#1
青年はもう生きることさえ難しい状態に陥っていた。
苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい明日、僕は生きていられるだろうか。この地獄が明日も繰り返されるのだろうか。辛い、死にた…
「ゔっ…ゴッハッ…」
ピチャピチャピチャピチャ…久しぶりに雨の音を聞いた気がした。でもそれは雨の音なんかではなく、己の血が地面に落ちる音だった。青年はそれに気づくことさえできなかった。己の血がまさに先程美しい模様を地面に描き出したというのに。ただひたすらにもがき、苦しみ、血を吐き、血を吐き…己の命が尽きるその時まで必死に必死にまだそちらへは行きたくない…抗った。抗った。純粋な生への気持ちが死ぬ直前で芽生えたかもしれない。あれだけ己の命などどうでもいいと思っていた青年が…なんと美しい事だろうか。
しかし、運命とは、人とは儚いものでそれから10分後には青年は息絶えた。抗い切ることができなかった。よく持った、とでも言うべきだろうか。それとも、これは必要な犠牲だ、とでも言うべきだろうか。
これは、とある青年が死ぬ前の物語。