餓鬼王からの挑戦状②
本日投稿一回目です。
夜にまたもう一話投稿します。
《第6ウェーブをクリア》
《三十秒後、次のウェーブに入ります》
《失ったHPとMPを回復します》
☆
《第7ウェーブをクリア》
《三十秒後、次のウェーブに入ります》
《失ったHPとMPを回復します》
☆
《第8ウェーブをクリア》
《三十秒後、次のウェーブに入ります》
《失ったHPとMPを回復します》
《レベルが上がりました。任意のステータスにポイントを振ってください》
☆
《第9ウェーブをクリア》
《三十秒後、次のウェーブに入ります》
《失ったHPとMPを回復します》
「……ふう」
そのウェーブを乗り越えて息をつく。
変わっている事と言えば――段々と数が増えているぐらいか。
制限時間十分の内に何とかなる程度で収まっているから、焦らず、そして集中が途切れない限りはいける。
「『瞑想』」
《瞑想状態になりました》
次のウェーブが始まる前に精神統一を。
……さて、そろそろ二桁だし何か――
《警告!更なる餓鬼の軍勢が近付いてきます!》
《このウェーブをクリアすると報酬が獲得できます!》
《第10ウェーブを開始します》
《制限時間は十分です》
《ハイゴブリン LEVEL40》
《ハイゴブリン LEVEL40》
《ハイゴブリン LEVEL40》
《ハイゴブリン LEVEL40》
《ハイゴブリン LEVEL40》
《ハイゴブリン LEVEL40》
《ハイゴブリン LEVEL40》
《ハイゴブリン LEVEL40》
《ハイゴブリン LEVEL40》
《ハイゴブリン LEVEL40》
《ハイゴブリン LEVEL40》
《ハイゴブリン LEVEL40》
《ハイゴブリン LEVEL40》
《ハイゴブリン LEVEL40》
《ハイゴブリン LEVEL40》
《ゴブリンシャーマン LEVEL35》
《ゴブリンシャーマン LEVEL35》
「……いやいや……」
これまでとは比較にならない数のゴブリン。
それも――レベルの上がった、上位種?の『ハイゴブリン』だ。
隊列を組んだようにずっしと。
これまで粗末な石斧にボロ布の装備だったのが、頑丈そうな鉄斧にしっかりとした服のようなモノになっていた。
ソイツら十五体の後に、当然かのようにシャーマンが二体居る。
報酬獲得――終わりという事だろう。
だからと言って多すぎだと思うが。
「やるしか無いんだけどな」
《オフェンスアップポーションを使用しました》
俺は草陰に隠れながら――シャーマンの背後へと近付いて行く。
☆
「『パワースウィング』」
『ギャ――』
気付いていない背中に武技を振れば――二体目のゴブリンシャーマンを倒し終わった。
ここまで一分。
そして、ここからが問題だ。
俺は――地面へとスチールアックスを投げ突き刺していく。
合計十本、奴らが来る前に。
「……ふう」
『ギャギャギャ!!』『ギャギャ!』『ギャ――』
おびただしい数のゴブリン。
……正直、制限時間はともかく生き残れるかどうかすらも怪しい。
「『パワースロー』!」
『ギャ!?』
弱気な思いを掻き消す様に、草木の影からスチールアックスを投擲する。
やがて聞こえたハイゴブリンの悲鳴。
ダメージは通常のゴブリンと比べれば七割減――かなり硬くなっている。それはゴブリンソルジャーよりも。
……いけるのか?これ。
商人の火力で、魂斧のボーナスが合っても――
というかあの数で来られて、俺が『持つ』のか?
「集中しろ、余計な事を考えるな――っ」
自分を制す様独り言、そして地面の斧を拾って投擲。
俺はこのクエストを達成するんだ。
先の見えない道を、この手で切り開く。
今までずっと――そうだったんだから。
PK職を初めて倒した時も、亡霊を倒した時も。PK集団を倒した時も。
「……」
五本程スチールアックスを投擲後、俺はハイゴブリンの後ろへつく。
まずは、一体。
「『パワースウィング』」
『ギャ――!?』
《経験値を取得しました》
『「『ギャギャギャギャ!!』」』
俺の姿が現れるや否や、騒ぎだすゴブリン達。
大量の殺意が突き刺さってくる。
もう、隠密は使わない。
アレだけの数――いちいち一撃与えて隠れていては時間が足りないからだ。
「行くぞ、ゴブリン共」
覚悟を決めて。
地獄の中へ、俺は飛び込んだ。
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