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竜騎士①

短めです。



「…………『アイアンボール』」

「『スラッシュ』!」


「――がぁッ!?」

「さっきから何処に――うあッ!!」



《経験値を取得しました》


《経験値を取得しました》


《勝利した為、戦闘前の状態に全て回復します》



アレから、レンとタッグを組んでデッドゾーンに足を踏み込んでいた。

そしていつの間にか白星を続け……今、五回目のパーティーを倒した所。



《――「基本的に、俺をドクだと思って立ち回ってくれ」――》


《――「……! わ、分かりました」――》


《――「隠密と君のスキルを上手く使って……狙撃手として頑張ってくれよ」――》


《――「は、はい。緊張します」――》


《――「はは、大丈夫だって。いつも通りやれば良い」――》



それはついさっき、闘う前の会話である。

少しまだ緊張が残っているが……見事な援護射撃だ。


対人戦に関してはずっとソロだったから、何というかその……



「……凄い、楽に勝てちゃいました……」

「ああ……」



そう、楽なのだ。

俺は今まで正面や横に背後までカバーしなきゃならなかったが……今は違う。

背中を任せられるというだけで、ココまで負担が軽くなるとは。


でも――駄目だな、これ。

楽だからこそ、『感覚』が鈍くなってしまう。


そしてそれはドクにも言える事。

レンがずっと彼女についていると、ドクの勘も鈍るだろう。

たまにはソロで闘う様言っておかないとな――



「これは……良い発見だ」

「……どうしました?」

「優秀な援護があると、ここまで楽になるんだと思って」

「! あはは、褒め過ぎですよ」



照れる彼女。

実際、隠密と土魔法を組み合わせた魔法の狙撃は強力だ。


スキルもあるが、何より――レンの立ち回りが上手い。

『一射一退』により位置を悟らせず敵を混乱させている。

気付いた時にはもう魔法が影から射出されているんだ。厄介な事この上ない。



「でも――まだまだこんなものじゃないぞ、君は」

「……!」

「もっと俺を『使え』。遠慮せず自分の思考を共有して、俺を手駒にするんだ」

「え……」

「レンは後ろで戦闘の全体像を眺められる。気付いた点とか次の攻撃の手を共有するのは大事だぞ」

「……わ、私にできますか?もし見当違いな事やっちゃったら――」



レンは言う。

当たり前だが、最初から百点を求める程俺は馬鹿じゃない。

場数を踏んでこそ――そういったモノは得られるんだ。



「――それをカバーするのが、俺の役割だろ?」

「!」

「大丈夫。失敗なんて幾らでもやったら良い。それじゃそろそろ『準備』を」

「は、はい……! 『アースクリエイト』――『サンドハイディング』」


彼女は頷いた後、またスキルにより姿を隠し物陰に隠れていく。


『なあ、レン』

『……はい?』

『君の声は、聴いてて落ち着くな』

『えっ、え……?」

『だから『戦闘中』でも、気兼ねなくコレで喋ってくれ』

『……ありがとうございます。そうします……!』



そしてそれを確認してから、俺は『メッセージ』を彼女に飛ばした。


……我ながら下手な鼓舞だ。

でもまあ、少しは楽になったかな。



「さてと、そろそろ次が――」



《竜騎士 LEVEL49》


「!? ……おいおいマジか」

『グラァ!!』


次。

廃墟が並ぶエリアに現れたのは――紫色のドラゴンに騎乗したプレイヤーだった。



……どうしてか、絶望したかの様な顔をして。

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罠士の大罪人~不人気職、『落とし穴』で最前線を駆け巡る~



小説家になろう 勝手にランキング

作者ツイッター 322106000445.jpg
― 新着の感想 ―
[気になる点] この後の話では先に気付いていたのに、「しょ、商人?」というのは違和感あります。 [一言] 主人公視点も別視点の話も、めちゃくちゃ面白いです。
[良い点] ニシキさん気付いてあげて! レンちゃんの様子変わってるから! 『溢れでる大人の度量』と『甘い褒め言葉』にハート撃ち抜かれてるから!  このままだとニシキさんが狙撃されちゃうからー!!
[良い点] 最強って言われてるジョブである以上、最弱って言われてる商人とは戦いたくないかー 下に見てるってのもあるだろうけど 色んな意味でうま味が……
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