表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ポコチン哲学  作者: 星狼


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/4

希望・絶望・哲学

一条は部屋の中央で、両手を高く掲げた。

裸の体が、まるで新しい啓示を受けた聖者のように輝いているように見えた。


「おい、俺、閃いたぞ!」


片岡は壁に寄りかかったまま、静かに目を細めた。


「……何、閃いたんですか? 聞かせてください」


一条は深く息を吸い込み、声を張り上げた。

目は異様なまでに澄み、言葉の一つ一つに確信が宿っていた。


「俺、今の小説やめて、ポコチン純文学書くわ!」


片岡は一瞬、言葉を失った。

ゆっくりと首を振る。


「貴方は何を言ってるんですか?ポコチンと純文学は繋がりません」


一条はにやりと笑い、股間を指差した。

その仕草は、まるで宇宙の中心を示すかのようだった。


「ポコチンを人生の象徴に例えるんだよ!?」


片岡は無言で一条を見つめた。

わずかに眉を寄せる。


「……ほう」


一条は勢いよく言葉を続けた。

声は高揚し、部屋の空気を震わせる。


「立ってる時は希望!萎えてる時は絶望!そして射精はカタルシス!」


片岡は小さく息を吐き、視線を天井に移した。


「……あ〜あ、哲学出来ちゃったよ」


一条はさらに声を上げ、拳を握りしめた。


「そして射精後の虚無は……読後感だ! よし、これ書こう。今書いてるのやめて、このポコチン哲学書こう。タイトルは『人生の希望と絶望』とかにするか?」


片岡は壁から体を離し、一歩踏み出した。

声は静かだが、どこか諦めきった響きを帯びていた。


「ポコチンから人生は始まりますけど……一条さん……! ダ〜メ! 一条さん!」


一条は笑い声を上げ、部屋の中をゆっくりと回り始めた。

その姿は、解放された男のものだった。


片岡の脳裏に、一瞬だけ過ぎる。


このポコチン哲学は、ありかもしれない。

一条の暴走は、純文学の殻を破るための、究極の逆説なのかもしれない。

裸の真理を、こんな形で突きつけてくることこそが、本当の「深み」なのかもしれない。


だが、それはもっと大きな思いに掻き消される。


ーー確実に編集長に怒られる。


片岡は小さく首を振り、ため息を一つ落とした。

純文学ーーポコチン哲学の沼に溺れてしまった一条を救うために、今日も彼は働く。


ドアの向こうに広がる日常が、静かに待っている。

読んで頂き、ありがとうございました。


この作者病気シリーズは結構書いているので、よろしければ、そちらも読んで下さい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
投稿お疲れ様です!急に全裸になって悟りを開くとはw片岡さんはびっくりしたでしょうねw困惑してる片岡さんとハイテンションな一条さんが対比になっていて上手に書くなぁと思いましたw面白かったので引き続きお願…
えとこれ…R18つけなくて大丈夫っすか………!?BANとかの基準はわかんないですけど危ないかもですよ!? というのはさておきすごく面白かったです! 私、割と一条さんに似てるかな〜って…一条さんの全てを…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ