草原と自己紹介
二人は草原を抜け、遠くに見える城塞都市へ歩を進めた。
風が頬を撫で、草の香りが漂う。蓮は自然とセリアの肩に触れる。触れた瞬間、支配淫術が作用し、彼女の体力と精神力が微かに増幅する。
「ご主人様……歩くのは少し大変ですが、一緒なら楽しいです……」
セリアは微笑み、肩を寄せてくる。蓮は微笑み返すが、内心は少し戸惑っていた。
(……転生前、女性とちゃんと接したことなんてほとんどなかった。どう接するのが自然なんだ……? でも、この状況なら触れて支配すれば……いや、まずは普通に会話して距離感をつかむべきか……)
考えながらも蓮は口を開いた。
「そういえば、名前を聞いてなかったな。俺は蓮っていう」
セリアは少し驚き、頬を赤く染めて答えた。
「私はセリア……よろしくお願いします、ご主人様……」
蓮は小さく頷く。まだ慣れないが、自然に振る舞うことを心がける。
「ふふ、いいだろう。じゃあ、呼び方も決めようか。今は“ご主人様”って呼んでくれてるけど……これからは“蓮”と呼んでくれ」
セリアは少し考え、顔を赤く染めながら小さく頷く。
「はい……蓮様……」
こうして呼び方は決まった。支配淫術での関係は維持しつつ、会話では互いの名前と敬称を使いながら自然に接することができる。
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草原を抜ける間、蓮は時折手を触れ、支配淫術を微調整してセリアの疲労を軽減する。
内心ではまだ女性への接し方を探りながらも、セリアの快楽反応や表情を観察し、少しずつ距離感をつかもうとしていた。
セリアは快楽に身を委ねながらも、自然に蓮様と呼ぶたび、心地よい緊張を感じる。
二人の異世界での第一歩は、こうして 名前と呼び方を意識しながら距離を縮める時間 から始まったのだった。