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キャラメイクに失敗して幼女になった僕は、いつの間にか最凶ギルドのマスターに!?  作者: 向原 行人
第4章 幼女護衛ギルド設立

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第37話 最凶ギルド

 ピンクのスライムから放たれる紅い光が僕を照らす。

 嫌だっ! 渚の身体で、エッチな写真を撮らせるなんて、絶対に嫌だっ!

 僕は心の中で必死に拒絶して……何も起こらなかった。

 あれ? 抵抗すれば回避出来るのだろうか?


「んん? 何故だ? ロクブケイのチャームは成功率百パーセントのはずなのに……ロクブケイ、もう一度チャームだっ!」


 ピンクのスライムが再び紅く光る。

 今度は、普通にしていたのだけれど、やっぱり何も起こらない。


「どうしてだっ!? チャームは使用者の異性を、必ず魅了状態にするのにっ!」

「……あの、そのピンクのスライム。実はメスじゃないんですか?」


――ピシッ


 クマヨシの表情を凍りつかせる。

 スライムの性別なんて知らないし、そもそも性別なんて無いかもしれない。

 だけど、外見は幼女でも中身が男だからなのか、それとも低年齢モードによる補助なのか、魅了効果は全く効かなかった。

 とにかく、この機会を逃す訳にはいかない。

 大量にスライムが居るし、ログアウトは無理。出口は扉が一つあるけれど……ドアノブがない!? まさか今回のために、わざわざ中から開けられない扉を作ったの!?

 アイテムは何か使える物がないだろうか。

 ステータスウインドウのアイテム欄を急ぎながらも、慎重にチェックして……あった。

 しかし、平日のお昼過ぎという時間と、僕の日頃の行いが結果に左右するアイテムだ。正直、どれだけの効果になるかは使ってみないと分からない。

 でも、今はこれに賭けるしかないっ!

 僕は、そのアイテムを使い、直後に大声で叫ぶ。


「お願いっ! 誰か、助けてっ!」


『レスキューコールを使用しました。残り使用回数は1回です』


 使用後のシステムメッセージが表示され、そして僕の声でクマヨシが我に返る。


「ツバサちゃん!? 一体、何をして……」


 凍りついた表情から一変し、怒りの表情を浮かべたクマヨシだけど、その言葉が途中で遮られた。


「ツバサちゃん!? どうしたの!? 普段はこんな時間からログインしていないのに」

「ツバサちゃん? 何かあったの!? お兄ちゃんが助けに来たよ!」

「おい、誰がツバサちゃんのお兄ちゃんだっ! さぁ、パパが助けてあげるよ」


 天使護衛団ギルドのメンバーだけでなく、聖母の癒しギルドのメンバーや、一度か二度程、すれ違った事があるような気がする人まで、沢山の人が現れる。


「お、おいっ! 何だ、お前らっ! 俺様とツバサちゃんの二人っきりの時間を邪魔するなっ!」

「お願い、皆助けてっ! 僕、クマヨシってオジサンにエッチな事をされそうなんだっ!」


 クマヨシが叫んだ直後に、負けじと僕も大声を上げると、


「あぁぁぁんっ!? てめぇ! ツバサちゃんにエッチな事だとっ!? 死にたいらしいなっ!」

「おい、何だこの床一面のネバネバした半透明の液体はっ! これを使って、ツバサちゃんに何をする気だったんだぁぁぁっ!」

「というか、どうしてツバサちゃんがスク水……って、思い出したっ! こいつ、前にツバサちゃんに抱きついた奴だっ!」


 家中に黒いオーラが立ち昇った。多分だけど、これが殺意という奴なのだろう。

 その中で一人、見覚えのあるギルドメンバー――クルセイダーのベアートゥスさんが冷静な声を上げる。


「まぁまぁ、ちょっと待てよ。ツバサちゃんにエッチな事? いいじゃないか。俺も、エッチなツバサちゃんを是非みたい。どうだ? うちのギルドへ来ないか? ツバサちゃんと同じギルドだぜ」

「おっ!? アンタ、話が分かるじゃないか。是非とも頼むよ」


『クマヨシがギルドに加盟しました』


 ベアートゥスさんがギルド加盟申請を出したらしく、クマヨシが僕たちのギルドへ加盟してしまった。


「え? ちょ、ちょっとベアートゥスさん!?」

「まぁまぁ、待ってくれ。さて、他に俺たち天使護衛団ギルドに入って居ない奴は居ないか? もしくは、同盟ギルドの聖母の癒しギルド。せっかくだから、この機会にどちらかへ入ってくれよ」

「あ、俺もツバサちゃんギルドへ入りたいっス」


 どこかで聞いた事のある声が聞こえてきたけれど、とにかくここに集まった全員が、天使護衛団ギルドか聖母の癒しギルドに加盟したらしい。

 けど、クマヨシがギルドメンバーだなんて嫌だ! 今度は何をされるか分かったものじゃない。

 そして、僕の不安そうな顔を見たのか、ベアートゥスさんがウインクを一つ。


「じゃあ、皆準備は良いな? ……では、今から、このクマヨシのタコ殴り大会を始めるっ! 同じギルドか同盟ギルドならば、殴ってもペナルティは無い。ツバサちゃんを怖がらせたこいつを、全員血祭にあげろっ!」

「うぉぉぉっ! 死にさらせぇぇぇっ!」

「ツバサちゃんの心の痛みは俺たちの痛みっ! これはツバサちゃんの分っ!」


 クマヨシはレベル80オーバーと、かなり強キャラなのだけれど、ここには最凶ギルドと最強ギルドのメンバーが居る。

 そして何よりも圧倒的な数の違い。

 クマヨシの生命力が無駄に高く、延々とサンドバック状態が続いたけれど、残りの生命力が一桁になった所で、


「ヅバザぢゃん……ずびばぜんでじだ」

「……もう、絶対にこんな事はしないでくださいね」

「はい。ごべんなざい」


 皆に無理矢理土下座させられたクマヨシが謝罪してきた。


「分かったな!? 二度とツバサちゃんにちょっかいを掛けるんじゃねぇぞっ!」


 ベアートゥスさんがそう言った直後、容赦なくクマヨシに止めを刺し、その姿が掻き消える。


「おし! 次は、このツバサちゃんが苦しめられた家を破壊だっ! いくぞ、野郎共っ!」

「おぅっ! ツバサちゃんが悲しむ物は、全て消去だっ!」

「ツバサちゃーんっ! これが終わったら、ぎゅーって抱きしめてあげる……じょ、冗談っス。いや、皆ガチで怖いっス」


 前衛職ばかりが集まったからか、あっという間に家が破壊され、更地となった。

 そして、すぐさまベアートゥスさんがクマヨシをギルドから除名する。


「ツバサちゃんは、もっと守りに気を使わないとな。スライムが沢山いたし、大方麻痺とか眠りとかの状態異常を受けたんだろ?」

「ツバサちゃん。だったら、これを受け取って。一見、ただの体操服とブルマだけど、麻痺の耐性が大きくアップするんだよ」

「ツバサちゃん。そんなマニアックな服は着ちゃダメだ。やっぱり、ここはレオタードが一番だよ。今回用意した、白のレオタードは混乱耐性があるからね」


 クマヨシにはかなり驚かされたけれど、いつも通り、それぞれの趣味全開の衣装がすぐ出てくるギルドメンバーにも驚かされる。

 今回の事件が再びネット上で話題となり、幼女に何かあると容赦が無いギルドだと、最凶ギルドの名が更に広まる事になったのだった。



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