↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/183

地鶏

「わーい! モフモフー! くさーい!」

「駄目よ、アセリア! もっと優しく扱って!」

「それをお前が言うのか……」


 子供というのは、台風のようなものだ。

 予測不可能なところが多いし、大人の都合で制御できると思ってはいけない。

 こちらの予想を上回り、気が付いたらどこかに行っているという事が多い。


 幸い、この島にいる子供はアセリア一人だ。

 大人の目が行き届き、何とか大事には至っていないという有様だ。



 そんなお転婆(・・・)アセリアであるが、みんなの評判そのものはとても良い。


 子供がいるというのは本来は当たり前の話で、開拓村にはそういった余裕が無かっただけなのだ。

 だから子供が来ることが出来るようになった、アセリアがいるというのはモブ村民の感情に良いものを与え、村に活気が増したように感じられる。



 こいつら(モブ村民)、NPC用のAIの中でも、あまり良くない簡素なものを使っているはずなんだけどな。

 それでもなんとなく、生きているって気がしているよ。


 AI相手でも馬鹿な事をすれば人格評価が落ちるシステムになっているから、俺はモブ村民だろうと変な事はしない。

 でも、ゲームの中とは言えこうやって暮らしていると、別の理由で上手くやっていこうという気になる。


 人間、相手が本物か偽物かなんて、そこまで気にしていられないのだ。





 そして、そのアセリアが来て数日。

 ついにニワトリに変化が現れた。


「ねー。この子、ちょっと羽が黒いよ?」

「ほんとだ―。白以外が混じってるねー。これ、凄く珍しいよ」

「わたし、おねーちゃんに教えてくる!」


 変化があったのは森を中心に放し飼いをしていたニワトリ。


 森の日影があったからか、日に当たることが多かったから。

 涼しくしていたから。

 もっと単純に、島に適応しただけ。


 理由は定かではないが、新しい品種になったようである。



「本当ねー。よく見つけたわ。凄いねー」

「えへへー」


 ラルーニャの苦労が、ようやく報われ始めた。

 頑張ってきたラルーニャは本当に嬉しそうで、それを見たアセリアも満面の笑みを浮かべ、誇らしそうにしている。



 思えば小麦の方は早かった。

 ニワトリの方はその3倍コツコツやってきて、ようやく島に地鶏と言えるものができた。


 これでまた一つ、先に進む。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。