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「グレイブ様……、あの、グレイブ様は結婚のご予定はあるんですか?」
私は思いきって一番気になる事を聞いてみた。
グレイブ様は少し驚いた様子で私を見てくる。
「……いや、俺に結婚の予定はないよ。君は?」
「私にもありません。あの、私なんかはいかがですか?」
私は思いきって聞いてみた。緊張して目を詰むってしまったので、グレイブ様の表情は伺えないが、息を飲む音は聞こえた。
「……それは、俺と結婚を考えているということか?」
グレイブ様の言葉に頷く。続く言葉がなく、不安になった私はそっと目を開いた。
グレイブ様の顔を微かに赤くなっていた。
「…俺は辺境伯だ。そして、君は次期公爵だろう?」
「実は従妹が第2王子と結婚する事になりましたの。だから私も自由に結婚相手を選べるようになりました」
「俺と君は14歳差だぞ」
「普通でなくて?」
「本当に俺で良いのか?」
「私、今まで言えませんでしたが、初めてお会いした時から貴方が理想でしたの」
「………そうか」
グレイブ様は落ち着ける為か紅茶を一口飲んだ。
「俺の領は王都とは違って危険なところだ。俺が守るから嫁に来てくれないか」
「はい。喜んで」
私は今日、ずっと憧れていた男性と婚約する事が出来た。
END
こちらにてこの作品とシリーズは終わりです。
この度はお読みいただきありがとうございました。