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飛竜の村~飛竜の住み処

 情報収集の為に飛竜の村…ではなくて、エッジファンド村の中に入ったよ。名前言いにくいからやっぱり飛竜の村で良いか。


 この村は小さな村だから、冒険者ギルドなんてない。一応旅の人向けの小さな宿屋が一つと食事処が一件あるくらいで、あとは村民が暮らす家がポツポツと点在していた。テレビで見る田舎風景みたいな感じかな。全部の家に畑もあるみたいだし。


 小さな村ということは情報はほとんど村民同士で共有されるから、ワイバーンの話はすぐに聞けたよ。


 曰く、ワイバーンが現れたとは1ヶ月ほど前から。ほうほう。


 曰く、家畜を襲って山の方に去っていく。ふむふむ。


 曰く、人を狙うことは無いが、狩人が追い払おうとした際にケガをした。狩人さんなにやってるの?死にたいの?


 曰く、竜の肉はとても高級食材らしく、高値で取引されるらしい。じゅるり。


 曰く、亜竜であるワイバーン一体で村が全滅するから、冒険者に早期解決を依頼している。まだ誰も依頼受けてなかったけどね。


 村の存続すら危うい状態ならば、領主に討伐をお願いすれば良いのにね。ここはクラウゼル領だから、リナ様の管轄でしょ?小さな村でも見捨てるような人じゃないと思うんだけどなぁ。


 ちなみに、領主に相談したのか聞いてみたところ、領主の兵は基本的にそこそこの規模の町とかに配備されていて、村の方まではなかなか兵を送ることは無いのだという。だから、村で魔物の被害に遭っている時は冒険者ギルドに頼む方が動きが早いのだとか。へぇ。


 情報収集を終えた私はさっさと村から出た。ワイバーンが出るという山とは別方向に。何故かというと、私がワイバーンの出る山に向かった姿を村民に見られて、後から依頼を受けた冒険者がその情報をギルドに報告したら面倒になりそうな気がしたからだ。ワイバーンの出る村など危ないから逃げよう…みたいに思ってくれたら良いなぁ。


 そして、ある程度離れたところで、村を大きく迂回する形でワイバーンがやってくるという山に向かった。


 人里から離れると、すぐに精霊が集まってくる。まぁ、普通の人には見えないらしいから良いんだけどさ。エルフやドワーフ、フェアリーは精霊との親和性が高いから見えるらしいよ?ファンタジーな人種、いつか会ってみたいよねぇ。


 エルフとかの亜人と呼ばれる種族は、魔王の管轄している国や土地にしか住んでいないらしいの。稀に人の国にやってくる変わり者も居るけど、迫害が激しいから町に住むことはほぼ無いみたい。ちょっと見た目が違うだけで同じ人間なのにね。人間って馬鹿だよね。


 そのせいか、魔王の国では人間はあまり良い顔されないらしい。まさに犬猿の仲。今は落ち着いているらしいけど、何度も戦争しているだけあって関係は最悪のようだね。


 だいぶ話が逸れたね。今はワイバーンに集中しよう。どれくらい強いかわからないからね。


 って、あれ?スマホにメール来た。収納魔法に仕舞っていても着信で解るのは便利だけど、ちょっと鬱陶しいよね。どうせ神様の仕業なんだろうけど。


 で、私にメールを送ってくるなんてその神様しか居ないわけで。いや、突然家族からメール来たらびっくりするわ。なんて会話すればいいねんってなる。


 メールの内容はっと…端的に言うと、もっと構って欲しいらしい。構ってちゃんか。ええい。面倒だな。


 仕方ないので、竜や亜竜に聞いてみた。どうせ今の状況は見ているのだろうしね。…ホント、私のことばかり見てないで仕事してよ?


 あ、返信きたきた。なになに?


「竜の肉はとても美味ですよ。亜竜であるワイバーンもそれなりの美味しさに設定してあります。悠理さんの居た地球で表現すりならば、ワイバーンの肉は最高級黒毛和牛A5ランクのちょっと上くらいの美味しさです」


 なんで肉についてなの?もっと他に無いの?生態とか歴史とか。あるでしょ!?あと設定とか言うな!神様が言うと生々しいわ!!


「あ、設定というのは言葉のあやです。それと、ワイバーンの吐く炎はそこそこ熱いので服を燃やされないように気を付けてくださいね?」


 そこは私の心配してよ!なんで服の心配なの!?まぁ、服が燃やされても困るけどね。


 ていうか、ワイバーンのブレスって直撃しても熱い程度で済むの?私のステータス的に大丈夫ってことなのかな?でも、一応、当たらないように気を付けないと。


 本当は見るだけのつもりだったけど、こんなにお肉を推してくるならば、食べないのは失礼だよね?よし。今日の夕食はワイバーンの焼き肉にしよう!


 あ、ちょっ、森の中で火の微精霊と風の微精霊の組み合わせはマズイですよ!散って散って!



……


………


「あちらがワイバーンですよ。ユーリ様」


 あ、今のは私の台詞では無いよ。なんかよくわからないけど、途中で風の大精霊さんが現れたの。ぱっと見は普通の人にしか見えないけど、ちゃんとした精霊さん。大精霊にもなると容姿は様々らしく、大人な人から子供っぽいのまで色々居るらしい。ちなみに、風の大精霊さんは中学生くらいのちょっと幼い感じの残る女の子だ。


 風の大精霊さんが指差す方を見ると、確かにワイバーンっぽい奴が岩場で丸くなって寝ていた。2体くらい。うん。1体じゃないね。


 冒険者ギルドの依頼書では1体だけだったはずだけど、私の索敵で調べた感じ、10体以上の反応があった。これ、適正ランクの冒険者が来たら死ぬのでは?


「人間の話では、竜の肉はかなりの美味と聞きます。とってきましょうか?」


 風の大精霊さんのノリが薬草を取りにいくみたいに気軽なんだけど?いや、まぁ、大精霊さんからしたら、ワイバーンなんて雑魚だよね。


 ああ、そうそう。ワイバーンの見た目はすっごく大きいトカゲに翼がある感じ。亜竜だからか、思ったよりはかっこよくないけど、ファンタジーアニメのモンスターっぽくて良いね!


 風の大精霊さんがサクっと全滅させそうだから、その前に1体だけでと戦ってみたいな。鑑定でステータス見てから決めようか。厳しそうなら大精霊さんに任せよう。


〈種族〉ワイバーン

〈ステータス〉

レベル 5

HP 17/158

MP 0/0

攻撃力 145

防御力 100

魔力  160

精神力 65

素早さ 57

知力  39

器用  25

魅力  15

運   10

〈スキル〉

【竜魔法レベル1】【攻撃力上昇レベル3】

【素早さ上昇レベル3】【姿勢制御】


 うん?思っていたよりもステータスは低いね。でもレベル5でこのステータスはかなり高いか。さすがは竜の血が入っているだけあるね。


 それにワイバーンがBランクである由縁は、空を飛びながらブレスで攻撃してきたり、毒のある針が付いている尻尾で攻撃されたりして厄介なところが大きいだけで、ステータスだけならDランク冒険者でも狩れそうだね。そうそう、トカゲみたいな尻尾の先端付近に丸くなってる所があるの。そこに毒のトゲがあるみたいだよ。


眠っているワイバーンくんにこっそり、素早く近付いて首をポンっとはねる。普通に戦っても良かったんだけど、たぶん、普通に戦っても『銃撃魔法』であっさり倒せるだろうから戦わないことにした。時間の無駄だからね。


 で、死体を収納魔法に仕舞ったら残りのワイバーンは「ねぇ、やっていい?」とさっきから話しかけてくる物騒な風の大精霊さんにお任せすることにする。


 私がお願いすると、「まっかせて下さい!ユーリ様!!」と空高くに舞い上がったかと思うと、いくつもの風の刃があちこちに居たワイバーンの体を分断していった。グロイな~。っていうか、精霊強すぎじゃありませんかね?


 ワイバーンバラバラ殺竜事件が終わり、死体を風で私の前に集めた風の大精霊さんはとても良い笑顔で笑った。私はも(引きつった)笑顔で笑い返した。喜んでいたし、良いとしよう。


 大量のワイバーンの肉の血抜きを魔法で一気に済ませ(臭いは全部精霊さんが空に逃がしてくれたよ)、今食べる分以外はそのまま収納魔法にポイっと投げた。いやー大量大量。売ったら小金持ちになれそう。もし口に合わなかったら売ろうかな。


 というわけで、周囲に敵も居ないし人も居ないことだし。焼こう。


 なんだか某怪物狩りゲームで肉を焼いている時に流れていそうな音楽を口ずさみながら、じゅうじゅうと肉を焼いていく。匂いで魔物とか寄ってこないように風の大精霊さんに任せてある。っていうか、血抜きの時とかも含めて臭い関係は全部ずっとやってくれてる。お礼を言っておかないとね。


 私がお礼を言うと、風の大精霊さんは「これぐらいお安いごようですよ♪」って満面の笑みで応えた。しかし、私から彼女達に物理的なお礼って出来ないから、ちょっと心苦しいよね。まあ、精霊達が勝手に私に付き纏って手助けしてくれてるだけなんだけど。それで毎回対価を求められても困るだけなんだけどね。


 なんてやっている内にお肉が上手に焼けました~♪匂いだけでよだれが垂れそうだよ。念のために補足すると、垂れていないからね?ホントだよ。


 そんなことよりも。いざ!竜の肉、いただきます!


 ん~~!?口の中に入れた肉が…溶ける!確かに黒毛和牛A5ランクより美味しいかも!まあ、小さい頃に1回しか食べたことないから味なんてうろ覚えだけど。そんな記憶の彼方にある高級食材の味なんかよりも、このワイバーンの肉はとっても美味しい。これは売るくらいなら私が全部食べよう。決定。


 これなら普通に焼くだけじゃなくて、から揚げとか竜田揚げとか良いかもね!(亜)竜だけに…


 それにしても、ワイバーンでこの美味しさなら、ちゃんとした竜の肉ってもっと美味しいんじゃ…?じゅるり。これは探さないといけないね!日本人の美食家っぷりをなめてはいかんのだ!


 王都に向かう途中でもし竜を見付けたら積極的に狩ろう。うん。ふへへへ…。それにしても美味しい…。


 その日は1日中ワイバーンの肉を食べまくった。どれだけ食べても胃もたれしないのすごい。たぶん、私の体のせいだろうけど。それに、食べられる量も増えた?こんなところに神様特典いらなくない?まぁ、美味しいものを沢山食べられるのは良いんだけど、太らないよね?大丈夫だよね?ねぇ、神様。もし太ったら絶交だからね?そこは容赦しないよ?



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