?』って。」
「それ・・・で、エリスは・・・・・・」
動揺しつつも、その先を促したマーシェルに、レオンハルトは苦笑した。
「『なにもしてない』って。・・・『なにもしてくれなかったからこそ離れた』って・・・・・それって、あの時だよね。僕とエリスの噂が広まり始めた時の舞踏会で、エリスは必死で否定してたのに、僕はそれを敢えてしなかった、あの時の事・・・だよね。・・・・・・エリスが言ったんだ。『私と変な噂が立つの嫌でしょう?』って・・・」
「・・・そうですね・・・それも確かに理由の一つ、ですね。」
「!?え・・・まだ他にもあるの!?」
レオンハルトが告げた事に頷きつつも、他にも理由があるというマーシェルに、レオンハルトは再びショックを受けていたが、マーシェルは敢えて知らん顔をした。・・・レオンハルトは知っておくべきだろうと、判断したからである。
「先程、レオンハルト様が言ったとおり、僕とエリス、それにレオンハルト様は幼馴染・・・と言うより三つ子に近い感じで育ってきましたよね。ヴェルフレイド様やヴェルフェリア様から僕たち、弟認識されていますし・・・。それはエリスも、なんですよ。僕やレオンハルト様はエリスにとって兄であり弟なんですよ。」
「!!?」
「例え血が繋がっていなくとも、僕たちは魂を分かち合った存在だと、そうエリスは信じていたんですよ。・・・だから、エリスが否定するものに、貴方にも、否定して欲しかった・・・解ってくれていると思っていたものが、通じていると思っていたものが、実は自分の一方通行だった事に気付いたエリスは・・・臆病にも貴方から逃げたんです。」
「そん・・・な・・・」
「兄妹愛・家族愛しか知らないエリスに異性間の恋愛感情を向けたレオンハルト様のお気持ちを、エリスは理解できず、今まで解っていたものも急に見えなくなったと、当時、混乱して、泣き喚いたのを宥めたのが・・・ヴェルフェリア様とシャーリィです。」
「『君子危うきに近づかず』とは、昔の方は本当に上手く表現したものですわねぇ。」と、妖艶に微笑んだヴェルフェリアと、「エリュシフィア様、近くに居過ぎて見えなくなるものもございます。・・・例えば、お花畑の中の一本の花を見るのと、全体を見るのとでは景色は違って見えますでしょう?それと同じことです。近くで見えないなら、少し離れて、理解できるまで、そこで居れば良いのです。」と、自信たっぷりに言い切ったシャーリィの姿が、マーシェルの脳裏に再現される。ヴェルフェリアの言葉は割りと納得がいくのだが、未だに姉の説明には、かなりごり押しした感があると思う。しかし、それで上手くエリスを説得できたのだから、女性の感覚って・・・と、頭を抱えたくなるマーシェルである。
「兎に角、今までの距離から少し離れてみなさいと、二人が助言したんです。それに納得して、エリスはレオンハルト様から離れました。それでも、エリスの中で確定しているのは、レオンハルト様を本気で嫌いなわけではない、と言う事です。出来れば昔のように仲良くしたいとも考えているようですが・・・まぁ、乙女心は複雑と言いますし、時間がかかるでしょうね。」
そう纏めたマーシェルは隣に座るレオンハルトへと視線を投げた。先程までショックで青褪めていた表情は、今では血色を取り戻してはいるものの、考え込んでいるため、眉間の皺が深い。
「そっか・・・・・・エリスの言葉の意味はそういうことだったのか・・・」
「そーいうこと!っつーわけで、レオン。一発殴らせろ。」
「「!!!??」」
マーシェルの言葉を理解したレオンハルトが顔を上げると、そこにはいつの間にか、満面の笑顔を浮かべた(しかし瞳は全く笑っていない)ヴェルフレイドが仁王立ちしていて、予告も虚しくがつんと、ヴェルフレイドの拳がレオンハルトの頭上に落ちた。
「ヴェ・・・ヴェルフレイド様っ!?」
「あぁ、マーシェルお帰り。シャーリィが探してたぞ。早く行ってやれ。」
「え?でも・・・・・・」
「いいから、行け。」
笑顔でプレッシャーをかけられれば、マーシェルには逆らう術がない。こくこくと頷きながらも、ちらりとレオンハルトを視界に捕らえると、無言で、痛みに耐えているらしく、患部を手で押さえつつ蹲っている幼馴染に再度、ご愁傷様と呟き、待たすと怖い姉が居るであろう、エリスの部屋へと駆けて行った。
残されたヴェルフレイドとレオンハルトの間にはやはり冷たい空気が漂っていた。
「・・・・・・シャーリィから大体の事は聞いている。・・・オレに殴られた意味は理解できているな?」
普段の穏やかなヴェルフレイドの一人称は『僕』なのだが、激昂したり、冷徹な事案を遂行する時は『オレ』へと変わる事を知る存在は少ないのだが、レオンハルトはそれを十二分に理解している。
「・・・・・・はい。」
「なら、いい。今回の件はこれで治めるが・・・レオン、お前も少しエリュシフィアとは距離を置け。・・・好意を向けてもらえるのは・・・オレも嬉しく思うが、お前がそんなだと、何れエリュシフィアの正体がバレるだろう。・・・例の噂だってまだ消えちゃいないんだ。・・・解るな?」
「・・・はい。」
ぐっと、ヴェルフレイドの言葉に、拳を握り締めるレオンハルトの表情は硬い。
「・・・・・・クエストには僕も変装して付いていくから。・・・今の言葉、きちんと理解しているなら行動で示せ。」
暗に監視していると言うヴェルフレイドに、レオンハルトも頷く。この二人の関係は兄と弟のようなものに加えて剣術の師弟でもある。師匠の言葉は絶対であるし、何より、彼の信頼を失うことはレオンハルトにとって恐れることの一つだ。
「・・・さて・・・レオン。君は今回のクエストの件、どう説明を受けているのか、僕に詳しく教えてくれないかな?」
そんなレオンハルトの様子に満足したのか、ヴェルフレイドがころっと話題を変えたので、レオンハルトも張り詰めていた空気から開放されてほっと一息を吐いた。
「・・・はい。・・・実は――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――」
レオンハルトが語った内容に、ヴェルフレイドは面白そうに口元を緩めた。しかし、やっぱり瞳は全く笑っていなかったので、レオンハルトはこれから先のことに盛大な不安を抱えたのだが、それを止める事など出来はしないので、なるべく彼の計画の邪魔をしないよう、それこそ、エリスと言わず、今回のクエストに関わる全ての人々から距離を置いておこうかなと、真剣に考えることになった。