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悪役令嬢の魂が純粋なヒロインの中に入ったんだけど、悪役魂と主人公補正がせめぎ合ってる

作者: ライム

最近、悪役令嬢にいい人が転生する話多いじゃないですか。ですから、アンチテーゼで、ヒロインに悪役令嬢を転生させてみました。

 わたくし、リリアナ・カルッチョルトフェルベルリアナクァトローダは、伯爵の第二子……


 上にはテライケメンのお兄様、下には将来有望な美ショタの弟がおりましてよ。


 オーホッホ! およしになって! そんなに褒められたらわたくし照れてしまいますわ!


 まぁ、とぉーぜん! そんな美少年の中の子である、わたくしも漏れずにカルッチョルトフェルベルリアナクァトローダ伯爵家の血を色濃く継いでおりましてよ!


 えぇ、つい最近までは、花の王都にある学院でも、最も美しいと言われてまいりましたわ!


 さ い き ん ま で は ねッッッ‼︎‼︎‼︎


 えぇっ! あのコンチクショウな異世界から召喚されたとかいうチョロインが現れるまではね!


 まぁ、まぁ、彼女の快進撃は凄まじいものでしたわ。


 まず最初に毒牙に掛かったのは、わたくしのお兄様でしたわ!


 あぁ! お兄様! いつもいつもワガママばっかり言っていたわたくしをゴミのように見下して、冷たい態度だったお兄様!


 まさかあんな平凡平坦塩顔女ごときに落されるなんて!


 そして次に引っ掛けられたのは、彼女を召喚した大神官青年でしたわ……


 その神に愛されてるとしか思えない類稀なる美貌で次々と女を食ってたあいつならあのチョロインに媚びようと勝手にしとけ、て感じですわ。


 そして、なんとガチムチ近衛体調や、スリキン腹黒執事など、名だたるイケメンたちを次々と落としていきましたのよ!


 私はこりゃいかんと思って、対チョロイン連盟の旗印となって戦うことを決意しましたわ……


 なんたって、その中には、このわたくしリリアナ・カルッチョルトフェルベルリアナクァトローダの婚約者である、第二王子であるアルフ様もいらしたのよ!


 ムギィィィ‼︎ 今思い出しても腹が立ちますわ! あのチョロイン!


 何が、「わたし、リリアナ様とお友達になりたいんです」よ!


 見え透いた嘘なんかいらなくってよ!


 でも何よりムカつくのは、それをあしらった後の、アルフ様の言葉ですわ!


 「おいカルッチョルトフェルベルリアナクァトローダ! なんて態度をとるんだ! 謝れ!」


 ムギィィィ! 貴族が、異世界のものといえど高々平民なんぞには頭は下げられませんわ!


 



 まあ、それでなんやかんや有って、わたしはアルフ様に死刑を言い渡されて処刑されてしまったのですわ!


 ふん! カルッチョルトフェルベルリアナクァトローダ伯爵の淑女たるわたくしの処刑が見たいとは卑しい野次馬どもでしたわ!


 ただ……末期に祈ったのは……







 イケメンなんて! コリッゴリですわ!!!!









 そして……彼女は蘇る。自身の生き様が一つのギャルゲーであった、リアルの世界へと……


 そして、彼女の忌み嫌った、チョロイン役へと……!







 これは! 悪役令嬢の魂を持ちながら、乙女ゲーの主人公のようなチョロインに生まれ変わってしまった、波乱万丈、矛盾マルケのハートフルストーリーである!








 「よ、春花(はるか)! 今日も一人で登校かよ?」


 わたくしが、我が高校、桜ヶ丘スーパー高等学校へと足を運んでいる最中、チャリに乗った青年が声をかけてきました。


 でも! 無視ですわ! 無視!


 なんたって……!


 「おーい! 無視かよぉ〜! 変わらず冷たい幼馴染だなぁ!」


 このわたくしの幼馴染だという青年は顔面が秀麗すギルのですわ!


 こんなのならばハゲデバネズミみたいな顔の、隣の席の田中くんに告白された方がマシですわ!


 「おーい! 春花ぁ!」









 「ふっ……おもしろい。生徒会長でイケメンでお金持ちのオレに逆らうとはいい度胸だな……」


 わたくしは今、廊下でチンピラに絡まれていましてよ。誰かは説明不要でございますわね。


 「何度言われましても交際はお断りしますわ。それに、退いていただけませんと、次の授業に間に合いませんので」


 なんか、周りが会長に逆らったのどうだのと騒いでいますが無視ですわ! 無視。


 すると、なんと会長がわたくしの顎を持ち上げて、無理やりに上向きにして、目を合わせられましたの。


 思わず美しいますが瞳とかち合いますわ。


 「今まで俺にこうされて喜ばない女はいなかった……」


 ムカついたのでそのまま頭突きかまして差し上げましたわ。








 「デュフwwwそれでね、春花さんwwwwwwビデオが壊れてて録画ができなかったんだwwwwコポォ」


 「まぁ、田中くんたら、おっちょこちょいですのね」


 やっぱり、田中くんが一番落ち着きましてよ。何やらイケメン率の高いこの高校での唯一の癒しですわ!


 「あら、ごめんなさい……お手洗いに行かなくてわ……」







 席を立ったわたくしは、全く気がつかなかった……



 「春花さん……君になら、僕の本当の姿を……」


 なんてつぶやいていることを。

今度は、一般人に転生した悪役令嬢が、ヒロインとイケメンをあらそう話でもいいかもしれないですね


続き書いてみました→http://ncode.syosetu.com/n8889ct/

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― 新着の感想 ―
[良い点] リリアナ・カルッチョルト(略)様の使用するワードの勢いが、熱いです…!悪役令嬢ですが、全然嫌いになれません(笑) 個人的には、アルフ様の、謝れ、のくだりが結構好きです。そっちで呼ぶんだ!?…
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