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魔法の影響

 キャンプ地での実験は、地面を湿気らせるように『ウェット』を使う事でスライムが発生することが一回証明された。

 あとはこれが他の場所でも起こりうることなのかという検証と、魔法がどのように作用しているのかの解明が必要になる。


 他の場所でも検証するというのは特に変わった話でもないのでこちらは問題ないだろう。

 しかし、今回『ウェット』を使った事がどのような影響を与えてスライムを発生させたのかという「原因の解明」は大事だ。


 何故かと言うと、その原因次第では「魔法を使い続けることでスライムが発生する」可能性があり、言葉を変えると「村の中にいきなりスライムが現れる」ことに繋がりかねないのだ。



 少し考えてみたけど、俺が魔法を使う事で畑の中にある「スライムの素」とでも言うべき何かが触発されてスライムを生み出すのは、まぁ良いんだ。

 ここまでは確定情報だと思っている。


 ただ、それが「俺の魔法を吸収して」なのか、「俺の魔法を嫌がって」なのかでずいぶん話が違ってくる。



 「俺の魔法を嫌がって」ならいいんだ。

 俺が魔法を使い続けることでスライムの素が力を放出しているなら、これまで俺が畑で魔法を使い続けてもスライムが発生しない事と合わせて考えれば、俺の魔法はスライム発生を阻害すると思っていい。


 逆に「俺の魔法を吸収している」だと、かなり怖い。

 俺の魔法が少ない消費だからすぐに発生しないというだけで、もうしばらくしたら魔法を常設している家畜小屋などでモンスターが発生しかねない。

 使っている魔法は『ウィンド』なのでスライムではないだろうが、もし家畜小屋に大きな被害が出れば、ラルーニャが泣く。それは絶対に避けたい事態だ。


「ちょっと。それ、畑なら被害が出ても良いって考えじゃないでしょうか?

 私の扱いが軽すぎではありませんか?」


 いや、レーラの事を軽んじているという訳じゃないんだ。

 ただ、スライムは畑で出たっていう実績があるから、ね。



 レーラの懸念は横に置き、これを検証する手段として、2つの事をやろうと思う。


 一つは、村の近くにある畑でこれまで通りの頻度で魔法の水遣りをする。

 一つは、キャンプ地の畑で、村よりも間隔をあけつつ魔法の水遣りをする。


 二つの畑で、どちらが先にスライムを発生させるのかという実験だ。

 条件を完全に同じにするということはできないが、魔法がスライム発生に強く関わっている事が確定しているんだから、今回は魔法の条件をしっかりと変えて様子を見たい。



「……つまり、ときどきここに来るという事ですか。そうですか」

「嬉しそうだね?」

「違います!」


 俺の予定に、キャンプ地に来るというのが追加された。

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