警邏隊と互助組織
次に気にしたのは、治安維持だ。
「警邏隊は、そこまで人数が要らないという話ですが……本当に大丈夫なんですか?」
「完璧に町全体をフォローするのは、まず無理。だから「警邏隊がいる」って事実だけで周囲を威圧するしかないんだよ」
まずは基本中の基本、警察組織となるものを編成して、武力で犯罪者を鎮圧できるようにした。
そのうえで、揉め事が起きた時の簡易対応マニュアルを用意して、その場で仲裁が出来るようにしておいた。
人数が少ない事で癒着なども発生すると思うので、組織は二重構造にして互いを見張れるようにしている。
警邏隊は二人のリーダーを任命して、互いの行動を報告しあわないようにしただけだけど。
片方の警邏隊が癒着したところでもう片方が取り締まるという効果を期待しているが、どれほど意味があるだろうね?
日本でもこういった事はやっていないと思うし、どうすればいいのかの正解は無い。
まず、やってみる。
その程度の気持ちである。
「婦人会は、どうなっている?」
「参加率は、あんまり良くないかな? お茶会でお菓子を振舞うって言っても~、そこまで欲しがる人がいないの」
もう一つの治安維持は、周辺の人間関係の強化だ。
地域ごとに「~~会」というのをいくつか作り、そこで互いの顔を覚えるよう、交流を推奨している。
現代社会では手間を厭う人の方が多く、人を呼んでも参加率が悪いが、戦前ではこういった互助組織こそ社会の基盤となっていた。
中世・近代ヨーロッパ風のゲーム世界ならまだ受け入れられると思ってやらせてみたんだけど、これがあまりうまく機能していない。
住人の余裕というか、生活の苦しさが足りないのだろうか?
こういった互助組織が幅を利かせるというのは、生活が苦しく、助け合わねば生きていけないからだ。
生活が安定してしまえば、互助組織は用を成さなくなる。
でも、互助組織を機能させなくても上手くいっているという事なら、あえて互助組織を強要するのも良くないか?
「そんなことは無いと思うけど、何と言えばいいかな~。
そう、“その方が良い”って実感がないだけじゃないかなぁ~?」
……それもそうか。
俺は結果を知っているから「その方が良い」と言うけど、結果を知らない人間からしてみれば、義務ばかりが増えて嫌な気分になり、参加したがらないという事か。
こればかりはなぁ。
最初の方はやや強制気味にして、いや、参加する者に利権を与える方が良いか?
難しいな。
利権を与えた場合はそれを無くすことで不満が後で暴発しかねないから、最初は半強制で徐々に緩めるやり方の方がマシか?
協力し合うメリットを、どうやって実感させようか。
頭の痛い話だな。




