地獄の沙汰だったら愛で乗り切る
私は天井健斗彼女の千反田六実と日常私送る中部屋でガスが漏れ出て二酸化炭素中毒により眠るように死亡。
目を覚ますとそこはあの世だった、閻魔様にここはあの世ですかと聞くとそうじゃと返された。彼女の六実はどこと聞くと間髪入れて地獄じゃと返された。何したら彼女が地獄へ落ちるなんでって怒鳴ったら、「知らない方が幸せなこともある、お前さんは天国行きだからそう焦るな」と呆れるも「納得できるか!今すぐ彼女の元へ連れて来いと怒鳴る」「もういい天国へ連れてけ」と部下に連れていかれそうになるも靴を投げて閻魔様の顔に直撃、「彼女が来ないなら私から行く、落とせよ地獄に」、仕方なさそうに閻魔様は言う「自由に行けばいいさ根を上げるならいつでも天国に引き上げてやるわい、だがもし彼女と一緒にまた私の目の前に立てるのならまた生きる機会を与えてやる、精々後悔しないといいな」と言った矢先地獄の門が開かれた。私は迷わずに彼女を探しに中へ突っ込んだそこには地獄とは名ばかり熱くも寒くも何もないただ岩だらけの空間だった。
「ようこそ地獄道へ、ここは1歩歩くごとに小さな痛みを感じるので君みたいな魂は帰った方がいいよ」と鬼が宣言するが提案を無視し前に一歩進むとバットで殴打された感覚が襲う。もう一歩進むとムチで打たれた感覚が残るも体に痣らしきものは一切ない、痛みに耐えながらも前進し探し尽くしても彼女の影すら見つけられないので再び鬼の場所に戻る「おいなんでここに居ないとか細い声で聞くと」「そりゃおめぇもっと下層にいるよとニヤリ」、「もういいどうせどこに居るか教えてくれないだろ自分で探すからどこで降りるかだけ教えろ」と啖呵を切り鬼はその方角を指差す。
降りた先は餓鬼道って看板が建てられてた、進んだ先は砂漠のような場所だった痛みこそないけれども渇き飢え疲れで意識を揺らぐ、数日誰とも会話がなければ幻覚を見ることになる、最初は彼女、友人、家族だったが次第に、食事、ドリンク、お菓子、の幻覚を見るようになった。何週間も彷徨えばそれは慣れただ一つの幻聴が耳にこびりついていた、水や重い液体のようなポタポタとした音が頭蓋を反響する。どれほど歩いたかわからないままもう意識もないまま身体を引きずると何か扉のようなものに引っかかった、ドアノブはおろか鍵穴すらなく押してもびくともしない。くたびれた私は距離を取り最後の力を振り絞りドアに突っ込もうとした矢先穴に落ちて次の層に降りるのだった。
そこは見たこともない悍ましい二足歩行のキメラみたいな生き物で溢れてた畜生道だった、恐怖で声が出ないままこの迷路みたいな場所を匍匐前進する。ここでは珍しく自分以外に人間を見かけるようになった、どれもあの化け物に終われてたが何故か私は透明人間のようにすり抜ける。いや、見られてるが四つん這いでいる事を嗤われてるきがした、悪趣味だが早く次に進まないと。迷路を這って扉を見つけるが今回は鍵穴がある、しかも材質は固そうな金属製で壊せるとは思えなかったので鍵を探しに迷路を探索する。途中ビー玉が転んでるのを見つけて気になった私はそれを手にすると他人の記憶が流れ込む、瞬時に他人の苦痛も同時に襲ってきた。そう、あの化け物たちの蹂躙から逃げる際に四肢を引きちぎられる経験を体験した。想像に堪えない苦痛だったがおかげで迷路の中に鍵のような物体がどこかにいるとわかった。移動すると目の前で化け物に壊されてた人間がいて動かなくなった人の口からさっき見たビー玉が出てきた。化け物が離れるのを待ち再び記憶と経験を読む、何回か何十回か何百回同じことを繰り返してたらやっと鍵を見つけた、立って鍵を掴み再び地を這う、前に見つけたドアを目指して帰る途中今まで這ってたら襲ってこなかった化け物が形相を変えて追ってくる。いろんな人の経験を覗き見したからか恐怖は慣れたが鍵を持ってると思うと緊張が走る、再び立ち上がり両足で人間らしく地を蹴る、今まで集めたビー玉を撒菱みたく使い足止めに使い化け物を滑らせる。逃げるに連れ化け物の数が増しやっと扉の前が目と鼻の先にいるや否やビー玉が尽きる。扉に鍵を差し込み捻る、開けたと同時に化け物に捕まる、もうダメだと思った矢先足を食われてまた地を這う、化け物はまた嗤う。怒りでどうになったのかあろうことか化け物の方に這う、目に狂気が宿り化け物は怖気付く、どうやら悪意を向けられるのを慣れてないようだ、化け物が散会すると私はその場で意識を失う。目を覚ますと身体の傷は消え足が元通りに戻っていた、私は目的のためまた立ち上がり扉の向こうに歩を進む。
そこにはまさしく地獄にふさわしい光景だった、そこは修羅道だった、今まで環境や珍獣が人に罰を与えてたのがここでは人が人を罰してた。一面映すは血の海で地を踏む山は死体の山だった、その上で動く人間はひたすら戦い獣のような殺気を帯びてた。今回は運良くも大穴がこの空間の中心にあってそこを目指せば下層に行けると確信した、思ったのも束の間一歩歩くと色んな人間がひたすら襲ってくる。死体の山の上では足場が不安定で刀で斬られる、意識が朦朧とし倒れ込む際婚約指輪がちらりと視線を過ぎる。倒れる身体を抑え込み走り出す、大穴を目指すが人の密度が増え進むのが困難になる、引っ掛れ斬られ殴られ削られながらも人の群れに差し込みやっと大穴へ到着し迷いもなく飛び込む。
ここはどこだと目を覚ますとそこは自宅だった、記憶が曖昧な状態で身体をベッドから下ろす。厨房には六実、私の彼女が料理していた、この光景に唖然になりつつも次第に順応していく、数日間元の生活のような行動をし何を目的に苦しんだのかわからなくなる頃に思い出す、ここはどこだと意識し目の前の景色が空白に染まる。病院で目を覚まし気づく、人間道での苦しみは幸せであること、人間何か守るものを失った時の苦痛が比べられないと知る、閻魔様に願いを言う、次の地獄に行かせてよ六実に会いたいと懇願、が帰ってくるのは空虚な風切り音だった。もう六実に会えない絶望に惹きしがれ病院の屋上に行き君を思いながら投身自殺を計り浮遊感に襲われながら落下するのであったが落下が止まらず思わず目を開けてみる。
羽のような軽い身体でゆっくり着地した先は天道、指輪が光りある方向を差し徐にそこに目指すそこでやっと本物の六実に出会う、嬉しくなり泣きながら抱きしめようとすると彼女の身体を通り過ぎる。そこで天の使いらしき人が舞い降り、彼女に言う「これが最後の試練です、正直に全部答えたら生まれ変わりをまた人間にしてあげます」、蚊帳の外のような扱いをされてる私は怒って天の使いに怒鳴る「彼女は何したって言うんだなんで地獄で苦しまなきゃならない、彼女は私と生きて現世に戻るんだ」、天の使いは言った「彼女にどんな罪があるかお聞きになりました?聞いたらいいでしょう今の彼女は嘘ついたら生まれ変わりの話を見送ることにしてるので」、私は彼女に聞く「一体どの罪でこんなところまで送られた?」彼女は俯いて答えようとしない、再び聞く、「私は君の味方だから」と手を差し出し彼女は初めて音を発する、「ごめんなさい、私は轢き逃げをしたの怖くて言えなかった、恐怖を埋めるためにあなたに安心を求めてあなたと知り合った、引いたのがあなたの彼女を引いたとも知らずに、でも過ごす日々であなたを愛してしまってあなたの彼女に嫉妬した、その感情に自己嫌悪を覚え毎日が苦しかった、あなたが結婚の話を切り出した時嬉しかったし心地よさを手放したくなかった、だから咄嗟に受けてしまったが重圧感で押し潰された、この秘密を墓まで持って行こうと思ってたのに、隠すごとに自責の念が精神を蝕み、日々の生活にも不注意が増えあまつさえ君までも死に追いあったごめんなさい許してくれとは言えないけど」精神崩壊したのかその場に倒れ込み咽び泣き、天の使いは問おう「どうだ許せるか、今でも間に合う君だけを天国に送るけどどうだい?」、私は天の使いをツッパ抜ける「罪の意識がある限り償う意識がある限り私は愛すのをやめる気はしない、六実私の手をとって」手を伸ばす、天の使いは言う「正気か?また地獄を味わう気か閻魔大王のところまで登っていく気っていうのか」、私は六実に問おう「私は君の意思を尊重する私の手を握れ」、何かを悟ったか手を握り返した、私たちは地獄を手を繋いで帰路に戻るのだった。
帰路の苦難はそれほど辛いと思わなかった、私を思う人がそばにいるから、この煉獄を上がるのにいくら時間をかかったか分からず下へ降りるのと比べるには途方もない時間がかかったが着実に進んだある日二人揃って閻魔様の扉の前までたどり着いた
閻魔様が敬服した趣きで言う「よくこの長くも苦しい地獄を乗り越えたな天井健斗約束通り二人とも息を吹き返してやる」悟りを開いた私はただ彼女を助ける機会をくれた閻魔様に感謝をした矢先彼女と私の体が淡い光に包まれる。目を覚ますとそこは病室だったが一人病室に取り残されてた。どうやら半年が過ぎてたらしい、ベッドにあるベルを推し看護士が来て病院が大騒ぎになる、患者が目を覚ましたと看護士が医者に連絡する、私は看護士に聞く「彼女はどこだ?」と聞くと徐に手紙を出した、彼女の筆跡だ。手紙の内容は「健斗へ、私は自分の罪で君に合わせる顔がなく自首をしに警察署に行ってきます、もし目を覚ましたら私みたいな悪女に巡り会わないことを祈るわ、愛してたことは嘘じゃないからね、新しい人生歩んでねさようなら健斗」、読み終わった私は不思議と涙は出なかったただ呆然と生きてやがて君のいない日常に戻るのだった。
〇〇年後、六実が出所し天を仰ぐ、「健斗いい人見つけられたかな、私は罪を払い終えることができたのでしょうか?」と歩いてたら見知った立ち姿がこっちを見てた、「よぉ六実迎えにきたよ」、信じられないあんな酷いことしたのに今更なんで、「私は罪を犯してるのよあなたといる資格がない」と感情的に叫んだら彼が言う「罪ならもう知ってる君の気持ちも、だから私の元で一生罪を償え、私幸せにしろ、それが君にできる償いだ」と諭され子供のように泣きじゃくった。
そのまた◯年後、そこには二人の愛の結晶が元気に公園を走る姿がいた、この子を地獄に無縁な人生にするべく教育すると心に決めて罪と一緒に責任を抱えてこれから生きていく。
罪は人が決めつけるので捌くのも人間なのですが人は許すことが出来るのでしょうか?じゃあ罪を犯した人はどうすれば償いが出来るか考えさせられる。もしあの世が存在するなら罪とは誰が定義するのか、上位存在がいるのならそれは冷徹な実行人かそれとも慈愛と平等の女神か誰もわからないけど人類は生きてる間に出来ることを後悔の少ない方を選択して生きるしかない。