第1話、死にたい僕と交通事故
初めまして、はやおです。
初作品につき至らぬ点が多々あると思いますが、何卒よろしくお願いします。
ーーー死にたい。
いつからだろう、僕がこんな風に考えるようになったのは。
覚えているのは小さい頃に気がつけばそう考えるようになり、その考えをズルズルと引きずりながら高校生となったのがこの僕浅川 優である。
特に不自由な生活を送っているわけでもないし、何か深く思い詰めるようなこともない。なのにとにかく死にたい。
漠然とその考えに取り憑かれている自分に嫌気が差してまた死にたくなる。負の連鎖だ。
「はぁ〜、入学式めんどくさいな。」
そう僕は今日から高校生になる。家族に高校には行くように強く言われていて元々成績は良い方だったとはいえ、まさか有名大学や大企業などの将来が絶対的に約束されると言われる、超が付くほどのエリート校である『県立来春高等学校』に僕が合格するとは思ってもいなかった。
「絶対に場違いだろ、僕、、、」
何度も言うが、僕は死にたいと常日頃から考える異常者であり、決して有名大学だの大企業だのに一切の興味がないのだ。だがいくら死にたいと願おうと都合よく死ねることなどないのだ。
そんなに死にたいなら自殺すればいいだろと思う人もいるだろうが、自殺は論外である。
そもそも自殺には色々と問題がある。まず今までにそれを実行しようとしても中学までに何度か自殺しようと考えたが、家族がいる為、実行は難しく家の外でしようとしても僕の実家の周りは田舎なので近所のおばちゃんなどの老人達のコミュニティがあってどこに行っても知り合いだらけの為自殺できず、さらに僕は高校に通うために学校の近くのアパートを借りて一人暮らしをすることになったのだが、アパートなどで自殺すると事故物件を作ったりした場合、迷惑料などで遺族にあたる家族が賠償させられるので迷惑をかけてしまうらしい。なので僕は断念したのである。そこから僕の目標は自殺ではなく外的要因で死ぬようにしたいのである。
どんな風に外的要因で死ぬのか妄想しつつ僕は制服に着替え朝食を食べ終える。そしてカバンを持ち、靴に履き替えイヤホンを両耳に装着しお気に入りの曲をかけ出発の準備をする。
「いってきます。」
誰もいない部屋に僕は挨拶をし、アパートを後にする。
アパートを出てからしばらく歩いていると交差点が見えてくる。赤信号だったので待っている間スマホを操作する。周りに誰もいないことを確認しつつ検索サイトでどうやって死ぬか方法を検索する。我ながらふざけた検索履歴だと呆れつつ、画面を操作していく。
やっぱり手っ取り早く死ぬ方法となると車などの交通事故での死亡率が多い。だがそんなに都合よく交通事故なんて遭うわけがない。
はぁ、何か都合よく信号無視とかで車が突っ込んで来ないかな〜。なんて考えていると信号が青に変わると同時に、スマホを制服のポケットに入れ横断歩道を渡りだす。
すると、後ろからふと甲高い声で「寝坊だー!」と叫び声が聞こえてくる。イヤホン越しでも耳を貫いてくる程の大声だったので、僕は驚いて後ろを振り向く。
後ろを振り向くと、そこに見えるのは猛スピードで走りながらパンをくわえた女子高生がいた。
その女子高生の姿は、少し青みがかった長い髪の美人だった。
そんなことよりパンくわえながら走るって、、、んなベタなことする人初めて見た、、、。
しかも同じ学校の制服じゃないか。なら今はまだ午前7時をちょっと過ぎたくらいだから、この交差点を歩いたら10分で学校に着く距離なので遅刻などするわけがないのだ。変な人だなと思ったが、まぁあんな美人は僕には関係ないし無視しよう。そう思いながら踵を返そうとした瞬間だった。
「はっ?」
僕は目を疑った。視界の端に確かに映ったのだ。赤信号を無視して突っ込んでくるトラックが見えた。
そして、そのままそのトラックはさっきまで走っていて疲れたであろう女子高生のいる横断歩道目掛けて、猛スピードで突っ込んでいった。
まじか!やばい!あのままじゃあの人が死んでしまう!僕はそう思考を巡らせながら持っていたカバンを投げ捨てて女子高生に向かって走る。
おかしいな、死にたいって思っているはずなのに。人を助けようとするなんて、、、。そのあたりで思考を放棄し目の前の女子高生を助けるのに神経を注ぎこむ。
間に合えっ!そして間一髪女子高生を突き飛ばした。そして僕ははねられた。
トラックに撥ねられ大体20メートルぐらい吹っ飛んだだろうか、意識がもうろうとするのに全身に鈍い痛みが襲う。体中ベタベタするこれは何だ?とにかく体が痛い。遠くで悲鳴が聞こえる。おそらくさっきの女子高生の声だろうか、耳鳴りがひどくてよく聞き取れない。
「大丈夫ですか!?うそっ!血がこんなにっ!」
女子高生がこちらに走って来て僕の体を抱きかかえて呼び掛けてくる。
そうか、この体のベタベタは血か、、、。
それは、、、それはよかった。僕はもうすぐ死ねるのか。それは、なんて喜ばしいことなんだ。やっと、、やっと死ねる。今日は、なんて良い日なんだ。
あぁでも、目の前で大泣きしているこの人に何か言わないとな、、、。
流石に僕が勝手にした人助けでこの人が負い目を感じるのも後味が悪いしな、、、。
僕は最後の力を振り絞り精一杯の笑顔を作り、彼女に思ったことを素直に言う。
「無事で、、、良かった、、、。」
僕はそう言い終わると意識が薄れていき、そのまま目を閉じた。
本当にありがとう。皮肉にも僕に終わりをくれたトラック運転手よ、、、そして名の知らぬ女子高生よ、、、。君たちのおかげで死ねる大義名分を持って逝ける。本当にありがとう。
「うそっ!いやぁあああ!!」
てか声デカいなこの人。そして僕の意識はここで途絶えた。
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