携行保存食
「はぁ。なんで私なんですかね?」
「作物を育てる事と、育てやすい環境を作るのはレーラが一番詳しい。
なら、その逆も頼めないかなって思ったんだよ」
「ええ、ええ。分かりました。引き受けましょう。
はぁ」
俺の要請に、普段は畑担当のレーラはちょっと嫌そうに、だけど諦めた顔で諾と返した。
出されたクエストを並べて見ると、何から始めればいいかは明白だ。
最初に作るのは、道である。
キャンプ地を整備するにしても、そこまで人とモノを運ぶ道は必須。
携行保存食を開発するのは並行すればいいとしても、方向性を決めて、それから畑の作物を選びなおすぐらいである。レシピはネット任せだ。
なら、道を優先するのが分かりやすい。
道を作ると言っても、アスファルトで固めるような事はまだできない。
やる事は、木を切り倒し草を刈り取り、あとは踏み固める程度の事までだ。
レンガを敷くとか、そのレベルもまだ難しい。
今の俺たちにはそれだけでも大事業である。
道の方はレーラ任せ。
俺はネットで調べた携行保存食の方を受け持つ。
基本塩漬け、肉でも野菜でも、塩に漬けて水分抜いて。
発酵させるのもあるけど、そっちはすでにやっているけど、主食じゃあない。
「小麦そのままを持っていくのが一般的か?
いや、塩クッキーにしておく方が保存食としては正解か」
「甘いのは駄目ですか?」
「塩っ気の方が大事。と言うか、甘味の元が少なすぎる」
ラルーニャと話ながら進めていくけど、こっちはこっちでなかなか難しい。
クッキーを持っていくにしても、他に何を持っていくのかとか、そこまで考えないと意味が無い。
考えつくものは多いけど、単品ではなく一食として考えてみると、選別が面倒なのだ。
あと、実際に作れるかどうかの検証も。
「いっそ、乾麺に手を出すか……」
これも、時間がかかりそうな話であった。




