ゲーム内宗教③
神殿建立は町の改造と並行して行われた。
神殿建立は下手をすると、町そのものよりもみんな気合いを入れて頑張っていた。
俺と違い、信仰心に溢れているのだろう。
町の方に手を抜かなければ、俺から言うべき事は何も無いはずだけど、それでも少しもやっとした。
神殿と言われると、十二星座をモチーフにした某アニメの影響か、パルテノン神殿を最初に思い浮かべる。
円柱がいくつも立っている、あれだ。
こちらの世界の神殿も、基本構造は全く同じ。
土台となる部分を作り、外周に円柱を立て、その内側に箱形の内部構造を並べて置く。
内部は大きく3つに区切られ、関係者専用の部屋と、集会場と、祭壇である。倉庫代わりの地下室もあるが、そこは横に置く。
並びとしては、スタッフルーム、祭壇、集会場と続いている。
集会場は、ここだけで1000人を収容できる広さを持っていて欲しかったが、実際に入るとギュウギュウ詰めになるね。
広さはバスケコート二面分の体育館と同じぐらいで、本当にいざって時の避難所として使えるかと聞くと、けっこう微妙。何人かは、壁のない外に追い出さないと厳しい。
祭壇は、ガチで宗教施設になる。
建物の中だけど、平屋だけど、祭壇は階段を上って2mほどの高さに設けられた。
周りを見下ろす為に、人の頭の高さより上が望ましいと、こうなった。
祭壇には豪奢な装飾が施されているけど、そのあたりは全部神殿持ち。俺に任せ質素になっては神様に失礼だと、本土の神殿が頑張った。
スタッフルームは、神殿を任される神殿の長や高位の神官達の居住区。位の低い神官達や世話役達は外から通う事になっている。
他にも催事で使うものなどを保管する宝物庫などもあるが、こちらもやはり、俺は何も口を挟んでいない。
一度だけ足を踏み入れたとき、低く感じる天井が気になったけど、口は挟まない。俺には関係ないので。
思った事は、天井が高すぎて空調が効きにくいなって所と、ガラス窓が少ないので昼でも薄暗く、灯りが必要な点。
空調は、まぁ、いい。
島の気候は温暖で、寒さを感じる事はほぼない。
人が密集したときに関しては非常事態だし、そこまで口うるさく言う奴も居ないだろう。
灯りの方は、わりと困る。
この場合、灯りとは魔法などで無ければ火を使う。火事が怖い。
なので、防火関連の設備を充実させる事を要請した。
多少の援助は、こちらもする。
火事の危険性についても、神殿関係者にとっては分かりきった話である。
彼らは同じような神殿をいくつも持っているのだから。
だから、彼らは俺に笑ってこう説明した。
「早く、水の魔法が特異なものを育成しましょう。それで町長様の不安を取り除きます」
……なんですと?




