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模型と安全装置

 見本にと用意した熱気球の模型は、大いに受けた。

 高さ1mとちょっと大きめに作ったそれは、無人ではあるが高さ数10mのところまで飛んで行った。



「すごい! とんでる!!」

「原理は聞いていました。だから飛ぶことは、頭では分かっていたつもりでしたが。

 実際に自分の目で見ると、驚きですね」


 アセリア、レーラの反応はかなり良い。

 アセリアは純粋に目を輝かせ、レーラはまさに驚愕と言った顔をしている。

 デモンストレーションとしては大成功だろう。


 だが、ラルーニャは実際に空に浮く熱気球の模型を見ても不安そうな表情のままである。

 いや、むしろ空を飛ぶところを見てから、余計に不安そうな顔をするようになった。


「落ちませんよね、あれ」

「事故があれば落ちるね」

「そう、ですか……」


 ラルーニャが危惧するのは、熱気球の墜落事故だ。

 俺が熱気球に人を乗せる、俺自身が乗ると知っているから、その時を思い浮かべて不安になっているのだ。


 実際、事故が起きればタダでは済まないのが墜落だ。

 普通なら死ぬだろうが、このゲームでは人死になど無いからな。全くの杞憂である。


 とは言え、そんな事を言ってもしょうがない。


「パラシュートと言ってな、いざって時の脱出用の道具も用意するから大丈夫だよ」


 俺はラルーニャを安心させるべく、プレゼン用の資料を取り出す。

 そこには、パラシュートの簡単な説明が載っている。


 こういう事もあろうかと、事前に用意していたのだ。


 パラシュートがあれば事故を完全に防げるという訳ではない。

 だが、これがあれば助かるかもしれないと、周りにそう思わせることが出来れば、それでいい。


「それはそうですけど……」


 ラルーニャの顔色は、多少マシになったがそれでもまだあまり良くはない。

 パラシュートもまだ机上の空論なのが気に入らないのだろう。

 それこそ、模型を使ってでも実際にやってみせないと分からない部分が多いからな。


 新しい事と言うのは、いつも大衆の理解を得られないものなのだ。

 やって見せて、ようやく正しい評価を得る。

 ……それが良い評価かどうかは別にして。



 パラグライダーでも事前に作ってみるかね?

 ああいった、似たようなものがあれば理解もしやすいと思うけど。


 問題は、そっちも布をたくさん使うってことなんだよな。

 熱気球に使う分の生産がどんどん遅れそうだ。

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