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入社して3年、中途採用の優秀な後輩は自己主張強め
その男は、機転が良い方ではない。彼の良さは、人当たりの良さの一言に尽きた。それ以上もそれ以下もなかった。まもなく50を迎える彼は、そのことを自覚していたし、仕事で決算を2回も共有していれば、その仕事ぶりにあらかたの人々は、ラベルを貼った。『仕事ができないやつ』と。
彼の現在の職場は8ヶ所目である。人当たりの良さは、現職場以外の7ヶ所すべて、正社員採用で雇用されていることも補完材料になろう。さすがに今の職場では、契約社員となっているが、転職回数は、彼の協調性のなさも物語っていた。彼に言わせると『飽きた』『要領の悪さに反比例するプライド』が原因とのことである。
現在の職場で契約社員となりまもはく丸2年目に届きそうな秋、ひとりの60代の男性が同じ契約社員として入社してきた。彼はサイトウと言った。勤務して3日目には快活に職場の和に入り、年季の入ったお弁当箱に自前の料理をつめて毎日出勤してきた。業務自体も的確に、さらに自分の意見も主張しながら取り組めるタイプであった。