小麦の話
畑のレベルアップは土だけの問題じゃ無い。
天候・気候・風土に合わせた作物選びも本当じゃ大事なんだけど――
「あ。それは大丈夫ですよー」
普通に育てるだけなら作物選びは失敗しない仕様らしい。
育てるものがライ麦や小麦、水稲にジャガイモサツマイモと普通に聞く名前なんだけど、中身は別もののようだ。
もしもそれ以外を育てたいなら、相応のフラグ建築が要求される。
具体的にはガラスハウスとか、それに変わる何かを使った温室だ。
ここはゲームだ。
どこか別ゲーで聞く「スライム布」などの、ビニールに替わるアイテムがあっても不思議では無い。
頑張って探そう。
先はまだ長いんだし。
作物選びはともかく、季節ごとに育てる作物っていうのはだいたい決まっている。
小麦は年二回の収穫で、春と秋に蒔くものだ。
このあたりのように、雨の少ない地域で栽培される。
問題は、この小麦が古代種である事だ。
小麦の背の高さを意識した事はあまりないが、ここで育つ小麦は背の高さが1mを越えるのが当たり前。
気にしていなかったので、それが当たり前だと思っていた。
日本で育てられている小麦は、「小麦農林10号」という、60cm程度の背しか持たないものから派生した品種である。
名前から分かるとおり、日本人が開発した品種だ。
なぜかアメリカ人がこの小麦農林10号でノーベル賞を取っているんだけど。世に広めたのはアメリカだからだとか。解せぬ。
ノーベル賞云々は横に置き、作物の背が低いというのはとても良い事だ。
背が高ければそれを支える茎はより太くあらねばならず、穂が豊かに実れば倒れてしまう事もしばしば。
小麦農林10号は背が低く骨太な日本人のような小麦として、従来品種の数倍の収穫が見込める。
ゆえに小麦農林10号は小麦界の救世主であり、“緑の革命”などとまで呼ばれた。
欠点は病気に弱い事だけど、そこは品種改良でどうにかなったらしい。
食べ物の中でも特に重要なのは穀物だ。
畑レベルが低くてもなんとかなるのはトウモロコシと小麦ぐらいで、まずは小麦をどうにかしたい。
でも……品種改良って、どうやるんだ?




