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キャラメイクに失敗して幼女になった僕は、いつの間にか最凶ギルドのマスターに!?  作者: 向原 行人
第4章 幼女護衛ギルド設立

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第29話 変装マント

「ダンサー!? ツバサちゃんがダンサーになるって!?」

「ツバサちゃんが踊るの!? マジで!? うぉぉぉっ! カメラを! カメラを持てぇいっ!」

「ちょっと今から課金してくる」


 ダンサーの転職条件を満たしたと呟いただけなのに、皆がお祭り状態になってしまった。


「待って! 僕はミンストレルになるつもりだってば」

「ツバサちゃんのダンサー転職記念だぁぁぁっ! 宴を始めるぞぉぉぉっ!」

「皆、話を聞いてーっ! 僕はダンサーじゃなくて、ミンストレルになりたいの!」

「えぇぇぇーっ! ツバサちゃん。ダンサーの方が絶対に良いよ。特に今のGvGの相手を考えると尚更。弱体化を使って相手の防御力を下げるだけで、この戦いは大きく変わるよ」


 コージィさんの言う通り、ダンサーの踊りによる弱体化スキルは強力で、確かに防御重視の相手を切り崩す事も出来る。

 だけど、だからといって、渚の身体を使って人前で踊りを踊るだなんて、兄としてどうなのだろうか。


「そ、そもそも、僕はどうしてダンサーの転職条件を満たしたのかも分からないのだけど」

「えっと、確かダンサーの転職条件って、三十人以上から一斉に見られる事だっけ? ギルドマスターとしてGvGに出れば、そんなの一発で達成出来そうだけどね」

「……あ、さっきの二回戦でスナイパーにやられた時かな? 一回戦はずっと隠れていたから」


 言われてみれば、スナイパーから攻撃を受ける直前、一瞬システムメッセージが表示されたっけ。

 その後、すぐに戦闘不能のシステムメッセージに上書きされちゃったけど。


「ツバサちゃん。さっきはスナイパーから守る事が出来なかったけど、次は全力でツバサちゃんを守る。何が何でも守る。だけど、相手がスナイパーである以上、どこから攻撃を仕掛けてくるかが分からないんだ。不意を突かれてしまう事を考慮すると、ツバサちゃんが二次クラスになってくれた方が、より安全になるんだ」

「それは、二次クラスの方が生命力も防御力も上がるからだよね?」

「その通り。それにバード系統のスキルだって、一次クラスよりも二次クラスの方が効果が高いからね」


 それは分かっている。以前、川のダンジョンで出会ったミンストレルの育代さんが使ってくれた支援スキルの効果は絶大だった。

 今から僕がミンストレルになろうと思うと、三時間も掛かってしまう。それでは次のGvGには間に合わない。

 そして、今回のGvGは次の戦いで負けてしまうと完全に敗退となる。

 明日、改めて日曜日のGvGに出れば良いのかもしれないけれど、せっかく皆の士気が高いのに、それを壊したくは無い。

 何より、このギルドで初めて参加したGvGなんだ。そこで、出来る手を全て使わずに敗退なんてしたくはない。


「ツバサちゃん。ツバサちゃんはどうしてミンストレルになりたいのかな?」

「それは……ミンストレルになりたいというより、ダンサーになりたくないと言う方が正しいかもです」

「ダンサーになりたくない? どうして? 弱体化スキルは凄く効果的なのに?」

「そうかもしれませんが、その……僕、ダンスが得意じゃないし、それと……肌の露出とか……」

「ダンススキルは歌スキルと同じで、スキルを発動すれば勝手に身体が動くよ。だけど、肌の露出か……」


 声を掛けてくれたシュタインさんが、肌の露出問題について悩みだす。

 やはりダンサーというクラスは、元より肌の露出が多い仕様なのだろう。

 答えが出ないまま、時間だけが過ぎるのかと思ってしまった時、意外な人が声を上げた。


「あ、それなら、良いアイテムを知っているぜ。ちょっと待ってて」


 クルセイダーのベアートゥスさんが口を開き、そして斜め上を見上げたまま固まる。

 おそらく、ステータスウインドウを操作しているのだろう。少しした後、


「よし、ツバサちゃん。これを使って」


『変装マントを受け取った』


 ベアートゥスさんから聞いた事の無いアイテムを貰った。


「あの、これは?」

「そのアイテムを使用していると、プレイヤーの見た目をデフォルト状態にしてくれるんだ」

「デフォルトって?」

「あー、簡単に言うと、実際はどんな服を着ていても、各クラスに設定された初期装備の見た目になるんだよ。具体的に言うと、もの凄く強い鎧を装備していても、周りには弱そうな装備に見せかける事が出来るんだ」

「へー。つまり、これを使っている間は、僕がどれだけ露出の高い服を着ていたとしても、周りからはダンサーの標準服を着ているように見えるって事なんですね?」

「その通りさ。PvPなんかで、相手を油断させる時に使うアイテムなんだ。しかも、相手から受けたダメージを一度だけ無効にしてくれるおまけ付き。これなら、ツバサちゃんも恥ずかしくないんじゃないかな?」


 なるほど。それなら、ダンサーになっても良いかな。

 しかも、攻撃を防いでくれるなんて、めちゃくちゃ良いじゃないか。


「お、おい。お前、今ツバサちゃんに渡したのって、もしかして変装マントか? あれって、結構高いんじゃないのか?」

「あぁ。まぁでも、ツバサちゃんの為だなら、これくらい大した事ないさ」

「待て、お前ら。今の説明が変装マントの事を言っているのだとしたら、その効果はミスリード……むぐっ」


 シュタインさんは僕の、いや渚の身体を見たいからか、変装マントの使用を止めようとしたのかな? 他の人に口を塞がれちゃったけど。

 せっかくベアートゥスさんが、肌の露出とかを気にせず、僕の安全を高めようとしてくれているのに……もぉっ!


「分かりました。僕、ダンサーになります!」

「おぉっ! そうか、良かったよ。俺も変装マントを購入した甲斐があったってものだよ」

「え? これ、今購入されたんですか?」

「まぁね。ツバサちゃんは年齢制限があるから表示されていないかもしれないけれど、一般プレイヤーはステータスウインドウから課金アイテムを購入出来るんだよ」


 さっきベアートゥスさんがじっと動かなかったのは、このアイテムを購入していたからなのか。

 さて、じゃあ僕もステータスウインドウから二次クラスに転職しよう。

 ステータスウインドウの二次クラスメニューを選択して、ダンサーのサブメニューを選択する。


『ダンサーに転職しますか?』


 先程も見たシステムメッセージに「はい」を応答すると、視界が一瞬白く輝き、


『ダンサーに転職しました。

 踊りスキルが解放されました。

 片手剣が装備可能となりました。

 扇が装備可能となりました。

 クラス補正により、生命力、敏捷性、幸運値が上昇しました』


 ファンファーレの音と共に、システムメッセージが表示された。


「おぉー! ツバサちゃん、おめでとーっ!」

「おめでとうっ! ツバサちゃん、これプレゼントだよっ!」

「あぁっ! ずるいぞっ! じゃあ、俺も! これ、二次クラスへの転職のお祝いだよっ!」


 皆がお祝いしてくれるのだけれど、それと共にいろんなアイテムが渡される。


『踊り子の服+5を受け取った』

『ピンクのレオタード+3を受け取った』

『リコーダー+9を受け取った』

『小悪魔の下着(上)を受け取った』

『小悪魔の下着(下)を受け取った』


……


 多過ぎて途中から訳が分からなくなってしまったけれど……上下お揃いで下着を渡して来たのは誰っ!? 流石に引くよっ!

 皆の趣味が良く分かるアイテムを沢山渡され、僕は心の中で叫んだのだった。

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