表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/183

錬金術とのコラボ③

 タイミングが悪いと言うか、覚えるならもう少し早くに覚えたかったというか。

 『爆発ポーション』は爆弾の替わりになる代物だった。


 ただ、材料には相変わらず『スライムの核』が必要になるので量産向きではない。

 そう考えれば、俺の心にちょっとダメージを与えただけで済んだとも言える。

 今のやり方、大勢に影響はない。



 あと、新しい魔法も覚えたけど、こっちも爆弾には関係のないものだった。

 岩をも溶かす熱を封じ込める『ヒートプルーフ』、液体から不純物を除去する『ピュリファイ』、熱を奪う『ヴェイパー』、鉱石から金属を抽出する『リファイン』。

 有用だけど、爆弾には直接使えない魔法たちである。


 これらの有効活用については、また後日考えようと思う。





 作ってみたマジックスクロールを使い、爆弾の威力がどう変わるのか、石切場で試してみようと思っていたのだけど。


「いや、村長。岩盤がないから、要らねぇっすわ」


 需要の無さという、商業的に見て最大最悪の壁にぶち当たる事になった。

 爆弾の有効活用といえば、俺が思い付くのは岩盤破壊とビル破壊ぐらいだ。他に平和的利用があるか調べてみた。


 最初に出てきたのは、地形変更というか、大規模土木工事への利用だった。

 これは核爆弾を利用しての話だが、貯水池を作ったりするという話からパナマ運河の拡張まで、様々な用途が検討されていた。当たり前だけど、放射能の問題から実行された計画は非常に少なかった。


 自分たちに置き換えてみると、川の流れを変えるとか、どこか貯水池を作りたい時に爆弾を使えるだろうと思う訳だけど。


「……川、流れを変える必要はありますか?

 貯水池は必要ありません。現状のままでも水不足はないでしょう」

「お魚さんが住めなくなったら困りますねー」


 レーラ、ラルーニャ、共に否定的だ。

 レーラは農業担当なので水不足には敏感だと思うのだが、そのレーラすら現状のままで良いと言う。


「いえ、村長が『ウェット』を定期的に使うおかげで、農業用水に困る事はありませんよ」


 ……別方向からのツッコミを頂く事になった。

 作りすぎという、非常に情けない結果となってしまったのだ。


 ロクに検証もしていないし、生産者としては売るにも売れない。

 検証のためとはいえ、無駄打ちもしたくない。


 ちょっとしたジレンマである。





 このままでは出番が無い、死蔵されてしまう。そう思っていた爆弾。

 だけど、ちょっとした使い方が海で見付かった。



「セット完了!」

「カウンターボム、配置完了!」

「魚影、来ます!」

「よし、発破!!」


 海で、魚を獲るのに使われるようになった。

 爆発で魚を気絶させる漁法だ。


 ……日本では禁止されていたはずだが。



 爆発の影響はカウンターボム、メインの爆弾と自分たちの間に設置した、低威力の爆弾で相殺する。

 船の方もダンパー、転覆防止・振動抑制に使う装置で保護すれば、わりと大丈夫だ。


 ……相殺に失敗して、たまには横転するけど。



 爆弾で魚を獲るというのも、コスト的には大赤字である。

 だけど、爆発力の検証を含めて考えれば、そこまで無駄でもない。カウンターボムのいい練習にもなる。

 水中で爆破するのにはそこそこ面倒な手順が必要だったが、これはこれで良い経験になった。


 人間は創意工夫で進歩する。

 ちょっとした困難もまた、成長の糧となったのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ