第17話 あの日まで。
あれから数年。
あの県大会の夏から、時間は一気に流れた。
俺――東雲海――は毎日ボールと向き合ってきた。
小3のころは、Bチームの一員としてチョップタッチを駆使し、仲間と連携して勝利を掴んだ。
あの勝利は、確かに頂点だった。
でも、あれから気づいた。
勝つだけじゃ足りない。
もっと上を目指さなきゃ、俺は満足できない。
仲間たちは、その後Aチームに昇格した。
阿多米悠斗、細田三知、北幸四郎、茂久田、大井、池田、守――
みんな小学生とは思えないほど成長し、それぞれが自分の武器を持つ選手になった。
俺も負けていられない。
毎日、練習を重ねた。
技術だけじゃなく、視野、判断、嗅覚。
一瞬で味方と相手の動きを読み、最短でゴールまで運ぶ。
それが俺のスタイル。
チョップタッチも、ただのテクニックじゃなく、思考の延長になった。
周りからは天才だの才能だの言われたこともある。
でも、俺にとってそれは評価じゃない。
必要なのは結果――勝利とゴールだ。
誰よりも速く、誰よりも正確に、誰よりも貪欲に。
俺は思う。
この先、どれだけ強い相手が現れても、
自分の力で突破できると。
自分の思考と判断で、世界のどこにだって立てると。
小6になった今、目の前には新たな挑戦が待っている。
あの夏の光と歓声、そしてチョップタッチで逆転した瞬間を胸に、
俺――東雲海――は、また新たな頂点を目指して走り続ける。




