第16話 KING
ゴールネットが揺れる。
海の背番号8を見つめる観客の視線は、驚きと興奮で釘付けだ。
「なぜBチームなのか――」
誰もがそう呟く。
だが海は振り返らず、自分のリズムでボールを追う。
川崎フロンターレは反撃に出る。
烈なスピードと体格のDFが何度も縦を突く
茂久田、大井、池田のDF陣が海の指示で連動してブロック。
守御もゴール前で冷静に飛び出す。
前半終了
後半が始まろうとしていた
後半開始
海は中盤でボールを受ける。
チョップタッチでDFを揺さぶり、味方のスペースを作る。
悠斗が再び抜け、スルーパスを受ける――
シュート!
ゴール!Bチーム追加点!2-0!
フロンターレは焦りを隠せない。
最後の猛攻を仕掛けるが、海の読みとチーム連携で寸断される。
カウンターを狙った海は、DFが詰めてきた瞬間、ワンタッチで細田へつなぎ、北も走り込み、絶妙のパス交換で相手の守備網を切り裂く。
残り2分、悠斗がゴール前でボールを受け、冷静にシュート――
ゴール!3-0!Bチーム勝利確定!
試合終了のホイッスルが鳴る。
横浜エンゼルBチーム、県大会優勝。
多田コーチは静かに拍手を送り、選手たちを見渡す。
「全員の力で勝った……今日の試合は完璧だ」
海はピッチ中央で立ち、仲間たちを見渡す。
(俺たち……やったんだ……)
悠斗も笑顔でうなずく。
「海、これが俺たちの力だ!」
背番号8――東雲海――
小3の少年でも、知恵と努力で強者に立ち向かい、頂点を掴むことができる。
観客席の大人たちは、海の才能に目を丸くして言う。
「この子、ただものじゃない……」
「まさに、手放しの猛獣だな」
Bチームの冒険は、県大会という頂点にたどり着き、さらに新たな伝説の幕開けを告げたのだった。
それと同時に
西都監督はこう告げる。
Aチーム入れ替えだ




