嫁さん
「ラルーニャ、そろそろモフるのを止めなさい」
「もうちょっとだけー」
「駄目。ニワトリのストレスになる」
うちの嫁さん、名前は「ラウラ」という。意味は月桂樹。
ラルーニャは愛称で、恋人や嫁さん相手の呼び名になる。
略称だとラーラとかローリと言うんだけど。
正直、「短い名前のロシア語女性名」で選んだからそこまで深い意味は無い。
月桂樹だけに、トロフィー的な意味合いも無い。
ファティマの愛称なんか、ファーチュシュカとか、日本人になじみが無さすぎなんだよ。
ラルーニャもそこまでなじみがあるとは言えないけど、と言うか全然なじみなんて無いけどさ。短い分、まだ呼びやすいし。
俺にネーミングセンスを期待してはいけない。
で、そのラルーニャが畜産推しで家畜に拘ったのは、モフモフ好きという属性を持っていたから。
いいけどね、モフモフ。
でも、構いすぎると禿げるぞ。家畜って。
兎は寂しいと死んじゃうとか言うけどさ、逆に構いすぎるとストレスで死ぬんだ。あんまり構わないのが正解。
家畜好きはいいけど、自分の欲求をぶつけるんじゃなくてさ。ちゃんと大事にしろよ?
嫁さんの話は横に置く。
仕事はしているし。
モフっていても、モブ村民が働くし。
で、家畜の追加が終わって、しばらく「遊ぶ」ことにした。
ゲームなんだから何をやっても「遊ぶ」なんだけどさ。
シミュレーターが優秀だから、ゲームの進行と全く関係ない「遊び」もできるんだ。
具体的には。
「うーーみーー!!」
海で泳ぐことにした。
リアルで泳ぐことって、ほとんど無い。
海とかプールとか行くと人込みで疲れるし、水着女性の鑑賞でもなきゃ行く気にもならない。
だからリアルではあんまり泳がない。
だからこうやって誰も泳いでいない場所で好きに泳げるのは楽しい。
どこに行くのも自由で、どんなふうに泳いでも人に迷惑をかけない。
凄く、気分がいい。
惜しくらむは。
「旦那さまー、あんまり遠くまで行かないでくださいねー」
嫁さんは泳がない事。
水着が無いから海には入りません、と言われた。
水着はゲーム内通貨で買えるけど、始めたばかりの俺にそんな余裕はない。
それが貰えるクエストも無い。
そもそも、今は商人がいないからなーんにも買えない。
せっかくグラマラスな美女に設定したけど、水着回はお預けだ。
具体的な目標、先の楽しみがある。
そう思っておこう。




