表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

いぬの学校 続編

作者: るりの
掲載日:2026/03/25

※本作は「いぬの学校」の続編です。

前作を先にお読みいただくと、よりお楽しみいただけます。

ここは いぬの学校


こいぬたちは 進級して、

すこしだけ むずかしい 勉強を

するように なりました。


走るだけじゃなく、

考えること。


においを 探すだけじゃなく、

どう 動くかを 学びます。


こいぬたちは、

まえよりも ぐっと

真剣な 顔に なっていました。



ある日、

課外授業が ありました。


向かったのは、

実際に はたらく いぬたちの いる 場所。


「わぁ……!」


そこには、

警察犬や 災害救助犬の

お兄さんや お姉さんたちが、


真剣な 目で、

すばやく、正確に

仕事を していました。


においを 追い、

合図に こたえ、

だれかを 助ける。


その姿は、

とても かっこよくて——


こいぬたちは、

目を きらきら させて

見つめていました。


「すごい……」

「あんなふうに なりたいな」


でも、

ひとりの こいぬが、

小さな 声で つぶやきました。


「……ぼく、できるかな」


その言葉に、

まわりの こいぬたちも、

少しだけ 黙りこみます。



帰るまえに

校長先生が そっと 言いました。


「すごいことが できる いぬだけが、

立派な わけじゃないんだよ」


「だれかの そばに いて、

心を あたためることも、

とても 大切な おしごとなんだ」


こいぬたちは、

静かに その言葉を 聞いていました。



帰り道。


バスに ゆられながら、

こいぬたちは

それぞれ 外を 見ていました。


そのとき。


だれかが ぽつりと 言いました。


挿絵(By みてみん)


「……あれ」


みんなの 視線の 先。


そこには、

ひとりの 女の人と

一匹の いぬが いました。


特別な 服も、

特別な 合図も ありません。


ただ、

いっしょに 歩いているだけ。


でも——


いぬは、

うれしそうに

女の人の 顔を 見上げています。


女の人も、

やさしく ほほえんで、

その子を 見つめていました。



こいぬたちの 胸が、

ふわっと

あたたかく なりました。


「あ……」


だれかが 小さく つぶやきます。


「この気持ち……」


「前に やった 授業の……」



だれも さわいだりは しません。


でも、

みんな 同じことを

思っていました。


——あの子も、

ちゃんと おしごと してるんだ。


お兄さんたちも、

お姉さんたちも、


そして——

あの子も。



バスは、

ゆっくりと 進みます。


こいぬたちは、

その光景を

いつまでも 見つめていました。


そして、

そっと 心の中で 思いました。


「ぼくたちも、いつか

だれかの そばに いられる

いぬに なろう」



おしまい


お読みいただき、ありがとうございました。


子犬たちのこれからの成長を、

見守っていただけたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ