スライムの発生条件・検証
俺はレーラの用意した、キャンプ地用の畑に来ていた。
「キャンプ地に畑?」と思わなくも無いけど、レーラはもともと畑の管理をメインにしたNPCだし、キャンプ地に畑があれば持っていく食料を減らすことが出来る。
割と合理的な考えに基づいて作られたものなのだ。
なお、畑としての質は低く、「食べられる野草が群生しているだけ」と言われても仕方のない出来らしい。
そこは完全に俺の手から離れているので、これまで魔法による水遣りなどしたことが無い。
と言うか、頼んだ後にここに来たこと自体が無い。
「たまには見に来て欲しいんですけどね」
レーラにチクリと嫌味を言われた。
しょうがないね。言った後放置と言うのは、完全な丸投げだ。部下に嫌われる上司の行動である。
「いえ、言い過ぎました。本当に来られてもしていただくことがありませんし、現状のまま、任せてくださればそれで構いません」
その辺の采配は、非常に難しい所でもあるんだけどね。
問題が起きた時に対応を決めるのが上司の仕事だ、って考えもあるわけだし。
それを放置と取るか信任と取るかは、部下とのコミュニケーション次第である。
そんなちょっとしたやり取りを挟みつつ、実験に移る。
「『ウェット』」
あの時と同じように、畑一面に魔法を使う。
畑は一瞬で多くの水分を含んだ状態になり、これで第一段階は終了だ。
スライムはすぐには出てこないだろうから、少しの間、待ちが発生する。
もっとも、ここに来てその日のうちに帰るということはできないので、一泊するから待ち時間はちゃんとあるんだけどね。
変化は、その日のうちに始まった。
「村長! スライムが出ました!」
「わかった! すぐに行く!!」
夜になり、みなが寝静まったころ。
見張りをしていた仲間がスライムの発生に気が付いた。
俺はすぐに起きてスライム退治に向かう。
「みんなでも戦える手段があればいいんだけど」
ゲームのイベントとは言え、俺だけが対応するというのは非効率極まりない。
何らかのフラグをクリアし、モブ村民でも戦えるようにするのがいいだろう。
今は手が出せないからそれを今後の目標の一つとし、スライム退治に専念する。
この日は、畑を犠牲にポーション5個分の素材とその他が手に入れた。




