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魔医のマイ

「クソっ、俺としたことが」


森の魔物を刺激し敗走する軍兵ロッソは焦る。

反乱軍の鎮圧を命じられ都から出向きその帰りに狡猾な人狼の群れに襲われた。ロッソは10数人程の部隊の長であり、そのうち今残るのは確認できるだけでわずか5人である。

その時ロッソの目の先にわずかながら光が見えた。


「結界だ!おいっ皆のもの!聞け!結界がある!」


このままいけば部隊は全滅となる間際、魔物を通さない結界が張ってあるのだ。

満身創痍のロッソたちではあるが目に光が宿った。


「もう少し…」


なんとか結界の中に入り込んだロッソたち

しかし、ボロボロの身体は身動きがとれなかった。

いつの間にか意識はなくなっていた。



目を覚ますとそこには少女が居た。

「おい、ここはどこだ?君は誰だ?他のやつは?」

ロッソの問いかけに淡々と少女は答える。

「ここは病院、私は医者、あとの4人は無事」

「そうか、部隊を代表し礼を言う。ありがとう。」


業務的なやり取りを交わしロッソは少し安心した。


「君は魔医かい?こんなしっかり回復してるし治癒魔法にかけては腕があるんじゃないか?」

場を和ます気遣いと相対する人間の素性確認だ。

魔医とは魔法を使って患者を治療する者である。そうであれば魔法について語り合えると考えたのだ。


「そうですね。私は魔医ですが…」

また淡々と答える。

何か言おうと少し躊躇った少女を背に、ロッソは怯むことなくコミュニケーションを図る。

「そういえば名前は?」

「マイです」

「いや、それは知ってる君は魔医なんだろ?」

「名前がマイなんです」

「それじゃ他の方の治療もあるのでここで」

そういってマイは行ってしまった。


つれない態度に少し腹も立つが助けてもらった恩に報いそれ以上の詮索は避けることにした。


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