#12
「はぁ、はぁ‥逃げなきゃ‥早くっっ!‥‥うわっ!や、やめろよっっ!離せっ!」
「こちら、M2班U-0を捕獲。すぐに戻ります」
「やめろっっ!離せ!!!僕は、僕は、戻っ、、(何だ、何か刺されて視界が‥)」
「隊長、早く戻りましょう。いつU-0が目覚めるかも分かりませんし、それに彼は貴重な惑星の実験体ですから。」
(弟を、アレンを守れなくてごめん。母さん、父さん‥‥‥)
こうして僕は、実験体としての日々を送ることとなった。体をどこもかしこも切られては検査。僕の意思とは無関係に僕が死なない程度にそれは日々行われた。
「思い出した?‥‥兄さん」
「‥‥そうか、そういうこと、だったのか。僕は初めから人間なんかじゃ‥‥いや、そんなことどうでもいいか。悪いけど今は、1人にしてくれないか?」
アレンは、弟は魔力によって僕が僕自身で封印されたはずの記憶を呼び覚ました様、だった。
アレンが弟だと分かってやっと、このアレンに対する気持ちの正体が分かった気がした。これは本能からくる愛情だったのだ、恐らく。きっと、そうさ。
僕らはそれから失った時間を取り戻すかの様に常に一緒に過ごした。寝る時も食事の時も、アレンが魔物を倒しに行く時以外はずっと。
それから2ヶ月経ったころ、アレンは急に夕食前僕を呼び出した。