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【完結】神の器の追跡者  作者: Ryha
第十章 サイカイ
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第093話 異世界で

 第九章のまとめ(調査記録)に関して、執筆が間に合っていないので、先に最終章を投稿して行きます。

 後ほどそちらの方は割り込みで対応させていただきます。

 ……俺はその世界を見つめる。


「……何を見ているのですか?」


 ヴィクトリアは俺に問いかける。


「いや……俺が干渉出来るのはどこまでなのかな……って。」

「母神器となった貴方が今、干渉出来るのは基本的には嘗ての私と同じテトラビアの中だけ……でしょう。」


 ……全ての戦いが終わり、クロノスが消えた。それから少し経つ。


 母神器と不死の力でここにアクセスしている俺と、死んだ母神器のヴィクトリアと、同じく死んだ魔法統括システムだったアルマードだけがこの神の空間……にいることが出来た。



 ハシラビトという存在は、死ぬ事で神器の呪いを無くすことが出来る。死んだハシラビトは上位存在と同列になることが出来る。だからこうしてヴィクトリアとアルマードだけがここにいる。

 彼らは死ねば上位存在になれると言う運命を持っておきながら、ハシラビトという存在は生きる事に固執する様にデザインされている。そういう悲しい存在。それはある意味、この世界から飛び出すというバグに対して実行された対処法のようにも感じる。


 この世界は、クロノス達上位存在の世界ともまた違う。ここから地球やテトラビアを俯瞰して、操る。そう言う世界。

 彼らは歴史を変えるエラーに対しては因果力を働かせたりする。そうして、干渉する。




 きっとこの命界……クロノスや、いや、このインガ粒子の括りすらも、全てがさらに上位の存在に支配されているのかもしれないし、そんなものは存在しないのかもしれない。



 地球を含むこの元素という粒子の宇宙、それに対してマルチバースとして別に存在するグレートドーンがあった魔素という粒子の宇宙……それらマルチバースを纏めてヴィクトリア達的には次元……宇宙団と呼び、その次元の外には並行世界として別々の時間を進むもう一つの次元がある。それがあのリリー達の世界や、アルマードがせめてきた世界。勿論その並行世界は分岐せず、一つの歴史を歩む。


 それらは更に大きな……インガ粒子の括りで括ることができるそうだ。つまり、メタバースという訳だ。


 自分達の住むインガ粒子次元団……とここでは名付けよう。この外にはまだ見ぬ空想する事もできないような世界が、ゼノバースがきっとあるのだろう。インガニウムという物質はこのインガ粒子次元団でのみ通用するもの。この世界の外には全く違う神がいる、ということだ。



 俺が直接的に干渉出来るのはこのテトラビアの土地だけ……それ以上はある方法を除いて不可能だと言う。神となったヴィクトリアはこの次元に干渉できるようになった。


 案外、この神という存在すらも神とは言い切れない程のちっぽけな存在なのかも知れない。


 ……世界は単純なようで、複雑だ。どこを楽園と思うかなんて、その存在次第なのかもしれない。


 * * * * *


「……ごめん、樹……!!」


 私は別の世界へと飛ばされた。




「……ちょっと!!君!!」


 朦朧とする意識の中でその声は聞こえる。


「そこの君、大丈夫……??」


 私はその声によって目覚めた。


「……ん……ここは……?」

「……ここはアズゲニア王国エシェロン領。見ない顔だけどどこの人??」


 その男……青髪で黒い制服のようなものを着ている人に私は起こされた。


「私は……」


 私は自分のペンダントが首からかかっていることを確認する。


「私は月城エマ……テトラビアっていうところから来たエマ……って言います。」


「……テトラビア……か。」


 その青髪の男はそう聞いて腕を組む。


「聞いたことが無いな。」

「……そう、ですか。」


 私はどこか遠くの地へと、飛ばされてしまったらしい。

 なら、どうにかして他の場所へと……行かないと……


 私は場所の証があるし……と胸元を見ると、そこにつけていたはずのブローチは無くなっていた。


「……ない。ない!!!」


 因縁の刀も無かった。


「嘘……」


 テトラビアに残しているならば、アルマードに取られてしまった……かもしれない。この世界にあったとしても、私が起きるまでにそれが奪われてたら最悪……


「な、何か無くした?」

「……う、うん。刀とブローチを持っていたんだけど……見つからなくて……」


 私はとりあえずその青髪の人にそう伝える。もしかしたらこの人が取った……ことは流石にないか。


「俺は知らないな……探してみるよ。」

「……お、お願いします!」


 私はその人にこれでもかと言うほどに手を合わせて懇願する。


「スキル:エリアサーチ!!」


 そうその人が叫ぶと辺りに魔法陣とは違うような円形の光が広がっていく。


「……スキル!?」


 私は驚いた。


 そんな力は聞いたことがなかった。

 つまり……ここ、外宇宙かも?


 次元は分からない。でも、テトラビアがあるような元素の世界でも、グレートドーンがあるような魔素の世界でも無いことは、明らか。


「なさそうだね……って、もしかしてスキルって知らない?」

「……はい。」


 私の驚く様子を見てその男がそう言うから私ははい、と答える。


「……聖女っぽい見た目なのに……?」

「……はい。」


「っていうかよく見たらその服、テラリスの服装に似てる気がする……」

「……はい?」


「はい????????テラリス????」


 私の頭はその男から出た言葉でハテナしか浮かばなくなる。


 だって、ここは間違いなくスキルっていう謎の力がある外宇宙……テラリスが私の知っているテラリスとはきっと違うはず……


「そう、テラリス……この星の一つ内側をまわる惑星、テラリス。」

「……この星の、一つ内側……」


 もし違ったとしても、行く価値はありそう……

 だって刀とかが近くにないのならば、きっとテトラビアにある。なら、帰る方が先決……それに帰れたとしたら多分ここはまた来れる。


「行く?うちのジェット機を使えば数日で着くよ……」


「……行きます!!!!連れていってください!!!!!」


 この世界、凄い……


 私は感心した。


 ーーー


 農村部に着いたから分からなかったけど、この世界……アズゲニアの文明レベルはグレートドーンとかとは比べものにならないくらい発展していて、アレスくらいの文明に思える。



「……ところで、そのテトラビア……は銀河同盟加入国なの?」


 ジェット機の中で私はそう、その青髪の男に聞かれた。


「……銀河同盟、だったら何かあるんですか?」

「いや……この星銀河同盟非加入国だから、ちょっと送ったりするのは限度があるかなーって。」


 銀河同盟……って言うことは私はもしかして5000年以上の過去か、アルマードが支配している別世界にいるのかも知れない。


「……そう言うことですか。銀河同盟ではないですけど……多分、宇宙が違いそうなので……無理だと思いますよ……」

「スキル知らないってなったら……そうだよね。」


「……はい。」


 別世界、並行世界に飛ばされたとなると尚更帰りにくいかも知れない。


 そう思いながら、名も知らない彼の運転するジェット機に乗ってテラリスへと向かった。


 ーーー


「……着いたぞ。ここがテラリスだ。」

「ありがとうございます……えーっと……」


「アレノス・エシェロンだ。もし何かあればこれで連絡してこい。」

「これは……?」


 彼から貰ったのはペンダントだった……


「それは権利の証……相手の事を分かっていればそのペンダントを通して会話することができる、そんな証だ。あった方が便利、だろ……?」


「……はい!」


 私は元気よくそう答えた。


 権利の証……これがあった。これがあれば連絡が取れるかも知れない。



 とは言うものの、時間か次元は飛んでいるからどちらにせよ大変なことには変わりない……かな。


「ありがとうございました。」

「またな!!」


 そう言って彼はそのジェット機で旅立っていった。



「……さて。テラリスに来たはいいけどここはどこだろう……」


 私は深い森に居た。


「とりあえず、街を探しに行こう……」



 ーーー



 街を探して数時間歩いた。


 道中何度か魔物に襲われて私は確信した。


 ここ、テラリスだ……と。

 多分異世界のテラリスだ……って。間違いない。魔法がなくて代わりにスキルがある並行世界だってことがわかった。


「……やっぱり、ここだと魔法は使えない……。」


 私は魔法を出すように普段から身につけているナイフで試してみる。それでもやっぱり魔法陣は現れなかった。

 スキルという存在のみがあるテラリスで、魔法はないテラリスなんだ。


 そんなことを考えていると、小さな街に出た。



「……やっと人が住んでるところが見つかった……」


「……どう、して……」


 私はその景色を見て自然と涙が出てきていた……



 その街はどこか懐かしい匂いがしていた。

 それにその街の形は見覚えがあった。


 でも、どこで見たかはもうあまり覚えていなかった。



「……クレオール・ディザスターが近々起こるぞ!!!」


 その声と共に新聞を配る人、そこに群がる人の姿が私の目の前に映った。



 私はその場所に近づいて行く。

 人混みに紛れながら地面に落とされた新聞を拾う。


「お、嬢ちゃん見ない顔だな、冒険者か?」

「……まあ、そんなところです。」


「だったら早いところ遠くに行った方がいいかもな……ディザスターの予兆が見えたらしいからな。」

「……なるほど。ありがとうございます。」


 強面な、斧を装備した強そうな男に私はそう話しかけられた。


「この近くの森は迷いの森……間違えてもグレートグローンの方に行かないようだけ、気をつけろよ。」

「ありがとうございます……」

「まあ、嬢ちゃんくらい強そうな人なら余計なお世話か。ハハハ。」



 ……グレートグローン、また聞いた事のない国……


 でも、わかる。今ならわかる。

 この街に私は来たことがある。と言うことはグレートグローンという国はきっとこの世界のグレートドーン……なんだと思う。



……なら、行くしかない。クレオールディザスターも止めるしか……ない。

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