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第四十一話 武装

小説投稿の方は続けられているのですが、なんと今度は挿絵のアップロードに障害が発生中です。新たな装備に身を包んだ決戦仕様のロボ達の外見は、残念ながら復旧後のお披露目となります。

整備士達がレンヤと話し合い、何処からかスプレー缶を用意して来た。そして肩に何かを貼り付け、その上から塗料を塗っていく。


「これは?」


「名前を入れて貰うんです、カナミがデータベースにあった中から良さそうなものを見繕ってくれたので」


「アイギス、神話の盾か」


「少し名前負けをするかもしれませんが…」


「しないさ、どんと構えておけ」


機体には識別番号と共に"Aegis"の名が刻まれ、地下から運び出されてきた武装群に囲まれている。どの武装を搭載するかは悩む所らしく、無理矢理搭載された管制制御装置とその冷却機構が背中側のスペースを潰してしまっている。


「制式装備の20mmでは火力不足が否めません、30mm砲にしようかと考えていますが」


「第二世代機が相手になるなら30mmでも豆鉄砲だぞ、少し嵩張るが80mm滑腔砲にした方がまだ戦える」


「…やはり第二世代機と第一世代機には埋めようがない差があるんですね」


ゲリラが第二世代機を運用しているという事実は治安維持隊の皆が薄々知りつつも信じたくなかった話だろう、隊長達が乗る第一世代機も20mmから別の兵器に換装している。


「だが無敵じゃない、何発も当てればその箇所は駄目になるし…関節なんかは変わらず弱点のままだ」


「なるほど」


レンヤは胸ポケットから取り出したメモに傭兵の言葉を書き留め、自分の頭の中で戦術を組み立て始めたようだ。この思考能力も動作の自由度を操縦士に委ねる人型兵器に乗る上では非常に重要と言える。


「載せられるだけは載せてもらう気でいます、補給も無い長期戦になりますよね」


「なるだろうな、ホバークラフトの積載量にも限界がある以上最適なバランスを見つけるのは相当大変になる気はするが」


突入に使うホバークラフトが載せられる機体は四機、傭兵のカンナギと屑鉄兄弟は自力で追従出来るが、それでも戦力は足りていない。しかし人型兵器が乗るほどの大型機は貴重であり、市民の避難にも使っている今では余裕がない。


「隊長の機体は?」


「盾を借りると言っていました、今は段取りを組み直しているとかで本人はいませんが」


「俺のせいで作戦が練り直しだからなぁ…」


ホバークラフトの荷台には治安維持隊仕様の第一世代機が二機、レンヤのアイギスで三機、そして最後には突入部隊が乗り込む多脚車輌で満載だ。


「これが隊長機です」


「まあ、こうもなるか」


元々レンヤが使っていた()()()をベースに爆発反応装甲と盾を追加、武装と予備弾薬で元々のシルエットとは違う印象を受ける。ちなみにミナミによってホバークラフト組のOSは書き換えられており、脳波制御には対応していないものの反応速度と動作精度は段違いに上がっていた。


「陸上艦に突入した後は側面の砲台を潰しつつ、突入部隊が帰って来れるように脱出地点を確保し続ける必要がありますので」


「俺の配置がどうなるかだな、ミナミが立案に参加してくれている以上大丈夫だとは思うが」


「一緒に居なくても良いのですか?」


「アイツは常に冷静だからな、こういう時は任せるに限る」


準備を終えた整備員たちがアイギスに集まり、レンヤの注文通りに武装を取り付けていく。突貫工事ということもあって高い完成度は望めないが、それでも彼らの確かな腕は信じるに値する。


『今の追加武装、配線が通ってないわよ!』


「俺が中継器を確認してくる、カナミの嬢ちゃんはそのまま火器管制システム周りを頼むわ」


レンヤの相棒は整備士に用意して貰ったらしい機体同様のマーキングが施されたジャケットに袖を通し、機体と自機をケーブルで繋ぎながら作業に当たっている。


『任せなさい、ここぞという時に撃てないなんてヘマは私がさせないわ!』


「頼りになるねぇ」


やる気に満ち溢れた彼女に影響されたのか、配線担当の整備士は笑いながら担当箇所へと向かった。この調子なら間に合うだろう、陸上艦にただ轢き潰されるだけの存在ではないということを証明しなければならない。


ーーー

ーー


「…傭兵をホバークラフト組から外す?」


『はい、街側に配置して下さい』


「理由を聞きたい」


機密保持のためか、この部屋には隊長とミナミの二人しか居なかった。彼はスパイがマシンガンをぶっ放した件を踏まえ、基地の中であっても防弾装備を着込んでいる。


『大会会場にて見せた敵艦の面制圧能力は非常に大きな脅威です、我々が陸上艦を沈黙させる前に街が焼け野原になっていては意味がありません』


「ふむ、続けてくれ」


『しかし砲撃に際して発射される物は全て実弾、速度も遅い榴弾とロケット弾ばかり。フル装備のカンナギであれば大多数を撃墜出来ます』


敵の砲撃を防ぐ手立てはない、街への被害は許容するしか無いと考えていた治安維持隊だったが、新たな戦力の加入によって話は変わった。地下へと戦力を隠さずとも街中に堂々と配置することが出来る、これは大きなメリットだ。


「本当か!」


『多少距離があったとしてもこの機体の速力であれば数分とかからずに陸上艦へ肉薄出来ます、第三世代機を出来る限り使い倒すにはこれくらいでないと』


隊長は手の空いている工兵部隊にトラップを敷設させる案をすぐさま上層部へと打診し、カンナギの防空能力についてミナミと話し合い始めた。住んでいる街が砲撃に晒されることを前提とした作戦では士気が維持出来ない、だが守ることが出来るのであれば治安維持隊の隊員は誰も引くことなく戦い続けるだろう。


「街を頼むと言いたいが…その場合誰が敵艦にマルウェアを投入するんだ?」


『私が同行しますよ』


「いや、君は傭兵と共に機体へ乗るだろう」


『なるほど、そういうことでしたか』


盲点だったと言わんばかりに彼女は手を叩いたが、隊長は怪訝な顔をするしかなかった。どういったすれ違いなのかと彼は悩んだが、ミナミが部屋のドアを開けたことでその疑問は解消された。


『子機を使いますので問題ありませんよ』


『ミナミコピーです、どうぞよろしく』


AIを転写できるだけの電子頭脳と、実戦に耐えうるボディさえあれば子機として運用可能だ。最も学習能力を持ったハイエンドな電脳は非常に高額なため、ミナミのように親機は一機のみとするのが通例らしい。


「アンドロイドというのは……中々興味深いな」


『『気になりますか?』』


「ああ、私もいつか相棒が欲しいものだ」


アイギス

挿絵(By みてみん)


遂に決戦間近、ブクマとか評価とか感想とかお願いします!!


なお今回投稿出来なかった絵はピクシブとTwitterに投稿しておいたので、「明田川」って検索して貰えればロボの絵しか描いてないアカウントが見つかると思います。気になる方はそちらまでどうぞ、お待ちしております。

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