第一章登場メカ&キャラクターまとめ
ようやく一区切りです。
○人型兵器
人類の惑星開拓に際して開発、投入された人型重機が元になった兵器体系。歴史の浅い兵器ながら発展速度が早く、旧式機の陳腐化が各国の悩みの種となっている。陸戦用の兵器であるため、宇宙ではあまり役に立たない。大局を左右する宇宙での艦隊戦には補助戦力程度の位置付けで、軍関係者には局地戦用と目されている。
・世代毎の特徴
第一世代機は人型重機に武器を持たせ、火器管制ソフトウェアを入れた程度の改造品を指す。世代が進んだ今では役に立たないが、今も大量に生産されている人型重機全てが兵器になり得る可能性があるという脅威は性能以上のものがある。
動力源は燃料電池、駆動系には人工筋肉を採用している。代表例はトバリカスタム、治安維持隊所属機等。
第二世代機は戦闘用として作られた純粋な人型兵器であり、装甲を一新したことで実用に足る防御性能を獲得した。開発された当初は懐疑的な視線を浴びることとなったが、本体価格が人型重機三機分という破格の安さで数が必要な陸上戦の主役に躍り出た。
何故安かったのかには様々な要因があるのだが、兎に角場所を選ばず戦える第二世代は艦隊戦後に行われる惑星制圧に多用された。代表例はゲリラ所属の無人機。
第三世代機は小型化された慣性制御装置、重力制御機関、そして上記二つが必要とする大量の電力を供給する核融合炉を搭載した人型兵器。砲弾を逸らす防御力と、重量を軽減することで得られる圧倒的な機動力で第二世代機を蹂躙した。
汎用性の高さをそのままに性能を大きく向上させ、人型兵器の新たな時代を切り拓いた。代表例はカンナギだが、レンヤのアイギスはその特性から二.五世代機と言えるかもしれない。
第四世代機は登場こそしていないものの、現状最新の人型兵器である。局地戦用の兵器という側面をより強化し、限られた地域の防衛用に配備されている。
各国が独自に開発した最新鋭機達であり、新技術の実験機という側面も持つためかワンオフのモンスターマシンしか居ない。傭兵も数回の交戦経験があるのみで、撃破に成功したことはない。
・登場機体解説
旧トバリカスタム
本機は人型重機に武器を持たせただけ、整備も部品不足によりお粗末という状態だった。しかし戦闘用OSへの書き換えと熟練パイロットの搭乗により、治安維持隊の精鋭小隊を一機で殲滅するという大活躍を自壊しながらも見せつけた。
トバリカスタム
アイギスを売却して得た利益を使って改造された旧トバリカスタムの姿、その装甲は第二世代機に匹敵する程。重量が増したことで機動力は低下する筈だったが、人工筋肉の増量とロケットモーターの取り付けによってそれを補った。結果として非常に扱い難い機体となったが、射撃においては非常に素直な反応を返すという。カザマキ嬢による評価だが、土壇場での命中精度を考えると真実であることは疑いようがない。
アーバンナイト
治安維持隊が運用する人型兵器、対歩兵用の機銃や360°回転可能な頭部を有する。その正体は開拓初期に持ち込まれた人型重機犯罪に対する対抗策であり、メーカーによる戦闘向けの再設計が行われている。非常に優秀ではあるが第一世代機は第一世代機であり、第二世代機を有するゲリラには手を焼いている。
頭付き
アーバンナイトに第二世代機の頭部を半ば無理矢理搭載したもの、治安維持隊が用意した傭兵への対抗策。レンヤの搭乗機だったが、彼がアイギスへの乗り換えてからは一時的に隊長が使用した。
タンブルウィード
屑鉄兄弟が搭乗する改造機、長男の機体のみ第二世代機の頭部を有する。継ぎ接ぎの目立つ外観をしているがその実性能は確かで、非常に高度な改造技術に裏打ちされている。本機最大の特徴は下半身に装備された第二の脚部とも言えるホバーユニットであり、砂漠にて他の機体とは比べ物にならない速力と機動力を発揮する。その上脚部とホバーはそれぞれ独立しているため、ダメージコントロールも容易という考え抜かれた設計となっている。
XH-09 アイギス
宇宙船用の慣性制御装置を無理矢理搭載した第二世代機、火薬式の火砲に対しては無敵とも言える防御力を有する。恐らく出自は試作機や実験機であり、莫大な消費電力による機体停止という弱点に何の手も入って居ない。頭部は人間を模しており、眼球に相当する位置には複合センサーが収まっている。
XH-09 アイギス「Full-loaded」
弾薬の積載スペースが存在しないアイギスのために整備士達が用意した弾薬ポーチが装備された状態、補給の見込めない陸上艦内での戦闘に備えて継戦能力が強化されている。敵大型機との戦闘によって装備は片腕諸共喪失したが、弾薬を囮に使えるだけの余裕を確保して見せた。
無人機
詳細不明、内部からモノアイが覗く特徴的な頭部を持つ。傭兵ですら見たことがない動きをするが、それは機体ではなく搭載されたAIによるもの。第一世代機では全くもって太刀打ちできない。それでも世代間の差は覆せないらしく、傭兵の駆る第三世代機に多数が撃破された。
大型機
ゲリラが有する機体、アイギスと近しい出自だと推察される。電力消費や排熱問題を陸上艦との接続で解決したが、結果的に固定砲台と化した。レールガンによる砲撃は非常に強力だが取り回しが悪く、接近されると機関砲二門以外に攻撃手段が無い。防御を過信したがために絡め手で隙を作られ、撃破された。頭部にはアイギスと似た複合センサを備えるが、双眼ではなく単眼である。
カンナギ
傭兵が愛機とする第三世代機であり、比類なき強さを誇る。星の外でも一線級の戦力で、傭兵が持つ実績の半分はこの機体に乗り出してから打ち立てたもの。刀型の単分子カッターが装備されているが、傭兵が好んで利用しているだけで一般的な装備というわけではない。
カンナギ アップリケアーマー
追加装備に身を包んだカンナギの真の姿、装備Aとも呼称される。背中から二本のサブアームを伸ばし、盾や火器を使用出来る。追加装甲はビームやレーザーといった膨大な熱量を与える武装に対して効果を発するように作られているため実弾兵器には効果が薄い。
◯多脚車輌
安価な人工筋肉を車両にも利用することで陸上戦力の更なる低コスト化を図る計画によって研究、実用化された。しかし歩行時の揺れが問題視され、脚部先端にタイヤを設けることで歩行と走行の切り替えが可能になると言う方向で進化が進んだ。結果的にコストの削減は出来なかったものの、人型兵器に追従出来る装甲車両として採用された。
メネメルス
傭兵が搭乗する多脚車輌、高いステルス性能と機動力を持つ。第一世代機相手なら一方的に撃ち勝てるだけの能力を有するが、第二世代機相手では少し苦戦する程度。この機体の本質は無人航空機を飛ばしての偵察支援と潜伏にあるのだが、無人機を使い切っているためそれが出来ない。
◯その他兵器
陸上艦
ゲリラによって運用されていた超大型陸上車両、テラフォーミング用だった筈だが全身を砲台で覆っている今では見る影もない。ミナミ曰く「九龍城砦」とのことだが、その通りの違法建築っぷりを見せている。その結果重力制御機関の停止と同時に武装が崩落、走行機能も大破したことでその場から動くことが出来なくなる。内部に残っていた人員も軒並み捕えられ、今では集まった人々によって解体されている。
◯登場キャラクター
傭兵
様々な星、多様な戦場を渡り歩く一人の男。防弾装備に身を包み、相棒のアンドロイドと共に砂の惑星で戦い始めた。多くを語らないが傭兵のライセンス証にはその活躍が刻まれており、夥しい数の電子勲章が登録されている。レンヤの才能を見込み、弟子のように扱っている。
ミナミ
傭兵と長い付き合いのAI、普段は操縦支援用のアンドロイド筐体に入って過ごしている。十分な整備を受けられない可能性を考慮して人間に似せた身体を使うことを避け、軍用規格の頑丈なデザインを好む傾向にある。傭兵のことを第一に考え、時には背中を押したり苦言を呈したりする。カナミのことを孫のように可愛がっている。
ミナミコピー
陸上艦へのマルウェア投入のために作られた分身、白兵戦用のボディに身を包んでいる。
隊長
治安維持隊第02特殊警備小隊の隊長、時代遅れの第一世代機で近接戦をやってのける凄腕。彼が持つ最大の能力は周囲を引っ張り続ける力であり、陸上艦を止めるための作戦を立案して上層部に認めさせた。現場で指揮官をやらせたら絶対に敵にしたくないタイプだと傭兵が評価するほどで、彼の部隊が第二世代機を手に入れれば向かう所敵なしなのではないかと思われている。
カザマキ
交易拠点であるこの街で有力な商人一家の出、何故か治安維持隊に居る。恐らくコネクション作りのため、または隊と商人の直通連絡ルートを存在させるためだと思われる。傭兵に助けられてからは吊り橋効果からか一目惚れしており、彼の実力を目にしては惚れ直している。パイロットとしては平均的な腕だが、狙撃に関しては上位に食い込むだけの実力を見せる。問題は取り乱しやすいということだが、しっかりとした指示を出す指揮官が居れば問題ない程度。
レンヤ
第02特殊警備小隊の三番機パイロット、アンドロイドを保有していると言うことでアイギスに乗ることになる。脳波制御に対して類稀な適性があり、機体を自分の身体のように扱ってみせる。それでも経験が浅く未熟だが、着実に成長している。カナミは任務中に偶然拾っただけなのだが、ボロボロになった彼女を不憫に思い修理を行っていた。その結果人格が固定されている筈の彼女に懐かれるようになるなど、非常に面倒見がよいらしい。動物に好かれるタイプ。
カナミ
愛玩用のアンドロイドだが非常に性能が高く、戦闘用ソフトウェアを充分扱い切れる演算能力を有する。軟質素材の肌が劣化によって剥がれ、内部の人工筋肉が露出してしまっている。そのためオーバーサイズのジャケットを羽織り、損傷を隠していた。人格を固定する設定のために攻撃的になっていたが、ミナミによって自由に振る舞えるようになった。昔流行した高飛車ツンデレ型の性格設定が尾を引いており、自由になっても口調はそのままでレンヤに対しても素直になれていない様子。
隊長の部下達
対人戦から人型兵器の操縦までやれる街の精鋭、陸上艦に乗り込んでミナミコピーと共にマルウェアを投入した。隊長とレンヤ含め六人だが、非常に結束力が高く精神力も申し分ない。ゲリラとの交戦経験も豊富らしく、防弾装備を着込んでの射撃戦もやってみせた。
屑鉄兄弟
サンドロワイヤルに参加していたスカベンジャーの三兄弟で、類稀な改造技術を有する。様々な勢力に別れるスカベンジャーの中でも少数精鋭を貫いており、兄弟とその家族で活動している。ゲリラの無人機を傭兵と共に撃退し、陸上艦との戦闘ではホバークラフトを守り抜いた。
泥棒女
主人公から愛機を奪うも、その後海賊によって殺害される。死ぬ間際、傭兵に対して大会と街の襲撃計画を明かし、コンテナの中に隠した仲間の存在を告げた。
アルビノ少女
陸上艦の中で暮らしていたゲリラ勢力の一員だったが、艦内部の勢力争いに保護者が敗れたことで逃亡する羽目になる。傭兵に助けられたことで協力する決心を固め、ゲリラが統治機構隷下の防衛隊と繋がっていることを明かした。
◯星間勢力
宇宙開発が進んだ現在における主要な国家及び勢力、居住可能な惑星を巡って戦争が度々巻き起こる。非常に広い範囲に人類は散らばったが、様々な交通インフラの整備によって文化的な断裂は最小限に留まっている。
帝国
傭兵が元々居たらしい国、彼の乗る船の製造元でもある。
協商連合
企業群が他国からの干渉を避けるために本社を置いた星系が経済圏となり、多くの人が集まった結果他国と同等の勢力となった。寄り合い所帯で団結力はあまり無いが、その資本力は脅威。傭兵のカンナギや本作の舞台である惑星内で使用されている人型兵器は殆どがこの勢力が由来のものばかり。




