3話
魔物らしきものが棒切れを振り上げ、殴りかかる。
アクタ「こりゃ参ったなぁ」
せめてガードをしようとして両手で頭をカバーする。
少し待つが、衝撃が襲ってこない。
アクタが手を退かし、いたはずの魔物らしきものをみようとするが先ほどの立ち位置にはない。
アクタは思考を巡らせる。一瞬安心させてその後痛ぶる。よくやられたことだ。安堵せず、周囲を見回す。
木の上にもいなく、今見える範囲にはいなかった。音を立てないように、立ち上がる。そうすると、魔物らしきものが転がっていた。
アクタ「何かにぶつかったか?」
アクタは落ちていた木の棒で魔物らしきものを突くがピクリともしない。
アクタ「こういう場合って高く売れるんだろうけど…動かすと音がするしなぁ…あいつらの仲間っぽいのもいるしなぁ…どうしようかなぁ」
アクタは先ほど向いていた方を向くと魔物らしき奴らの姿を消した。
アクタ「これって大ピンチじゃね?」周りを見ずとも、死期を悟る。
アクタはさっきより早く思考を加速させた。
アクタ(考えていてもしょうがない、行動に移してみるか)
アクタは火をイメージする。自分の周りを燃やし尽くすような火を、ただ草木は燃やさず、魔物だけを燃やす炎を!
目を開けたアクタは驚愕する。
自分の周囲に燃える火を見て。
魔物らしきものを燃やす。
声を上げずに昇天するように。
形をそのまま残して。
アクタは腰を抜かし、笑う。
アクタ「まさかこんなところで火に助けられるなんてなぁ。でも初めてみたなぁ、白い炎なんてな」
アクタは腰を上げ、魔物らしき奴らが焼いていた肉を食べ、腹を満たす。
アクタ「いやぁ食った、食った」
縛り上げた魔物らしきものを見て思う。
アクタ「こいつらどうすっかなぁ」
アクタは寝転び、寝る。起きたら考えよう。
アクタが再び起きた時、魔物らしき死骸の山ができていた。
アクタ「なんじゃこれ?まーた魔物の死骸の山ができてるじゃねぇか。どうすっかなぁ」
アクタは死骸の山を引きずって森を出た。