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続・解体作業

 ご安全に、といったところで作業再開。


 今のところ、子供の侵入対策は、無し。

 精々が周囲に今回の話を広め、注意喚起を促すだけだ。


 自分たちだけではマンパワーが足りず、何かを用意する時間もない。

 親も子供も集めて、進入禁止の看板があったらそこから先には入らないようにと教えるだけ。

 好奇心で入ってくるようなら、相応の罰を与えると明言することで対処した。


 日本のようなやり方をするには、人も技術も足りていなかった。

 もしかすると、そういった不便さを合法的に理解させるためのツールなのかもね、これ。



 俺は今日も建物を壊しに行く。


 アセリアは、昨日の今日なので、連れてきていない。

 本人も乗り気でなかったし、ちょうど良かった。


 朝のうちにやったKY活動で、「二人作業」とか安全面を重視した考え方を言いたかったけど、人手不足でそれも無し。

 何かあった時に危険と知りつつ、一人で動く。

 まぁ、プレイヤーは何があっても無事だ(死なない)から、ある意味では危険などどこにも無いんだけど。



 俺が昨日と同じように建物を壊すと、通りを作るためのスペースが確保されていく。

 道が太くまっすぐに伸びるのは見ていて気持ちがよく、これまでの雑さが浮き彫りになって、口の端が苦笑の形になった。

 今後、他の村で同じことにならないよう、注意したい。


 そうして解体作業を終えると、視界の端に壊れた家を悲しそうに見つめる夫婦がいた。

 恐らくもなにも、壊した家に住んでいた者達だろう。

 これまで住んでいた自宅がお上のご意向で壊されれば、そりゃあ悲しくもなるだろう。


 こういうことは、日本でも稀にある。

 公共の福祉という名目があると、国が土地を強制的に買い上げたりするのだ。


 古い話だけど、俺の学生時代に、学校の先生が言っていた。


「日本でオリンピックがあったときに、先生の自宅の前の土地、駐車場にしていたところを国が取り上げたんだ。道を広げる為に必要だからと言ってね。

 そうなると駐車場がなくなるから私の車はどうするんだ、そう言っても「公益のためだから」と言われて取り合ってもらえず、わずかなお金で土地を持っていかれたよ。

 そのあとは他に駐車場を探して契約したけど、車が遠くなったし、料金でもらったお金は全部なくなったし、それでもお金はまだ足りないし。散々だったよ」


 先生は力なくそう言っていた。


 俺もその時のお上と同じ事をしているのか。

 そう思うと、暗鬱な気分になった。


 そうしたら、次からそんな人は見かけなくなったけど。

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