素人農業
畑の改良っていうのは、超が付くほど簡単だ。
だって、今の畑は問題しかない。
「石を拾ってー、岩をどかしてー、雑草抜いてー。
いや、木こりやってた方が楽だな、おい」
「頑張ってね~」
日本の、ちゃんとした畑と比べられる状態にない、島の畑。
石ころが多く、土は固く、雑草が多い。
畑の形も問題で、平らじゃないし、形が歪だ。四角形じゃない。
つまり、だ。
素人目に見ても改善点がよく分かる。
むしろどこから手を付けようかという話。
「これさ。俺が言わなくても、直せるところはいっぱいあるよね」
「あらあら、そうなんですか?」
「そうなんですか、って――あ。」
ちょっと思い出した事。
NPCは万能ではないという設定。
ラルーニャが専門にしているのは、畜産関係っぽい。
つまり。
「この島、農業っていうか、畑関連は全員素人って事か……」
「はいー」
もしかしたら、スキップした初期イベントの中で説明されていたかもしれない。
うん。やりすぎた。
チュートリアルでカブがアウトとか、専門家っぽいところを見せていたので油断したよ。
あれはチュートリアルの補正でも入っていたんだろう。
つまり、ラルーニャは農業に対し、あまりまともな指導ができないわけだ。
モブ村民は言わずもがな。彼らのスペックは指導者たるNPCに準ずる。ラルーニャがショボければ、彼らもショボい結果しか出せない。
彼女もそのうち成長するが、それを待つのもなー。
俺の農業知識なんて、テレビの特集で観たものぐらい。
畑を持っていないのは当たり前。家庭菜園とかプランターすらやった事がない。
学校で朝顔とかを育てたぐらいだ。
このゲームはリアル知識を持ち込める仕様になっている。
だから経験を積ませて自分を含めキャラ事のスキルレベルを上げるだけではなく、知識持ち込みでスキルレベル以上の効率を見込める。
今度のログインまでに、ちょっと調べてくるか。
ネット知識でも無いよりはマシだ。
それと、次のNPCは農業系で決まりだな。
農業系の専門家は絶対に必要。
凄く当たり前の話だった。




