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レオン様へ
ぜひお会いしたいです。
久しぶりに会えるのを楽しみにしております。
そこで話したいことがあります。
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私がレオン様にどうやって告白しようかと考えていたら彼から王都に来るという手紙をもらった。
彼とはもう十何年も会っていない。
私の成長に驚いてくれるだろうか?
今から会えるのが楽しみだ。
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あっという間に明日はレオン様が王都に来る日になった。
レオン様とは彼が仕事を終えてから会う約束をしている。
本当は私のおすすめの店を紹介したいが、移動や国王様への謁見で疲れているだろう彼を連れ回す訳にもいかない。
今日は自宅に招待している。
「お嬢様。バーゲン辺境伯がいらっしゃいました」
使用人が呼びに来てレオン様が来た事を告げてくれる。
「ありがとう。テラスに案内してください」
私もすぐに立ち上がりテラスに向かった。
「ブルネイ公爵令嬢。この度はご招待ありがとうございます」
テラスに来たレオン様はまだ少年の面影のあった昔から成長され出会った青年から壮年になり頼りがいのある男性に成長されていた。
私はほうっと思わず見惚れてしまい、二度目の一目惚れをしてしまった。
「ようこそおこしくださいました。私の事はどうぞカナリアスとお呼びください。グレイブ様」
「あぁ。ありがとう」
レオン様…グレイブ様は昔の面影のある柔らかな笑みをうかべると私の勧めた席についた。