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キャラメイクに失敗して幼女になった僕は、いつの間にか最凶ギルドのマスターに!?  作者: 向原 行人
第4章 幼女護衛ギルド設立

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第18話 ギルド設立

「それだっ! ツバサちゃんギルド! あんた、冴えてるよ!」

「おぉぉぉっ! ツバサちゃんと同じギルド! 入る! 俺は入るぞっ!」

「ギルマスが幼女……幼女を護り、幼女に命令され、幼女と共に成長する。素晴らしいっ!」


 シュタインさんの言葉に、周りの人たちが熱の籠った声で賛同していく。


「ツバサ! ツバサ! ツバサ!」


 今度は、僕の名前を一斉にコールし始めたよっ!

 どうすればこの状況から逃れ、今まで通りVRゲームを楽しめるのだろうかと考えていると、


「ツバサちゃんがギルドマスター。ツバサちゃんのためのギルド。崇められるツバサちゃん……」


 僕のすぐ傍でアオイが何故か嬉しそうに呟いている。

 アオイも賛成なのっ!?

 でも同じギルドにいれば、アオイがログインしているかしていなかがすぐ分かるし、一緒に狩りへ行ったりもし易くなる。

 それに、GvG――ユーザーギルド同士の戦いでしか得られないアイテムもあったりするから、ギルド設立自体は悪くはないのだけれど、でも僕がマスター――代表だなんて。


「あ、あの。僕には、ギルドマスターなんて、無理だと思うんです」


 相変わらずアオイに抱きしめられたままだけど、何とか皆に――特にシュタインさんへ向かって口を開くと、


「大丈夫! ギルドマスターと言っても、ツバサちゃんは何もしなくて大丈夫だよ。ギルド運営は俺たちでやるからさ。何と言ってもツバサちゃんは、居てくれるだけで皆の心を明るく照らす、癒しの存在だから」


 よく分からない言葉が返ってきた。

 僕は何もしていないし、ここに居る半分くらいの人とは、言葉すら交わして居ないんだよ?


「俺、ツバサちゃんを近くで見られただけで、明日も頑張ろうって思えるんだ」

「俺も俺も。ツバサちゃんを見るために、仕事を頑張ってる感はあるよね」

「ツバサちゃんの姿が見られなくなったら、月曜なんて絶望しかないよな」


 ここに集まっている人たちは、数人を除けばほとんどが中年のオジサンだ。

 僕の姿を見るだけで、日本の企業を支えるビジネスマンたちが頑張れるというのなら……いや、でも……。


「ツバサちゃん。ツバサちゃんと一緒に活動出来るというだけで、この世界でも、そして現実に戻っても、皆の活力になるんだ。どうか、僕たちのギルドマスターになってくれないかな」


 少し離れた場所に居るシュタインさんが、深々と頭を下げると、


「お願いします! ツバサちゃんと一緒に居たいんだっ!」

「ツバサちゃん! 俺たちを助けてっ!」

「ツバサ様っ! どうか俺たちに慈悲をっ!」


 集まったオジサンたちが皆で一斉に地面に頭を擦り付けようとする。これではまるで土下座……いや、違う! これは……


『お願いしますっ!』


 頭を下げてからの、前方への跳躍。一糸乱れぬ、ジャンピング土下座が披露された。

 何故かオジサンの中に何故かコージィさんも混ざって居たりするけれど……しかし、ここまでして癒しを求める程、お仕事って大変なの!?

 だけど、僕は渚の姿をしているものの、中身は男子中学生だ。何だか騙してしまっているみたいで申し訳ない。

 皆が頭を下げる中、何も言えずに居ると、アオイがギュッと僕を抱きしめてきた。

 後ろを向いてアオイの顔を見上げると、静かにコクンと頷き、


「大丈夫。ツバサちゃんには私がついているから。何があっても絶対に護ってあげるからね」


 再び僕の顔に胸を押し付けてくる。

 あー、これはもう、ギルドマスターになるか、このゲームを辞めるかの二択しかない気がしてきたよ。だったら、僕は……


「え、えっと。大した事は出来ないけれど、僕が皆のお役に立てるのなら……ギルドマスターになります」


 言った! 言ってしまった!

 その直後、一斉に雄叫びの様な歓喜の声に包まれる。


「ツバサちゃんギルドの誕生だぁぁぁっ!」

「祭だ、祭りだ!」

「小学生女児に話しかけても通報されないぞーっ!」


 一部喜び方がおかしい人も居るけれど、これで皆が楽しくゲームを出来るのなら、それで良いと思う。

 ギルドメンバー同士だと、万が一変な事をされたとしても、パーティメンバーとは違って普通にペナルティがあるし、その人はギルドから除名されるはずだしね。

 うん、きっと大丈夫なはずだ。


「ツバサちゃん、ありがとう。じゃあ、ツバサちゃんがギルドマスターだけど、何か希望のギルド名はあるかな?」

「えっ!? と、特に無いです」

「なるほど。じゃあ、少し待っていて。時間も勿体無いし、十分で決めよう」


 シュタインさんが進行役となり、ギルド名について、皆の意見を纏めていく。


「赤いランドセルのツバサ」

「紳士の嗜み」

「まったく、ツバサちゃんは最高だぜ!!」


 一部、完全にアウトな名前も挙がっていたけれど、


「では、名前は『天使護衛団』に決まりという事で」


 オジサン達が大多数だからだあろうか。

 結構……いや、かなり痛々しいギルド名に決定した。とはいえ、最初に僕がギルド名を任せてた以上、何も言う権利はないのだけどさ。


「むー。どうして、私の考えた『ツバサちゃんと愉快な仲間達』はダメだったのかしら」


 アオイが口を尖らせているけれど、無難というか、ありがちと言うか。

 とりあえず、ギルド名に僕の名前を入れるのは勘弁して欲しかったので、助かったけれど。


「では、早速ユーザーギルド『天使護衛団』を設立しよう」


 そう言ってシュタインさんが立ち上がった所で、何かに気付いたようにコージィさんが口を開く。


「あれ? 確か、ユーザーギルドの設立って、課金アイテムが必要じゃなかったっけ?」

「大丈夫だ。既に準備してある」


 は、早いね。もしかして、もっと前からギルドの設立を考えていたの!?

 何事も無かったかのようにシュタインさんが冒険者ギルドの受付に行き、お姉さんと暫く話し込んだかと思うと、突然僕を呼び出す。


「ツバサちゃん、ちょっと来てくれないか? このユーザーギルド設立の書類にサインをして欲しいんだ」


 差し出された紙には、細かい字でびっしりと条項? みたいな事が書かれていて……うん、こんなの読めないよ。

 一先ず、一番下にある署名欄に『ツバサ』と記す。


「はい、これで大丈夫です。これをもって、ユーザーギルド『天使護衛団』が正式に設立されました」


 冒険者ギルドのお姉さんがそう言った直後、


『天使護衛団のギルドマスターになりました』


 と、いつものようにメッセージが表示されたのだった。

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