町の解体作業
前話が中途半端な状態でした。
現在はいつもの文章量になっています。
申し訳ありませんが、一話戻ってから読み直していただけると助かります。
町の再編が始まった。
目指すは6つの大通りと6つの側道を持つ、碁盤の目状の都市構想だ。
うちいくつかが農地だったりするけど、そこはもう、気にしない。
農地だって町に必要なんだからいいだろう。
普通は大通りが6本となると、その両面にも1つずつの区画が付くため、町は7×7の、49区画を持つように聞こえる。
しかし、実際には30区画ほどしかない。
これは海岸線に対し、斜め45度で大通りを引いたからだ。
海岸線沿いに9の区画を持ち、残る21区画が内陸より。
海岸線の形がまっすぐではないので海岸線沿いの区画の数が7でなく9となっているが、上から見れば、町は歪だが直角二等辺三角形のような形をしているだろう。
港と町の関係を考えると、これがベストという結論に達したのだ。
……元の形が、港を中心にした円形だったのも関係しているけどね。
ある程度は前の形を残したかったため、自然とそうなってしまったのだ。
そんな訳で、解体作業。
「おにーちゃん。このお家、こわしちゃうの?」
「うむ。まぁ、見てなさい」
今回解体するのは、最初は二つの家だったのが、いつの間にか二世帯住宅の様に合体してしまったという大きめの家。
元となった家はレンガだけど、連結部分は木材で、非常にみっともない。ついでに火災が怖いぞ。
多少の事は見逃していたけど、これを見逃す道理はない。
道が無くなってるじゃないか。
俺は暇だからと付いてきたアセリアの前でいい格好をするべく、家の構造から壊すべき場所を探る。
「この柱と……あの柱だけでいいか。
その前に、家を繋ぐ板を剥がすところからだけどな」
レンガを積んだ家であっても、内部には木材の柱が付いている。
これが無いと、レンガの壁が倒れてしまうのだ。壁を支える柱の重要性は非常に高い。
なので、数本の柱を抜いてしまえばあとは簡単に自壊する。
それと、注意点として、取り壊す家のレンガは再利用できないが、木材は可能な限り再利用するという事。
最悪、薪にしてしまってもいい。
資材の少なさに嘆いているんだ。節約できるところは節約したい。
板を手早く剥がし、支柱になっている柱にのこぎりを入れる。
そうして柱を抜いてしまえば――
「くーずれーるぞー」
「くーずれーるぞー」
俺が大事な柱を抜いたことで、家が倒壊する。
周囲に注意喚起の声を上げると、面白がってアセリアが真似をする。
周囲には人が入らないように、工事中の看板を作って囲っておいたので、本当に危険なことは無いだろう。
そう思っていたんだけど。
「うわーーっ!!」
俺たちがいる方とは逆側、そちらから幼い男の子の声がした。
慌てて声のした方に行ってみると、子供が看板の下に潜り込んでいるのを見付けた。
そして、潜った途中で家が倒壊し、その破片が当たったようで、頭から血を流している。
大人はともかく、子供の好奇心や想像力の無さを甘く見ていたようだ。これまでは子供がいなかったから、すっかり忘れていた。
久しぶりに、俺は大きくやらかしたようである。




