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#15

物心ついた頃から、俺のそばには常に兄さんがいた。

家の事は何でもやってくれたし、生活費も何もかも兄さんが頑張って俺のために働いてくれた。


兄さんはいつも、俺のためだけに行動をしていた。そんな兄さんがいつも心配で、何よりも愛おしかった。


そんなある日、俺たちの住む街が襲われて俺たちは逃げる事となり、なんとか命からがら俺たちは街から遠い洞窟へと避難した。しかし周りには食べ物も何もなく、そこにいても死ぬのは時間の問題だった。


「アレン、兄さんは街へ行ってくるよ」

「そ、そんなのダメだよ!僕を1人にしないでっ!」

「大丈夫。すぐに帰ってくるから、兄さんを信じて」

「行かないでっっ!兄さん、兄さんっ!!!」


兄さんが俺の元へ帰ってくる事は二度となかった。


食糧もなく、頼る人もいなくて俺はついに餓死寸前だった。そんな時、俺はドラゴンに見つかった。


(兄さんに会えないまま、死ぬんだ‥帰ってくるって言ってたのに、兄さん。でも、もういいや)


だけど、その瀕死の状態で俺は覚醒した。5歳とは思えない魔力を保持していた俺はなんとかその日その日を魔力だけを頼りにして生きていた。そうして、なんとか自力で暮らせるようになった頃突然見知らぬ何かが訪ねてきた。


「誰だっ!」

「ちょ、ちょっと待って下さい。私達は何も貴方を攻撃するために来た訳じゃないんです。お兄さんの居場所、知りたくないですか?」

「何者だ、、お前見たところ、この星の者じゃないな‥?」


この時、こいつの話を聞いたのが間違いだったのかもしれない。でも、兄さんのためには仕方がなかった。

その男は、この惑星に移住したがバリケードが壊されそうになっていて、もし壊されでもしたら、自分達は魔物に対抗する魔力を持っていないのでなんとか助けて欲しいということを言ってきた。俺の兄さんを見つけ出す代わりに。


俺は承諾してしまった。魔力で本来の仇である者たちを守っていたのだ。そいつらが兄さんを攫った犯人だとも知らずに。

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