第10話 逆襲
後半開始。
スコアは0-2。
チームの雰囲気は重い。
だが、海――東雲海――は落ち着いていた。
(まだ勝てる……見せてやる)
彼はボールを受けると、すぐに前線の悠斗を確認。
「よし、今回は違う」
短い距離のパスを回しながら、相手の重心を揺さぶる。
無駄なタッチは一切せず、最速でゴールまでの道を作る。
「茂久田、カバーだ!大井、右サイドを絞れ!」
指示が飛ぶたびに、Bチームの動きはスムーズになる。
前半のようなミスはなく、DF陣も声を掛け合い、バランスが整った。
海の目の前には、ゴールを狙う悠斗。
前半は体格差と技術不足でなかなか突破できなかった相手DFも、今は海のパスワークに翻弄される。
「悠斗!左だ!」
短い瞬間の合図で、悠斗は動く。
ボールがスルリと通る。
DFの間を縫うように走り、ゴール前でシュート――
ゴール!1点返した。
チームに歓声が戻る。
茂久田が笑い、細田も北も声を上げる。
守御もセーブを連発し、失点を防ぐ。
海は冷静だ。
(まだだ……相手は焦っている)
次のプレーを読む。
小さな隙を見逃さず、パスとドリブルでゲームを支配する。
「悠斗、中央に来い!」
海のパスに悠斗が反応する。
一瞬の隙をついてシュート――
ゴール!同点!2-2!
相手チームは焦り始める。
中3のAチームでも、小3Bチームに翻弄されることは想定外だった。
しかし、海とBチームは焦らない。
パス回しで相手を揺さぶり、スペースを作る。
DFのミスを誘い、パスを出そうとするだが止まる
これでいいのかそう海は自分に問う
タイムリープしてもこれかよ情けない
海はDFに仕掛ける
ボディフェイント縦に行くふりをする
その瞬間に相手は一瞬縦に重心がずれる
その瞬間をとらえチョップタッチで相手をかわす
弧を描くようなシュート
ゴール!3-2!逆転!
試合終了のホイッスル。
Bチームが準々決勝を制した。
圧倒的な集中力と連携で、Aチームを下したのだ。
多田コーチは静かにうなずく。
「よくやった……これが、お前たちの力だ」
海は仲間たちを見渡す。
「まだ序章だ。次も勝つ」
悠斗も笑顔でうなずく。
「次はさらに決めるよ」
Bチームはこの試合で、ただのBチームではなくなった。
中盤支配、連携、そして信念――
小学生でも、努力と知恵で強者に立ち向かえることを証明したのだ。




