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KY活動

 KYの考え方は、一応習った。

 ゲーム内で実践するとは思わなかったけど。





 まずは「どこに危険な要素があるか」「そんな危険行動が考えられるか」という、「場所」と「人」の危険を洗い出す。

 で、ブレインストーミングで言われるような「相手の言葉を否定しない」でとにかく意見を出す。

 変な事を言っても気にせず、次に話を持っていくだけだ。

 この場では「本当に危険かどうか」を議論しないのだ。


 ここで気にする内容があるととすれば、「場所」と「人」の危険がセットで提案されているかどうかだけである。

 人の意見にケチをつけるとすれば、分かりやすく説明しろというだけだな。



 次。危険への対処方法。


 道が狭いなら、「迂回する」「狭くする原因を取り除き、道を広げる」「それでも通れそうなら、周囲に注意しながら通る」といった対策を思いつく。

 前者二つが場所に対する対策、最後のが人に対する対策だ。

 一つの意見ではどちらか片方しか対策できないので、一つの危険に対し、最低二つの対策を考えることになる。


 もっとも、常識的に考えて「それはどうにもならない」という危険もあるんだけどな。台風みたいに自然現象のようなものとか。



 対策の優先順位を考える。


 実践しやすい対策と、実行しないとまずい対策という観点で話をする。

 実践しにくい対策、例えば人を増やせばいいというものに関してはすぐに対応できないので、後回しになる。その場合は他にもっとやりやすい対策があれば、そちらを優先する。

 実行しないとまずい対策は、死につながる危険性の高さを感じさせる危険についてだ。

 なお、危険度の高さは「危険が発生する確率」「危険に人が関わる頻度」「発生した危険により生じる怪我の重篤具合」で判断できるが、どちらかと言えばリスクアセスメント寄りの考えなので、詳細は、パス。


 今回の「倒壊の破片が不法侵入した子供に当たる」などは対応を早めにしたい危険なので、優先的に対処する。


「責任は無いって言ってたっすけど、対策はしっかりするんすね?」

「そりゃそうだ。人死には、取り返しのつかない話だからな。怪我で済んだのは運が良かっただけだろ」


 ちなみに。

 子供が怪我をした原因は子供が好奇心を優先して「入ってはいけない」と言われても入っていった事だから、子供本人に一番の責任があるというのは、この世界観での基本路線。リアルのような「ものの道理が分からない=責任能力がない」という考え方が無い。

 俺自身それに納得しているが、防げるのなら防ぐのも人情だ。その件で人から攻められる謂れは無いが、対策ぐらいするぞ。



 最後一歩手前。

 ワンポイントをまとめる。


 一番注意すべき点を決め、そこから言葉を抽出する作業だ。

 最初の狭い道の話で行けば、「狭い道を通るときは、周囲(・・)にぶつからないよう周りを確認(・・)しながら移動する」というのを、頻度を理由に、一番注意するべき点にしたとする。

 そうであればワンポイントは「周囲の確認、ヨシ!」となる。それだけで意味が通じるよう、元の文章から単語を二つ(・・)抜き取るのだ。


 なお、そこで二つ目の言葉は、必ず「行動に関する言葉」を抜き取るというルールがある。

 ワンポイントは「分かりやすい言葉にまとめた行動指針」なので、行動に関する言葉が無いと意味が通じないのだ。



 で、本当に、今回の締め。

 ワンポイントの3回斉唱。指差し呼称の動作も付けて。

 最後に。


「本日も、ご安全に!」

「「本日も、ご安全に!!」」

「「「ヨシ!!」」」


 お決まりの台詞で、締めをする。

 これでKY活動は終わり。


 ……リアルでは、これを毎日するらしいけどねー。

 だから「本日も」なんだよ。

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