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いのちのパン屋さん〜二回目の光〜  作者: 地野千塩


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初心者のソーダブレット(4)完

「だから、何でリップにこんな派手なオレンジ色を選ぶの? こんな色、美嘉には合わないって」


 莉央のダメ出しの声が、駅ビルの中にあるドラックストアのメイクコーナーに響く。


 なぜかクラスメイトの芋臭い優等生の美嘉がメイクをしたいと言い出した。その変化に驚いたが、一肌脱いでも良いと思い、メイク選びに付き合ってやっていた。


 美嘉は初心者だけあり、リップやファンデーション選びもいちいち最悪なチョイスをしていた。その度に莉央は呆れながら、ダメ出しをし、彼女の顔や雰囲気に合うものを選んでいた。


「だって、莉央。私、メイクなんてやった事ない初心者なんだよ。右も左もわからない。失敗も多いと思う」


 そう言われてしまうと、莉央も大きく反論はできなかった。確かに自分もメイクを始めた頃は、

パンダやお祭りのお面みたくなってしまった。自分の失敗を思い出すと、人の失敗もツッコミ出来ない気分になってきた。


 母の事はまだ許せない。ただ、もし自分が母親になったら、気付ける事もありそうで、この件はしばらく考えない事にした。今は養母の家で幸せだ。よく考えてみれば、今の生活に不満は全くない。美嘉は少々うざったいけれど。


「そうだ、美嘉。これが終わったら、パン屋に行ってみない?」

「パン屋?」

「うん。店員がまだ見習いみたいで、失敗したあんぱんとかクロワッサンくれる」


 再び福音ベーカリーに行くと、柊から失敗したパンをいくつか貰う事もあった。見た目は売り物のパンと変わりないが、もう一人の先輩店員からすると、まだまだ商品化ができないようだ。パン作りの世界も簡単にはいかないらしい。柊は、「毎日失敗ばかりだよ」と笑っていて、特に落ち込んでいる様子はない。


「もしかして福音ベーカリーってパン屋?」

「え、美嘉も知ってるの?」

「うん。気が合うね。行こう、行こうよ!」


 こうして美嘉と二人で福音ベーカリーに向かった。こんな事もあり、美嘉とはすっかり仲良くなってしまった。素朴で芋臭い美嘉といると、自分の中にある邪気も抜け、教師達に反抗する気も失せてしまった。


 福音ベーカリーのパンは、確かに糖質は高そうだが、柊によると「天使のパンだから太らない」らしい。その真意は定かでは無いが、今日だけはダイエットは中止だ。

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