リィナ登場
馬車は昼過ぎに次の街――交易都市ベルダに到着した。
石畳の広い通りには露店が並び、人々の活気があふれている。荷馬車から降りた蓮とセリアは、まず宿の目星をつける前に情報収集を兼ねて冒険者ギルドへ向かうことにした。
「ここが……冒険者ギルドか」
大きな木造の建物。中からは笑い声や怒鳴り声、武器のぶつかる音が漏れてくる。
蓮は一歩足を踏み入れ、思わず息をのんだ。
冒険者ギルドの掲示板前で依頼を探す蓮とセリアのもとに、鋭い視線が向けられた。
「二人とも新人ね? 私が狙ってた依頼に手を出すなら……覚悟して」
赤髪の少女――リィナ。数百年生きる高位エルフの魔導士だ。
肩にかかる赤いショートヘアは光を受けて赤銅色に輝き、蒼く冷たい瞳が氷のように周囲を切り裂く。
軽鎧は体にぴったりと沿い、腕や脚の筋肉の動きまでが見える。腰には二振りの短剣が巧みに装備され、いつでも抜ける状態だ。
立ち姿は優雅でありながら戦士の緊張感に満ち、誰もが圧倒される威圧感を放つ。
さらに、リィナには誰にも言えない秘密がある――処女であること。高位エルフとしての魔力は高く、純潔な身体はまだ誰の手にも触れられたことがなかった。
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リィナは短剣を抜き、魔力を集中させる。周囲の空気が凍るように冷たくなる。
「邪魔するなら、容赦しない!」
短剣から黒紫に光る氷刃が飛び、空気を切り裂く音が耳をつんざく。
蓮はセリアを後ろに下げつつ、戦闘開始の間合いを測る。
「(まずは触れる……接触型スキルで制御)」
蓮の手がリィナの腕に触れる瞬間、〈接触型ドミネーション〉が発動する。
リィナの瞳に一瞬揺らぎが生じ、心拍が速まった。
短剣を握る手が微かに震え、氷刃の制御も乱れる。
高位エルフとしてのプライドが彼女を支配していたが、純粋な処女の反応とスキルの効果で、心も身体も無意識に反応を示す。
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蓮はさらに軽く触れ、リィナの注意を引き続ける。
「俺のスキルだ。触れた相手の理性を揺らせる。従えば力を引き出せる」
リィナは短剣を構えながらも、理性の中で小さな動揺が芽生える。
「……いや、こんな……感覚……!」
体の奥が熱く疼き、呼吸が乱れ、氷刃の制御もさらに不安定に。
セリアは横で息を呑む。
「蓮様……リィナ様の魔力が暴走しかけています……!」
蓮は落ち着いて手を動かし、接触を繰り返す度にリィナの理性が揺らぎ、従属意識が芽生える。
処女としての純粋な反応も相まって、戦闘力は最大限引き出せる状態となった。
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膝をつき、リィナは蓮を見上げる。
「……わ、私は……あなたに……従う……」
理性は完全には崩れていないが、スキルによる従属意識と処女としての純粋な反応が混ざり合い、独特の緊張感と支配感を帯びている。
蓮は手を離し、深く息を吐いた。
「これで戦闘力は確保。必要な時だけ魔力を引き出せる」
セリアは小さく頷き、隣で微笑む。
「リィナ様も、蓮様に従うのですね……」
「うん。二人とも、これで俺の戦力になった」
高位エルフ魔導士、処女のリィナも、スキルの力で蓮の指揮下に入った。