探検をしたい
「ちょっと行動範囲を広げよう」
「はい?」
「探検を、しようと思う」
俺が海にかまけている間も、開拓は進む。
ある程度開拓が進んで人口が増えた。
新しいNPC、建築用のキャラを追加し、より良い家造りをそっちに任せることが出来た。
まぁ、順調という事だ。
そうなると新しい事に手を出してみたくなるのが人情というもので、今度は森の中を探検したり、キャンプをしたりしてみたくなった。
ちょっと前にテレビでゆるキャン、緩いキャンプ特集をしていたのも関係している。
その時に「面白そう」と思ったわけだ。
移り気とか言われそうだけど、俺は効率を求めてゲームをしているわけではない。
ただ、遊びたいだけなのだ。
だからこそ、やってみたい事を我慢する必要は無いと思う。
開拓が進んでいく様子を見てニヤニヤするのも悪くないけど、興味を持ったいろんなことに手を出すのだって悪くない。
せっかく楽しめる環境があるんだし、様々な場所で遊び倒すのだって「効率の良い」やり方なのだ。
そんなわけで、まずは石切場にやって来た。
石切場は山の上で、遠くを見渡すのにちょうどいい。まずは「どこに向かうか」を決めたいと思う。
「おにいちゃん。わたし、あの木のところに行きたいな」
「あの木か。そうだな。あそこにするか」
現在位置から見て北の方、そちらに目を向けると、村の向こうの森の中にひときわ大きな木がある。
一本だけ100mとか、それぐらいありそうな巨木だ。凄く目立つ。
他の木の背が低いとは言わないが、頭一つどころか頭二つは背が高い。他は木の頭しか見えないのに、その木だけ幹の部分が見えているのだから、相当だ。
あんな木であれば、周辺の森にも手を出さず、きちんと保護しておきたいと思う。
ランドマークとか観光資源とか、そういう意味ではなく、自然に対する畏敬の念を込めて保護すべきと思っただけだ。
そんな大木をこの目で見てみたい。
その気持ちを胸に、俺はアセリアと他数名を連れて探検の計画を練るのだった。




