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70話 ゴシップ〈マティアス視点〉

お読みくださり本当にありがとうございます。

今話もですし、マティアス視点自体めちゃくちゃ長くなってすみません。

次話、エミリア視点に戻ります。

 談話室にやって来てから一時間半が経った頃、部屋にいるほとんどがシーシャを吸い始めた。



 このシーシャ特有の煙が、非日常感を醸し出したせいだろう。集まった貴族たちは、ますます羽目を外し始めた。



 嫁の躾け方、なんてのを聞いていたかと思えば、今は貴族たちのスキャンダルや噂に関する話に変わっている。

 話の内容は、事業の失敗や、その家が抱える秘密なんかについてだ。



 しかし、どんどんと話が進み、彼らは新たなゴシップに関する話を始めた。



「そう言えば、皆さん。マイヤー伯爵の件、もうご存知ですか?」



――マイヤー伯爵の件……?

 何だそれは?



 マイヤー伯爵の件と言われても、全く皆目見当もつかない。しかし、この場にいるほとんどの人間の反応が俺とは違った。



「勿論ですよ」

「当たり前ですよ! なんせ、私たちも危うかったんですから!」

「マイヤー伯爵には悪いですが、バレた相手が我々でなくて良かったですねぇ」

「ええ、本当ですよ! それにしても、都合の良い女だったんですけどね……」



――都合の良い女……ということは、何か女性関係の問題でもあったんだろうか?

 だが、我々でなくて良かったとは一体……。



 どういった内容の話をしているのかが理解出来ず、突然今までのように彼らの話についていけなくなった。

 すると、そのことに気付いた様子のジュリアス殿下が声をかけてきた。



「マティアス卿、急に大人しくなってどうしたんだ?」

「あっ、その……マイヤー伯爵の件を存じ上げなくて……」



 素直に知らないことを伝えた。すると、ジュリアス殿下との会話が耳に入ったのであろう近くの貴族が、俺に向かって話しかけてきた。



「戦場にいたんだ無理もない。実は、マイヤー伯爵の不倫が夫人にバレたんですよ」

「不倫ですか?」



――俺と違って、自分の知らない間に結婚していたという訳でもないのに、不倫するなんて気色悪い。

 それにしても、さっき都合の良い女だったと言っていたのは何なんだ?

 もしかして、マイヤー伯爵の不倫相手のことを言っているのか?

 だとしたら、その言葉に賛同していた男たちとその相手とは、一体どのような関係だ?



 先程から聞かされる言葉の繋がりに奇妙さを覚え、悪い予感に思わず嫌悪が募る。すると、そんな俺に対し周りの貴族たちは更に話を続けた。



「そんなに驚くことでもないだろう? マティアス卿。もしや、不倫に抵抗がある質なのか?」

「えっ? 不倫なんて男の甲斐性だぞ!?」

「違いますよ。甲斐性があるから、我々には不倫の資格があるんですよ!」

「意外や意外。マティアス卿は思いがけず初心なお方だ! 遊び方を知らないのか!」



 次々と飛び交い耳に入ってくる言葉は、どれも俺の信条に反しており頭がおかしくなりそうだ。

 しかも、彼らの話を聞いていると、不倫に否定的な俺の方がおかしな考えをしているかのような口ぶりにも感じる。そのため、理解に苦しみ俺の心の中には不快感が芽生え始めた。



 だが、そんな俺の様子に理性の箍が外れた酔っ払いが気付くわけもない。彼らのめちゃくちゃな発言は続いた。



「男として生まれたからには、本能的に不倫するように出来ているんだ。そうですよね、皆さん?」

「そうですとも。本能なので仕方のないことですし、他の人たちも当たり前のようにしていることです」



――それはお前らが理性のない猿だからだろう。



 そう思い、思わず自身の眉間に皺を寄せてしまった。

 すると、そんな俺の表情に目敏く気付いた最も老齢の男が、幼子でも見るように笑いながら俺に話しかけてきた。



「マティアス卿は不倫に否定的かな?」

「はい……」

「そうかそうか。実は私も不倫はあまり好ましく思わないんだ」



 そう言うと、その男性は優しく笑みを浮かべた。そのため、俺は理解者が居たのだと内心ホッとした。しかしそれも束の間、笑みを浮かべた男はそのまま予想外の方向へと話を持って行った。



「ただ、不倫した方が得なこともある」

「得……ですか?」



 正直何を言っているのか分からない。バレてしまえば得なんて何もないじゃないか。そう不思議に思っていると、男性は言葉を続けた。



「女の心を掴めばその女の持っている情報も握れる、ということですよ」



――情報を得るために、わざと不倫をするのか?



 俺がミアと結婚していたら、いくら情報を握るためとはいえ不倫なんて有り得ない。そう思い耳を疑ったが、この男の言葉を聞いた周りは思い思いの様子で口を開いた。



「その通り! 我々もただ楽しくて不倫をしているわけじゃないんですよ! 仕事の一環でもあるんだ」

「女は本気にさせればさせるほど何でも言うから、結局は不倫が一番手っ取り早い情報入手手段になるんだよ」

「だからこそ、女側の不倫はいただけんのですけどな!」

「はっはっはっ! その通りだ!」



――何て奴らだ。

 そんなに自分の妻を裏切ることに罪悪感が無いのか?

 もしや、殿下たちも同じ考えなのか!?



 ハッと両隣に座っている二人の様子が気になり、交互に二人の顔を横目で見てみた。すると、二人とも口角こそ上がっているが、目が笑っていないような気がすることに気付いた。



――ふう……。

 どうやら声にはしないものの、殿下たちも俺と同じ考えのようだな。

 不倫なんて別にする必要もないし、反対派でも問題ないだろう。



 二人の反応を見たからこそそう思えたため、俺は気を取り直した。

 しかしその瞬間、ちょうど弁舌に浸っている様子の男が御高説でも垂れるように話しかけてきた。



「マティアス卿……ヒック、不倫するなら、ちゃんと不倫の仕方を学ばねばなりませんよ?」



 だいぶ酔っている様子のその男は、不倫の仕方を学べと俺に言ってくる。だが、俺は不倫をする気はさらさらない。そのため、俺は俺の意思を貫くべく言葉を返した。



「そんな不倫なんてしませんよ。不器用な私には無理です」



 少し謙遜しておいたら、これ以上はしつこく言ってこないだろう。そう考えて対応したところ、その男は「卿の父君は極めて一途だったな。遺伝されるのだな」とそれはそれは楽しそうに笑い始めた。



 しかし、なぜだろう。不倫をしない性格が遺伝されていると言われているのに、どうしてか嬉しくはない。



 そのため、俺はストレスの溜まる話題を脳内から払うかの如く、何度も何度も酒をあおった。すると、先ほどまでは何ともなかったが、一気に飲み過ぎたせいか急速的に酔いが回ってきた。



――眠いな……。

 いや、ここで寝るわけにはいかない。

 気合いで起きなければ。



 そんな風に一人で睡魔と戦っていると、俺に対して「遊び方を知らないのか!」と言ってきた男が声をかけてきた。



「マティアス卿。君はずっと戦場にいたが、もしや嫁の方が……なんてことは――」



――もしや……まだ不倫の話をしているのか?

 しつこいな……。

 それにしても、嫁ってエミリアのことか……?

 で、嫁の方がってどういうことだ?



 酔った頭では、すぐに考えがまとまらない上、返す言葉がパッと瞬発的に出てこない。すると、そんな俺を尻目に、隣にいる人物が男に言葉を重ねるようにして口を開いた。



「彼女は不倫なんてしませんよ。絶対に有り得ない」



 そう言ったのは、カリス殿下だった。一方で、俺はこのカリス殿下の返しにより、男がエミリアの不倫を疑っていたのだと理解出来た。俺もこれについては、カリス殿下と同意見だ。



 なんて思っていると、男は意味ありげに目を細めると言葉を続けた。



「いやいや、そう見せ掛けて……という人間もいるんだよ」

「ずいぶん、経験ありげに言いますね……」



 見せ掛けてなんてことがあるか? そう思い、俺は反射的に言葉を返した。すると、その男はその経験の証明でもするかのように、皆に声をかけ始めた。



「ここにいる人は皆知っていますよね?」

「勿論ですよ。知らない訳がありません」

「あの女は本当にヤバかった。マティアス卿は辺境に居たし、軍営に居る機会も多かったから知らないかもしれないが……」



――こんな少ない情報でも皆が同一人物として理解出来る女とは、いったいどんな女なんだ?

 何者だ?



 必然として、俺の脳内には疑問が溢れた。すると、その疑問を解消するかのように、近くにいた貴族が俺に対して説明をしてくれた。



「マイヤー伯爵の相手は齢四十は超えるといったところだが、今皆が話している人物はまだうら若い女性だよ」

「だからこそ、よりとんでもない女だったがな!」



 そう言うと、貴族たちは次々とその女性についての話を始めた。

 その中には生々しい内容を話す者もおり、正直耳を塞ぎたかった。

 しかし、そうするわけにもいかない。そのため、俺の耳にはその女に関する酷い話がずっと流れ込んできていた。



――それにしても、その女は淫魔のような女だな。

 何が目的かは分からないが、下劣極まりない女だ。

 自分の夫がいるというのに……こんな卑しく下品な女もいるんだな。

 信じられん。



 心の中で思うだけなら良いだろうと思い、俺は心の中で皆が言う「例の女」のことをこき下ろしていた。するとその最中、とんでもない言葉が耳に飛び込んできた。



「でも、あの女もさすがに調子に乗りすぎたな」

「ええ。なんせ、王妹の夫にまで手を出したんですからね!」



――王妹の夫に手を出しただと!?

 あの公爵に手を出すなんて、王族を敵に回す気か!?

 一体どんな奴なんだ……?



 そんな女とかかわりを持ちたくない。話すらしたくないし、事業の相手にするのも嫌だ。そう思い、俺は酔った勢いで聞いてしまえと、彼らに質問を投げかけた。



「先程から話にあがっている女性は、いったいどこの家門の人間ですか?」

「ああ、あの女はオ――」

「飲み過ぎだ! ここは城だぞ? 絶対に言うんじゃない!」



 そう言って、なぜか俺の質問に答えようとした人間の言葉を止める人物が現れた。周りを見回しても、黙っておけと言う反応をしている者ばかりだ。



――なぜだ?

 なぜ女の名前を言ってはならないんだ?

 っ……!

 この視線、もしや……。



 焦った顔をしている貴族たちの視線が、俺の両サイドに向いていることに気付いた。そのため、隣にいるジュリアス殿下とカリス殿下に視線を移そうとした。



 しかし、首を動かした瞬間、頭がグワンと揺れる感覚がし、視界のぼやけが酷くなっていることに気付いた。

 どうやら飲みやすい酒だったせいか、珍しく飲み過ぎて酔いが回ったみたいだ。



 すると、そんな俺に気付いたカリス殿下とジュリアス殿下が声をかけてきた。



「マティアス卿、随分と酔っておられるようですが大丈夫ですか?」

「そろそろ開きの時間にしよう。マティアス卿もその方が良いだろう?」



 そう問われ、俺は揺れる視界に気をとられながらも、ジュリアス殿下の質問にうわ言のような返事と頷きをすることで肯定を示した。

 すると、ジュリアス殿下の指示により、トントン拍子に解散が決定し、俺を含め集められた貴族たちは、あっという間に飲みの場である談話室を後にすることになった。



 ◇◇◇



 そして俺は今、家門の馬車が止まっている場所に行く道の途中にある、王庭の一部である開放庭園へとやって来た。



――カリス殿下の見送りを断ったが、流石に断らない方が良かったか……。



 部屋を出ようと立ち上がり一歩踏み出したところ、思った以上に自身が千鳥足になっていることに気が付いた。

 そのため、カリス殿下が見送りを申し出てくれた。しかし、相手は恐らく意図的にほとんど酒を飲んでいなかったカリス殿下。

 そんな殿下に、飲みの自己管理を出来なかった人間だと思われたくなくて、つい断ってしまった。



 だが断るべきではなかった。そう後悔しながら、俺は千鳥足で馬車の方へと歩みを進めようとした。

 その瞬間、ふとあることを思い出した。



――そう言えば、この開放庭園の隅に飲み水用の井戸があったよな?

 飲んだから酔いが醒めるということは無いが、気持ちだ。

 妙に喉も渇いてきたし、休憩しがてら少し水を飲んで馬車に向かおう。



 こうして、俺は自身の記憶を頼りに、開放庭園の隅にある目的の井戸へと歩みを進めた。

 そして、やっと井戸が見えてきたというところで、ふと井戸に人影が見えることに気が付いた。



――こんな真夜中に誰がいるんだ?

 あれは……女?



 自身の目が正しければ、その人影はどうやら女性のようだ。しかし、草木も眠るようなこんな夜遅くに、女性が一人で庭園の隅に来て何をしているというのか。



 そんな疑問を抱きながら、俺はなお井戸の方へと歩みを進めた。そして、井戸近くに外灯として吊るされたランタンの光により、互いの顔が見える距離までやって来た。



――この格好は恐らく城の使用人だろう。

 こんな時間でも仕事があるのか……。



 そんなことを思った瞬間、女が俺の顔を見て「あっ……!」と声を漏らした。そして、驚いた顔をしながら、俺に向かって声をかけてきた。



「マティアス卿ですか!? まあ! ご立派になられてっ……!」



――なんだこいつ!?

 誰だ!?

 こんな知り合いいないぞ!?



 あたかも知り合いのように、目の前の女が俺に向かって話しかけてくる。

 しかし、俺の知り合いには白髪頭で化粧っ気がなく、父上より十は歳上に見えるこんなやつれた印象を受ける者は、微塵も心当たりが無い。



 だがその一方で、女性はなおも俺を知っている様子を見せている。しかも、最初こそ驚いていたその表情は笑顔へと変わり、女は俺に向かって一歩ずつ歩み寄ってきた。

 その様子は俺にとって恐怖でしかなく、思わず俺は後退りをしてしまった。



 すると、目の前の女もさすがに俺の様子を見て何かを察したのだろう。ある一定で足を止めると、必死な様子で話しかけてきた。



「本当に私が誰か分からないのですかっ……!?」

「は、はい……申し訳ないが……」

「あなたのお母様が主催のお茶会で何回もお会いしたでしょう!? マーロン家の……」

「ま、まさかっ、マーロン夫人……ですか!?」



 俺は耳を疑った。俺の知っているマーロン夫人とは似ても似つかぬ見た目をしていたからだ。

 しかし、マーロン夫人と認識して見てみると、その相貌に面影を感じなくはなかった。とはいえ、伯爵夫人ともあろう人物がなぜここにいるのかが理解できない。

 そのため、俺は咄嗟に目の前の女に質問を投げかけた。



「どうしてここに? それにその格好……」



 あまりの衝撃に少し酔いが醒めた。そんな状態で返ってくる答えを待っていると、目の前の女は気まずそうにゆっくりと口を開いた。



「すみません、詳細はお答え出来ません。ただ、紆余曲折あり、今はマーロン夫人ではなく、下女として王城で働いております……」



 どんな紆余曲折があったら、一介の伯爵夫人が下女として働くことになると言うのだろうか。そんなことを思っていると、彼女は愕然とした俺に対し、強制的に話を切り替えるように、異様な高揚を纏わせ話しかけてきた。



「それにしても、赤子の頃から知るあの幼かったマティアス卿が今や国の英雄! その通り名に見合う逞しい身体付きですし、本当にとても魅力的な男性になりましたわね!」

「あ、ありがとうございます……」



 突然捲し立てるように容姿を褒められ、俺はただただ戸惑うことしかできなかった。しかし、彼女は俺の反応を見ると「ふーっ」と溜息をつき、途端に気遣わし気な神妙な面持ちになった。

 かと思えば、突然予期せぬ名前をその口から発した。



「……奥様はエミリア夫人でしたね。彼女は頭が回る方ですから、マティアス卿も大変でしょう?」

「は?」



 突然エミリアという名前が出てきて、思考が追い付かなかった俺は気付けば声を漏らしていた。すると、漏れ出た俺の声を聞いた目の前の女は、少しギクッとした反応を見せながらも言葉を続けた。



「い、いえっ、話に聞き及んだだけですわ。ただ……彼女は陰険ですからお気を付けを」



――陰険な女だと!?

 聞き捨てならない。

 詳しく話を聞かなければっ……!



「それはどういうこ――」

「は、話し過ぎましたわ! い、急いでお水を持っていかなければ! 失礼しました」

「ちょっと待っ――」

「帰って来ないと不審に思われます! 本当に行かねばなりませんっ。それでは」



 そう言うと、マーロン夫人と名乗ったその女は、ほんの少し水を汲んだ桶を持って走り去ってしまった。

 一方、取り残された俺は途方に暮れたように、先ほど聞いた発言について脳内で反芻していた。



――今の発言はどういうことだ……?

 エミリアのそんな噂があるのか?



 ただ水を飲みに来ただけなのに、エミリアの後ろ暗い話を突き付けられた。それに、母のかつての友人が下女になっているという事実も、俺の頭をより混乱させた。



 だが、酒に侵食された頭で難しいことを考えるのは不可能だ。そのため、俺はいったん思考を放棄し、水を飲んでから家門の馬車へと向かった。



 こうして、長いパーティーが終わり俺が家に着いた頃、時刻は既に午前三時を回っていた。



 ◇◇◇



「あーまずい酒だった! でも、カリス。これでお前の知りたいことは知れたのか?」

「計画通りだ。ジュリアス、本当にありがとう」

「何言ってるんだよ。いつもは俺が助けてもらってるからな。これくらいお安い御用だよ。……俺が集めた面子は、今日に限っては逸材だっただろう?」

「ああ。酒はその人間の本性を炙り出す。良い要因になってくれたよ」

「じゃあ、今夜は卿の本性が知れたってわけだ。……それで、どうする? 俺は協力するぜ?」



 協力すると言ってくれるジュリアス。その彼の言葉に心強さを感じながら、僕は決意をジュリアスに向かって告げた。



「どう考えてもおかしなことを言っているのに、マティアス卿はほとんど流されていた。……答えは変わらない。俺がすべきは、ただエミリアを守ることだ」

「了解。それにしても、本当にお前は純愛の極みだな……って、それにしてもよ、カレン家の坊ちゃんはちゃんとお家に帰れたのかね?」

「それは大丈夫だよ。ちゃんと馬車に乗るまで見張りを付けたから」

「ほんと、お前はしっかりしてるな。はぁー、お前が遊人と思われてるのが悔しいよっ……」

「それを言ったらジュリアスもだろ。ただ……望んではなかったけど、これもこれで良い経験にはなったと思ってる。かなり悔しい思いをしてるけど、強味はできたからさ」

「お前はいつも前向きだなぁ。でもお陰で、なんか背筋が伸びた気分だよ。って、今日は早く休まないといけないだろ。明日……ってかもう今日だよな。……最善を尽くせよ」

「もちろん。僕はいつでも最善を尽くすよ」

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